らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

クァルテットのメンバー

2016年04月22日 23時59分59秒 | クァルテット
 クァルテット(弦楽四重奏)は、よく結婚に例えられます。

 山形Qの活動規模だと、オーケストラのお仕事以外は、ほとんどの日をメンバーと本番やリハーサルで過ごしているから、なぁ~んとなく想像もつくでしょう?オケの仕事が休日の日は、クァルテットタイムなのですから、家族と一緒にいるよりも多いときもあります。

 そして、弦楽四重奏というジャンルは各作曲家が、文字通り命がけで書いた渾身の作が多くて、適当に演奏するのではまともな音楽にならない事も多いので、とにかく仕上げるのに時間がかかるんです。ヴァイオリン2、ヴィオラ1、チェロ1という4声部で(重音があれば、それ以上の声部に分かれる時も)、一つの音楽を奏でなければならないのです。

 大昔の弦楽四重奏団ようにメロディを担当している1stヴァイオリンの独裁政権では、今時の四重奏団として、聴ける音楽にはなりません。4つのパートが、それぞれ主張を持ち、ギブアンドテイクで音楽を作って行くのです。民主的な方法なのですが、時間はよりかかります。

 他のメンバーの個性を大事にしながら、今起こった事象に対して、どう対処したか?それは成功なのか失敗なのか?多くの時間を4人で共有しなければ、音楽は高みに行かないと思っています。音程、音楽の運び、リズム、息づかい(あげればきりがない!!)事を一つ一つ確認しあいながら演奏してゆくのですから、ある意味~家族の気持ちを考えるより深いところまで、他メンバーの気持ちを考えているときもあるかもしれません。長く付き合えば、それだけ濃い付き合いになってしまうわけです。なので、他のメンバーと口もきかない、仲が悪いという弦楽四重奏団は古今たくさんあります。(幸い我々は、そこまで仲が悪くないので、助かっています)。

 笑い話のようですが、元メンバーのKさんに久しぶりにお会いしたときに、昔付き合っていた恋人にあったような錯覚を覚えるときがありますもの、それだけ何度も言いますが、濃い付き合いなんでしょうね。

 山形Qで演奏している時は、私で云えば、ヴィオラ奏者の倉田ではなくて、弦楽四重奏団の1声部になろうと、常に努力しています。個々の演奏をひけらかす様な時間にはしたくないのです。他のメンバーもそうなろうと常に努力している様に感じるし、各々のスケジュールよりまずは山形Qのスケジュールありきで活動してくれているのです。だからこそ私はこの団体で演奏し続ける事に幸せを感じる事が出来ているのです。

 たまに小遣い稼ぎのために、ちょこっと練習して、弦楽四重奏としての共有している時間を得ずして、本番を適当にこなしている人達を見ると、このジャンルにライフワークを感じている私としては、とても悲しい気持ちになります。その方々に対して、何も言いませんが、「かわいそうに・・・・」と心の中でつぶやいてしまうときがあります。

 本当に好きでなければ、手を出すべきジャンルではないです。
コメント (2)
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