舞蛙堂本舗リターンズ!~スタジオMダンスアカデミーblog

ダンス(フラ・ベリーダンス他)と読書と旅行とカエル三昧の日々を綴る徒然日記。

天は赤い河のほとり

2007-03-09 23:54:50 | ぼくはこんな本を読んできた
『王家の紋章』に続き、「古代オリエントにタイムスリップ少女マンガ」が文庫化されました。
それこそ篠原千絵『天(そら)は赤い河のほとり』です。

『王家』連載スタートから約20年後に始まったこの漫画は、かなりのところで『王家』との類似点が見られます。
何たって物語の軸となる「現代の少女が古代オリエントにタイムスリップし、彼の地の敏腕(しかも美形)な王様と恋に落ちるストーリー」という基本設定がまるっきり一緒です。
まあ確かに『王家』の舞台はエジプトで、『天河』はヒッタイト(今のトルコあたり)という違いはあります。
とは言え、そんな違いは私みたいなオリエントフェチでない限り、たいした違いじゃないといえましょう。
『王家』を読んでいるうちからこのソックリ設定の漫画の存在を知っていた私は、文庫化されたら必ず読もうと思っていたわけです。

でもね。
実際に読んでみたらアラびっくり、なかなかどうして違うじゃないですか。
しかもけっこう面白いのです!!

まず第一に、ヒロインは『天河』の方が断然好きです。
どちらも現代からタイムスリップした十代のお嬢さんで、見てくれはとりたててゴージャスボディでも絶世の美女でもないのですが、ビジュアルよりむしろ内面の魅力で王様や古代の人々を魅了してゆく...という設定までは同じです。
しかしながら、『王家』のヒロインであるキャロル嬢に比べ、『天河』の夕梨ことユーリちゃんの方が遥かにかっちょ良い!!
そのサマはヒロインというよりむしろヒーローです(笑)。
これじゃあ名君カイル皇帝がめろめろになってもしょうがない気がしますね。

まず運動神経が異様に良い
名馬だけど暴れ馬な「アスラン」を(時には馬具もつけずに)乗りこなし、武術の腕もピカイチで、屈強な兵士に襲いかかられてもわりかしアッサリのしてしまいます。
仰天の運動神経に加え、このお嬢さんはやたら機転がきき、行動力に溢れているタチです。
彼女の功労で平定された戦も数知れず。
そんなわけでヒッタイトでは戦いの女神「イシュタル」として崇められ、その名声がユーリ嬢にめろめろな皇帝カイルさんの人気にもつながっているというわけです。

そのカイルさんと『王家』のメンフィス王を比べると...う~む、こっちはメンフィスに軍配が上がるかなあ(笑)。まあ個人的見解ですが。
何故ならカイルさんは私から見るとちょっとうじうじ気味なところがある上、どうもヒーローの素質ばっちりのユーリを内心は宮の中で大事に囲っておきたいと思っているフシがあるのが、若干気に入らないですね。
まあ、目を離すたびに方々で騒動を引き起こす上、ほかの男に狙われまくっているとなれば、そうなっても仕方ないかもしれませんが...。

どのみち私ゃ若者はけっきょくタイプじゃないです(笑)。
私が惚れているのはほかでもない、カイル皇帝の優秀なブレイン、イル・バーニ様ですわ

イル・バーニ様...長いストレートヘアを凛々しくポニーテイルにし、秀でた額に理知的な切れ長の瞳。
皇族の中でも若手ホープのカイルの腹心とあって、若者のうちに入る年頃でしょうが、カイル派の中では年長者(と信じたい)。
おそらく30代はいっていると見た(※30代中盤から対象となります←だから何のだ)。
おまけにこの方、それはそれはもう頭脳明晰でいらっしゃるのです。
将来の元老院議長と目されているイル・バーニ様は皇帝の参謀で、ヒロイン含め(笑)体育会系が多いカイル皇帝一派きっての頭脳派です。
優秀な為政者とされるカイル皇帝よりもさらに先の先を読み、ヒッタイとの政治のことをまるで知らないユーリ嬢への説明もこの上なく簡潔で的確。複雑な物事を明快に伝える能力は、真に優秀な証です。

仲間がどんなに熱くなろうと一人いたってクールなイル・バーニ様ですが、ある時彼の知られざる一面が発覚。
なんと彼、歌い手としてもすっごく優秀だったのです~~!!

小型のリュートのような楽器をつま弾きながら、しかも歌うは恋の歌。
聴衆もウットリしながら「素敵な声だわ」とか言ってました。おおお、やはり私が思った通り、イル・バーニ様の声はよく通る深いバリトン・ボイスに違いありません...ッ!!!
もう萌え殺されそうです。
このシーンで私のイル・バーニ様びいきが本格化(悪化?)したのは当然の成り行きといえましょう。

今ではすっかりイル・バーニ様一筋となり、ページにポニーテイルの後ろ姿を発見しただけで興奮する始末ですが、こないだ同じ漫画が好きなうちのベリーダンスの生徒さんに想いの丈を吐露したところ、まったく共感を得られませんでした
やっぱし趣味がヘンかなあ、私。

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