らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

文化経済学

2009年12月17日 23時54分38秒 | 音楽
 事業仕分けによる全国のオーケストラ業界激震の問題に、たくさんの方がメールを出していただき感謝します。この問題はまだ決着がついていないで不安な日々を送っていますが、今度の土日の山形響第201回定期演奏会は元気出してゆきましょう!!

 仕分け人達が多く使用している単語に「効果」、「成果」など芸術活動を数値化出来ないのを良いことに予算圧縮が最初から決めつけているような議論が大半のような印象を持ちます。

 一番??なのは、「芸術は自己責任。日本独自の洗練された文化レベル・芸術性が通用するのであれば、しっかりしたマーケティングで興行可能。」というあたり。

 我々オーケストラというのは、採算がとれない団体なんです。特に自主公演は会場が満員になっても採算がとれないような仕組みになっています。チケット代を3~5倍位にして満員になるならどうなるか分かりませんが・・・・・。


 どうもこの件を書き始めると馬鹿が愚痴言っているようになってしまうので、ここに書いてあることは私個人の意見であって、正論ではないかもしれません!というのをあらためて書いておきます。汗。

 10年位前にオケ連の会議が金沢で行われたことがありました。その会議後に山形響の公演がある秋田の能代市まで国道7号を夜中にぶっ飛ばした思い出があります。汗。

 その会議において「文化経済学」という学問の公演が在りました。講師の先生の名前を覚えていませんが、その学問には興味を持ちました。

 例え採算がとれなくても我々文化団体に対して国が補助する意義のような事を話されていました。

 「文化の火を消すな!」とか「文化にはお金をかけるべきだ!」とか「文化は国で守らなくちゃ!」とか所謂建前的に言われる理論を、少しずつ経済学的に話をすすめてゆきました。

 それはどういう事か?簡単にいうと・・・。モンテディオの例が分かりやすいかもしれません。

 山形のプロサッカーチームのモンテディオ山形に山形県から補助金が出ています。J2時代から補助金が出ています。その補助金の意味としては、山形のプロサッカーチームだから・・・。という単純な話ではありません。県民のスポーツ文化を担っているから・・・。という理由だけでは少し動機付けが弱いですね。チームが活躍すれば、県民が盛り上がり元気になるから。確かに上の3つだけでしたら、サッカー好きではない人にとってなんだその税金の使い方は!になってしまうわけです。文句を言おうとすればいくらでも揚げ足取りを出来るわけです。実のところモンテディオは、補助金がもらえなければ明らかに赤字経営ですから、その補助金はチームとしては命綱なわけです。

 昨年、モンテディオ山形は監督以下選手達、協会の頑張りと県民の応援のおかげで悲願のJ1に上がりました。私もたくさん応援していました。そして今年はダントツの最下位予想を裏切ってJ1に残留を決めました。

 モンテディオ山形に補助されている金額の何十倍も県民に経済効果がもたらされたのです。チームには入場料などのお金しか入りませんが、例えば天童市のホテルや旅館などが浦和レッズなど人気チームのサポーターで満員になったそうです。お土産屋さんから食堂までサッカー場近くに経済効果をもたらしました。勿論バスや鉄道・飛行機などの交通機関にも車移動のガソリンを県内から買っていってもらったり、その経済効果は年間で実に30億円以上だそうです。

 そう考えると(スポーツ文化経済学的に言うと)モンテディオ山形に補助金を出す事は、全くの無駄ではないのです。むしろJ1に残留するたびに補助金UPすれば良いと思うのです。万が一J2に降格したとしても同様に出せばいいのです。必要ない道路をつくるより効果的な県民を元気にさせる「生きたお金の使い方」だと思いませんか????

 サッカー場は収容人数も多いし、じゃ~オーケストラはどれくらいの経済効果があるの??という揚げ足をとられそうですね。正直分かりません。ごめんなさい。山形響ではまだその議論になった事がないのです。

 しかし、山形響が存在して元気に県内で活動している事に経済効果は必ずあります。貸しホールに対してお金が動いているだろうし、ホール近くの駐車場・飲食店など。演奏会があるたびのチラシ・プログラムの印刷代。楽器屋さんにCDショップ、楽譜屋さんなど。もちろんお客様の移動・楽団員の移動。最近は県外からのお客様も増えて、山形県の良い宣伝にもなっているはずです。以前に新県民会館建設が議論に上がっていたときに、現県民会館を壊すのは止めて欲しいと七日町あたりから声が上がっていたのも、県民会館に経済効果があるという証拠になるでしょう!!どこかがこの経済効果を計算してくれないですかね。きっと補助金をもらう強い武器になると思いますけど。

 子供達への音楽の提供は教育活動の分野にわけられますけど、上記のような経済活動もしているわけです文化団体も。

 国がお金を出して地方を元気にするというのは、地方を元気にする良いプロジェクトだと思うのですがいかがでしょう??この文化経済学って面白そうでしょう??少しずつ勉強しようと思っています。

 P.S。引き続き補助金関係のコメントを送ってもらいたいと思います。当ブログコメンテイターのTIMEさんからの伝言でした。(独)日本芸術文化振興会(https://www.ntj.jac.go.jp/goiken/mail.html)まで。

 

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