京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

石が発心、修行!?

2022年05月31日 | 日々の暮らしの中で

蕗やタンポポに仏性がある? 悟りを開く!?

思いだせないことがあってノートをめくっていたら、長田弘さんの著書を読んで書き留めておいたページに、一茶のこの一節があった。

【長々の月日、雪の下にしのびたる蕗・蒲公のたぐひ、やをら春吹風の時を得て、雪間雪間をうれしげに首さしのべて、此世の明り見るやいなや、ぽつりとつみ切らるゝ。草の身になりなば、鷹丸法師の親のごとくかなしざらめや。草木国土悉皆成仏とかや。かれらも仏性得たるものになん】

「草木国土悉皆成仏」(そうもくこくどしっかいじょうぶつ)―草木も国土も悉く皆成仏する。人間と自然の境目がない? あらゆるものに同じ命を見る日本人の感性、精神性としてよく取り上げられるこの言葉。 実は仏教経典にはないのだそうな。

「涅槃経」には「一切衆生悉有仏性」の言葉があるそうで、衆生は“有情”とも訳され、有情は仏性・心の働きをを持つものをいう。“非情”は持たないもので、草木や石などが入る。
となると、山や川や草や木や石が悟りを開くなどということはないはずだ。

ところが、〈非情である草木、石ころが、それ独自で発心、修行をする〉と主張した僧がいたというから、えーっつ! なんで?どうやって!?と尋ねたい。その疑問を解き明かしてくれる本があるというわけ…。トンボも修行する?
読めば「宗教的知性が鍛錬できる」と釈徹宗氏は言われる。ややこしや…ニガテ。さてどうする。

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2 コメント

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「草木国土悉皆成仏」 (Rei)
2022-06-01 09:48:58
難しくて私にはよく理解できませんが
先日読んだ(何かはわすれました)中に
日本ほどあらゆるところに神が宿る国は他には
ないと。
「八百万の神」という言葉は知っています。
実家は浄土真宗、亡夫はキリスト教、父方の祖父は
御嶽教で身上つぶしたと聞かされていました。
父はそのせいでもないでしょうが「無神論者」を
自称していました。
この年齢になってそれは少し不遜ではないかと思うようになりました。
日本には神頼みの諺が多くあります、
誰にも心の底には神仏がおられるのでしょうか?
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草木成仏 Reiさん (kei)
2022-06-01 17:31:45
本当に、人生さまざまな場面で、また日常の小さな作法、しぐさにも、
神あり仏ありで、このゆるさがよいと多くの人が口にしますね。
華道、茶道、武道、日本の「道」の底流には仏教あり、と。
気付いたり気づかなかったりでしょうか…。

「非情が成仏する」。草木の成仏論ですが、
安然という平安期の僧の主張は、どのような展開でと知りたくもあり、
ややこしい言い回しに頭をひねるのは辛いです。
『草木成仏の思想』(末木文美士)という本なので、すでに文庫化されていました。
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