京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

石山寺 梅つくし

2016年03月12日 | こんなところ訪ねて

新聞の「梅だより」を見ると、京都御苑、ニ条条、北野天満宮など満開だとあった。どうして二条城ではないのか、とかはわからないが、滋賀県大津市にある石山寺に行くことになった。こちらも満開だと知らせてくれていた。


2011年1月12日、立木観音に参拝した帰りに石山寺にも立ち寄ったが、それ以来。これまでに4回ほど参拝したか、いずれも冬の季節ばかり。

平安の王朝の女性たちは、任地へ赴く夫や親に同行したりしない限りほとんど京の外へ出ることもなかったという。物詣と称して、京の外にある神社仏閣に参拝することだけが旅をする機会だったらしいから、初瀬詣での長谷寺・石山詣でなどはその代表格だったのだろう。
朝早く牛車を連ねて出発、粟田道を通り、逢坂山を越えて昼頃に大津に着く。そして夕方には石山寺に到着、おおよそ二泊三日の滞在だったようだ。平穏であるだけに狭い体験しかない生活の息抜きをし、癒され、観音さまを心の拠り所とする女たちだったとされる。



今は車だけに、粟田道から逢坂山をいっきに越えて、大津の琵琶湖岸までは近い。そして膳所(ぜぜ)城跡公園をちらっと見て、瀬田の唐橋西詰めを過ぎ…、瀬田川沿いに走ればなんてことはない距離にある。


本堂前にかけては盆梅が並び、山内三か所の梅園は見ごろを迎えていて、広い寺域を道沿いにそぞろ歩いた。石山寺は「梅つくし」だった。
また、この18日からはご本尊の秘仏如意輪観世音菩薩が御開扉され、拝観できることを知った。33年に一度の年に当たり、12月4日までとある。日本で唯一の勅封(天皇の命によって封印される)秘仏なのだそうな。折を見て訪ねることにしたい。

日差しに恵まれ、気分転換にもなった。「結縁の紐」を手にして合掌…。
「しじみ釜めし」と記した旗が店先で風に揺らいでいる。よい香りが鼻先をかすめるのだけれど、今度いつかTylerがいたら一緒にいただくとして、今日はちょっと心残りのまま石山寺を後にした。
コメント
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