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京都府助産師会オフィシャルblog

勤務助産師セミナープレ講座:左古かず子先生

2015年01月11日 | 研修会

1月10日(土)勤務助産師セミナープレ講座の2回目が会館で開催されました。

開業助産師のケア 妊娠、出産」と題して、

あゆみ助産院院長、左古かず子先生にお話しいただきました。

会場は満席!たくさんの勤務助産師さんにご参加いただきました。

左古先生は、妊婦健診こそ助産師の腕の見せ所!と、一貫して言っておられました。

「女性が最大限の力を発揮できるよう、助産師は体を整えるためのメニューをどれだけ提示できるか」

「妊婦さんには体との出会いをしてもらうことで、体つくりをしてもらう。」

そのために助産師は、計測診や問診だけではなく、手を使った触診や五感、六感を働かせる感覚診を大切にしながら、

妊婦さんからたくさんの情報を読み取る必要があると。

 

また、健診は母体だけではなく、同様に胎児の診察も大切であることをお話しくださいました。

「助産師は触診の腕を磨くこと。赤ちゃん(胎児)の診察の究極目標5段階を目指して!」

第1段階  赤ちゃんの存在がわかる(左古さんは10週以下の胎児ちゃんも分かるそうです!)

第2段階  胎位、胎向がわかる

第3段階  身長、体重、成長の具合がわかる(エコーまかせにしていませんか?)

第4段階  生命力、胎盤の位置がわかる(4か月でわかりますか?)

第5段階 赤ちゃんからのメッセージがわかる(左古さんは60歳の時に霧が晴れるように分かるときがきたと)

 

この第五段階の目標を聞いて、

「一人ずつの妊婦さん、赤ちゃんを大切に、時間はかかるだろうがいつか第五段階まで到達してみたい!」と

参加者のみなさんからも新たな目標ができたとの声が多数あがりました。、

 

しかし、勤務の中でどれだけそれを意識してお母さんたちと接しているでしょうか?

勤務部会長の橘高さんは、

普段、なんとなくNSTを付けたり、腹囲測定などするそんなタイミングでもお母さんのお腹にはふれられる。

そんな少しずつのチャンスでも大切にしたいと気づいた」とおっしゃいました。

助産師の手は「命をつなぐ手」とおしゃっていたことに参加者の皆さんからも

その責任の重さ、そしてやりがいを改めて感じとられたようでした。

 

最後に、1970年代のブラジルのお産のDVDを見ました。

スクワッティングによる座位産の映像です。

会陰保護はなく、自然に伸び、自然に回旋し、赤ちゃんは生まれてきました。

動物としての人間の力を目の当たりにしました。どの女性も、こうやって子どもを産める体を持っているはず。

そのために、助産師は「女性の体を整えてあげよう!」そうしめくくられ、お話が終わりました。

 

大きな大きな左古さんの「お母さん、赤ちゃんへの愛」は時に厳しいともとられがちですが、

その結果、会陰がよく伸び、出血量が少なく済み、赤ちゃんが元気に誕生し、産後の回復もよい・・・。

その変化や効果を実感するのはまぎれもなく「お母さん自身」です。

「体への気づき」「セルフケアの獲得」は、その女性の今後一生の財産となるでしょう。

また、その子どもたちもそれを受け継ぎ成長していきます。

助産師はただお産を取り扱うだけが業務ではなく、すべての人の「健康」を守る役目があること示していただいた講座となりました。

受講後アンケートより

「妊婦健診、妊娠期の関わりの大切さがよくわかった。」

「もっともっと妊婦さんにふれよう!と思いました。」

「今日のお話で、妊婦さんや産婦さんと関わることの楽しさを思い出した気がする」

業務の忙しさから、つい忘れがちな初心を取り戻すきっかけとなったと思います。

 

来年度は6月から毎月一回ずつ勤務助産師セミナーが開催されます。

地域で活躍中のベテラン会員が講師となり、その知恵と技を伝授していただきます!

地域と病院、若手とベテラン、京都の助産師が一丸となって、

お母さんと赤ちゃんのために勉強できる場を提供させていただけるよう、

勤務助産師セミナースタッフ一同準備を進めてまいります。

どうぞ皆様、ふるってご参加ください。

(4月にお申込み案内を各病院、産院の院長充てに郵送する予定となっています。)

左古さん、参加者の皆様、本当にありがとうございました。

 

勤務助産師セミナースタッフ 渡邉安衣子(中支部)

 

 

 

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