朝から降り続いた雨のなか、赤味を帯びた芍薬の芽がいくつも吹き出しているのに気付いた。十ほどの芽が散見できる。
硬い土も緩んでいるが、生命力の強さ、美しさにやたら感動してしまう。
咲いた花も美しいが、厳しい冬を乗り越えて地表に見せる赤色の芽には地中からの生きる力の解放感がある。
そう言えば、とふと思い出したのは、「土」という漢字の縦の線は下から上に向かって書くものだという榊莫山さんのお話。植物が天に向かって生えていく勢いをそこに見る捉え方には妙に納得させられる。
雪を分けて確かめた花の芽をみつめて、「一寸のたましいを持つ」と山崎方代が詠っている。
合評の3作品が届いた。しっかり読み込んで、気分もシャキッとさせたいものだ。
芽ぶきのけなげさに励まされ…、というところ。