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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

古書市

2024年05月01日 | こんなところ訪ねて

今日から5/5まで、みやこめっせで「春の古書大即売会」が始まった。

行ってみようか? 思ったら、この勢いに乗ることが肝要なのだ。ちょっとのためらいが、(まあいいか)と機会を失わせがちなのを知っている。この頃とみに…。だから、ささっと支度をして出かけた。


意気込んだわりには収穫なし。
くたびれて、腹も減るころ藤の花。
通りがかった店先に6、70センチほどになる藤の鉢植えが置かれていて、うすむらさきの一房が垂れていた。
なぜかふと子規の藤を見る目線が思い浮かんだ。

   瓶に挿す藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり

母が活けてくれた藤の花を、横になったまま鑑賞している。
わずか6尺と3尺の病床の世界に縛り付けられ、痛みには声の限りを上げて叫び、日々衰弱していった子規。そして、

  くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる

あざやかにも清らかに澄んだこの一首。
敷蒲団の長さ6尺、幅3尺。体はこの病床にあって動けないけれど、寝たままガラス窓越しに庭の草花を見、夜空を眺めていた。
この広さの中に自分を見いだした。決して縛られてなどいなかっただろう…。

さあ今日から5月。好きなことを楽しんで生きていきたいものだ。

  五月はバラの月、出逢いと別れの月、
  女が生まれかわる月。
  新緑の月。
         と聖子さん。


コメント (4)
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