クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

殉死 司馬遼太郎著

2010-07-15 21:06:41 | 読書
 坂の上の雲を読んで、どうしても知りたかったことがあり、関連の作品を読みました。乃木希典。僕は、まるで神様のような表現で教科書などに載っていた記憶があるのですが、坂の上の雲では、ケチョンケチョンに書かれていた。それでは、なぜ、神のような存在になったのか?そこが知りたかった。
 アメリカの陸軍学校の教科書にも出てくる英雄、乃木希典。有名なのは、日露戦争の英雄で、明治天皇の大喪の礼の日に殉死したエピソード。しかし、彼は、軍人としての教育を受けた事無く出世する。そして、戊辰戦争の際、軍旗を奪われる失態を演じるなど、指揮官としては失敗の連続。そのため、何度も謹慎処分を食らう。そんな彼を明治天皇だけは、寵愛する。失敗を繰り返し、何度も自殺を試みようとするが、部下に止められる。日露戦争でも、何万という日本兵を死なせたが、戦後、明治天皇の計らいで、学習院の院長など重職を担うことに。そして、自分の孫である、昭和天皇の教育を任せることに。
 読んでいて、明治天皇が英雄にさせ、今後の軍国主義の軍人達が、彼を担ぎ上げたのであろうと思いました。
 大人になり、学校では習わなかったことを自分で調べ、自分で視野を広げる。今後も、これでいこうと思います。
コメント
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