舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

スラムドッグ$ミリオネア

2009-06-30 22:58:59 | 徒然話
さっき、久しぶりにディータ・ヴォン・ティース様の映像をユーチューブで観ました。
いやはや、いつ見ても素晴らしい。完璧な美しさ、磨き抜かれた演出のテクニック...ただただ見とれるばかりです。
レッドカーペットでエレガントなドレスを着ている時はもちろん、本職のショウ(「ショー」ではなくショウと書きたくなる気持、彼女をご存知の方なら分るはず)においてさえも、ただひたすらグレイスフル。
一部映像に18禁指定がかけられているのが不必要に感じられるくらい芸術的です。
彼女を見ると、まだまだ「エレガントでありながらエロティック」の道を極める事が可能なのだと思い知らされます。
私などディータ様の足下にも遠く及ばないけれど、彼女を見るだけでインスピレーションが湧き、向上心が高まるのが感じられます。これからもなるべく沢山ディータ様を見ようっと。


さて、今日のメインはディータ様ではなく、日曜日に観た映画『スラムドッグ$ミリオネア』のお話です。
って今更かよ。アカデミー賞を取ってずいぶん経ちましたし、観たいと思い続けていたにもかかわらず、なかなか時間が取れぬうちに栃木県内での上映が終わってしまい、品川プリンスホテルに隣接する映画館でようやく観る機会に恵まれたのです。

しっかし、品川プリンスシネマの座席ときたら最高でした。
何せ椅子がゴージャス。座り心地もさることながら、座席が2席で1セットになっており、対になっている席とは近く、プライベートな空間を共有出来る代わりに、ペアでない方の隣席との間隔はたっぷり空いていて、知らない人と隣り合う事に蕁麻疹レベルの不快感を味わう私さえ、非常に快適に過ごす事が出来ます。

しかもこのシート、ペアになっている席同士の間にある肘掛けを上げれば二つの椅子が一体化します。
これでカップルはどうぞラブラブベンチに...なんてことは死んでも勧めたくないので(笑)、優雅に鑑賞したいおひとりさまが二人分の席を占領してリッチに映画を楽しむケースにこそお勧めしたいです。
レディースデーとかは1,000円ですから、なんと2,000円でこの広いシートが占領出来ちゃうわけですね。すごいお得です。

残念ながら今回の上映ではラブラブベンチ化しているアベック(古)が多く、そこは個人的に気に入りませんでしたが、まぁカップルなぞ見ず映画に専念すればよろしい。
というわけでいよいよ本題に戻りましょう。

『スラムドッグ』を観たいと思ったのはほかでもない、音楽をプロデュースしたのがあのインド映画界の巨匠・ラフマーン先生だったからです。
彼の音楽で素敵と思わなかった試しは私にはありません。iPodをすべてラフマーン先生の音楽で埋め尽くしてもいいくらい好きです。
そんな彼がついに世界の映画界で認められた記念すべき作品なのですから、聴かない...おっと、観ないわけにはいかないでしょう。

はたして期待どおり、いえ期待以上にすばらしいラフマーン先生のサントラでした。
ラフマーン先生の手がけるボリウッドの王道なベタ・ソングも大好きなのですが、今回のは世界を視野に入れているためか非常にスタイリッシュで、ボリウッド音楽として聴かなくても素敵です。
もちろん、ボリウッドファンに嬉しいベタな音も随所に使われていて、インドの映画館にいるノリで盛り上がりたくなってきたほどです。

しかも映画はその魅力的なサウンドを最大限に生かし、一般的な映画のBGMより大きなボリュームで挿入し、そんな時はあまり台詞を入れず音楽で聴かせてくれます。
これによって、ラフマーン先生の存在を知らない人も、この映画における音楽の存在感を強く感じる事が出来るでしょう。
こんなに「音楽を感じる映画」を作るのはリュック・ベッソンさんなど一部の監督に限られます。

私が最も好きだったのは、売春宿のシーンで流れる非常に官能的な曲です。
師匠言うところの「やたら腰にくるリズム」ってヤツですね。思わず踊りだしそうでした。つーか、じっさい少し踊りました。こういう時、プライバシーが保たれる座席だと助かります(いくら何でも踊るのはどうかと)。

かように音楽は文句なしのカッコよさだったのです...が、ストーリーのほうはと申しますと。
いやいやどうも。私、こういうのは若干苦手です。
まぁインドのスラムの(というより世界中の豊かでない地域の)真実の側面ではあるのでしょうが、やはり私は甘ちゃんなので、映画などのフィクションでは美しいものだけを見ていたいと思ってしまうタイプなのです。こういう残酷で悲惨な現実を突きつけられると辛いよ。

唯一の救いは、主人公の運命の恋でしょうか。
彼は幼少の時に出会ったヒロインに恋をし、その後離ればなれになっても一途に追い求め、ろくでなしの兄貴と違って彼女に指一本触れないまま愛を貫き通し、最後に二人は無事ハッピーエンドを迎えます。

しかしその純愛にもひと言申し上げずにはいられません。
このヒロイン、ちょっとピーチ姫すぎやしないかね。

あ、ピーチ姫というのはかの超有名ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」に出てくるお姫様で、マリオカートみたいな外伝的作品をのぞき、いつも決まって悪の大魔王にさらわれてはマリオ達の助けを待つ役回りです。

幼い頃から私は、彼女を見るたびに呟いてきました。
助けを待ってばかりいないで、自分でも何とかしなさいよ、と。

もちろんゲームと違い、この映画のヒロインは前述のような過酷な現実に翻弄され、逃げたくても逃げ出せない状況下におかれていた事は確かです。
しかし、極悪な施設から脱走して逞しく成長してヒロインを探しにきた主人公(というより、それを可能にした映画の世界のお約束)を考えたら、もうちょっと彼女からのアクションがあっても良かったし、そうすれば彼女の救出はここまで大変ではなかったかもしれません。
だいいち、そのくらいやれるヒロインでないと、主人公がそこまで惚れ抜いてるって説得力がないぞ。

どうも原作の『ぼくと1ルピーの神様』においては、ヒロインはもう少し私好みの活躍を見せてくれるらしいです。
ここはひとつ、ラフマーン先生のサントラを聴きながらその原作を読んで、お口直しといこうかしら。

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