
ピンクと空色のランドセルを背負った二人が脇道から飛び出してきた。
私の存在など目に入っていないのだろう。体を寄せ合いじゃれるように笑い転げる、前を歩く二人の楽しい姿を見ながら歩いていた。
♪あ~きのゆうひ~に 照る山モミジ~ こ~いもうすいも数ある中に
まあ、上手だこと。声をそろえて高らかに、のびやかだ。弾んでいた。それでいい~。
銀杏の色づきが鮮やかになるにつれ、報恩講行事の準備のことが頭を離れなくなる。たちまち支度に追われながら、この美しい銀杏黄葉を踏んでみた。嵩もあるが葉は水分を多く含むせいで、しっとり感がある。この句の感じ、なっとく。
銀杏黄葉かかとに遠き音のあり 田村ひろ
秋の黄金の美の演出は最後まで美しい。さて、私自身は…。
昨日は母の祥月命日だった。