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らびおがゆく Vol.3

山形県を中心とした演奏活動等

弦楽四重奏のための4つの日本民謡

2008年06月24日 23時00分18秒 | 山形弦楽四重奏団
 (写真)幸松肇氏著「世界の弦楽四重奏団とそのレコード ~ドイツ・オーストリア篇」

 山形弦楽四重奏団第28回定期演奏会まであと半月となりました。プログラム中ハイドンの曲については以前少し書いたので、今回のプログラム中の異色な曲目として、チラシを渡した人から「えぇ~日本民謡やるの??」と驚かれた幸松肇氏の弦楽四重奏のための日本民謡第2番について、本日は書きます。

 まず幸松肇(こうまつはじめ)氏を知らない方のために彼の簡単なプロフィールを下記に記しておきます。
1938年東京生れ。1963年早稲田大学卒業。作曲とヴァイオリンを池譲氏に、指揮を紙谷一衛氏に、弦楽四重奏法を浅妻文樹氏にそれぞれ師事。卒業後は東芝EMIでプロデューサーとして「巌本真理弦楽四重奏団の芸術」、「カペー弦楽四重奏団の芸術」等の弦楽四重奏団のレコード、CDを制作。弦楽四重奏に関する演奏論を、外来弦楽四重奏団のCDのライナーノートや演奏会のプログラムに掲載。また「音楽の友」「レコード芸術」などの評論を担当。「ウィーンの名弦楽四重奏団たち」を弦楽専門誌「ストリング」に連載中。著書には、渡辺和氏との共作で「黒沼俊夫と日本の弦楽四重奏団」「レコードによる弦楽四重奏曲の歴史」等がある。

 チェコやハンガリー系、ロシアの作曲家などが自国のもしくは民族的な旋律を用いた作品は多数存在しています。日本に西洋音楽というものが明治以降入ってきてから、滝廉太郎や山田耕筰など日本人の作曲家が多く生まれました。日本の雅楽に通じる響きという観点から多くの作曲家は、フランス音楽の響きに注目しました。武満徹などが一番有名なところでしょうか?もちろんドイツ系やロシア系の作曲に目を向けた人も多くいます。前者は諸井三郎、後者は芥川也寸志などが有名です。ただ音の響きが日本的かそうでないのかという事ではなく、日本人の庶民に親しまれて来た民謡から題材をとり作曲して成功した人はそれほど多くありません。作品の存在はあるのでしょうが、私の勉強不足のため多くを知りません。例えば有名なところでは、外山雄三作曲の「管弦楽のためのラプソディー 」や山形響とも毎年共演している神津善行さんの作品などがあります。

 ただこのあたりの邦人作曲家の話しを書き出すとなかなか幸松肇氏に行き着きませんので、今日はやめておきます。私も勉強中の身なので嘘ばかり書く事になりかねませんから・・・・・・・。

                 。。。サササ((;・・)ノ

 私は昔から海外のアーティストが自国の曲を情感たっぷりに演奏するのを羨ましく思っていました。(例えばスメタナQが演奏するスメタナSQとか、ボロディンQが演奏するチャイコフスキーSQとか、管弦楽曲でもドイツオーケストラがブラームスを演奏したり、イギリスオーケストラがエルガーを演奏する時など。)

 私達日本人の演奏家が自分たちの曲として民族の血を(大袈裟?)を実感しながら演奏出来る曲はどんなのがあるのでしょう?確かに武満徹氏の曲は我々日本人が世界に誇る作曲家なのだろうけど、彼の曲を我々日本人は楽しんで演奏出来るでしょうか?誤解無いように言っておきますが私は武満氏の曲はCD等よく好んで聴きますし、管弦楽曲は多数演奏してきました。

 もっと親しみやすい曲ないものか?お客さんも楽しめる曲はないものか?山形Q結成当初からず~とさがしてました。そんな時、以前にも紹介したクァルテット・エクセルシオのCDを聴いたんです。ありました!!日本民謡が好きな私のストライクな作品が!もちろん幸松肇氏の名前も知ってましたし、作品の存在も薄々知っていましたが、ただの編曲物だと思っていた私がアホでした。

 私を誤解させていた大きな原因はその表紙の表記に寄るところが大きかったのです。
「弦楽四重奏のための4つの日本民謡第2番」幸松肇編曲~この編曲というところに騙されていたのです。

 幸松肇氏の自分の作曲は余技だからという謙虚さから「日本民謡の編曲」ということで作品を発表してしまったのですが、私個人の意見かもしれませんが、これは立派な「日本民謡の素材による幸松肇氏の作曲作品!」なのです。弦楽四重奏というジャンルに詳しい彼の事ですから、バルトークやコダーイの様に民族の旋律を上手く料理していないと当時考えていたのかもしれません。しかし上手く料理した物がお客様を感動させるかどうかはわかりません。その譜面(音楽)をお客様の前で演奏していて、こんな演奏者もお客様も喜んでくれる作品はないと演奏するたびに思うようになりました。原曲がほどよく残っていて、はじめての聴衆でも興味深く聴いてくれるのです。

 日本人として弦楽四重奏というかたちで日本民謡を素材とした作品が演奏出来る事に感謝します。

 第2番は八木節・南部牛追い唄・おてもやん・会津磐梯山という4つの小品からなりたっています。海外のアーティストが日本公演のアンコールとしてたびたび演奏したそうです。私達はこの4作品を一つの組曲として~もしくは第1楽章から第4楽章としてまとめて演奏してみたいと思っています。

 第2番という事は第1番もあるわけで、それは来年以降必ず演奏してみたいと思っています。長くなりましたそれでは7/9(水)を楽しみにしていてください。

 最後に独り言・・・・・。
この作品の唯一の欠点があるとすれば、山形民謡は作品に含まれていないところでしょうか・・・・。
第3番書いていただけないかな~~~~~。
 
コメント
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