水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

初参り浜松4 天白磐座遺跡

2019-02-06 | ├ 静岡(ひとり旅)

 

松つづき。

 

 

 

 

 

渭伊神社の本殿背後にある天白磐座遺跡へ向かいます。

 

 

坂を歩き始めてすぐ。

この場所に来た途端、1月の冷たい空気が、
ふわっと暖かな空気に変わりました。

 

 

というか、まるで屋内に入ったかのようなはっきりとした気温差を感じました。

一瞬あたたかな風が吹いたとかじゃなくて、
まさにこの場所から先が、春。

ずーっと寒かったので、すごくうれしかった。

 

 

今思えば、結界の中に入ったみたいな。

それぐらい一気に体感温度が変わりました。
これも貴重な体験。

 

 

地を這うように、木々の根が張り巡らされた斜面を行くと、
巨石が見えてきました。

 

 

天白磐座遺跡

 

 

本殿からすぐの、山というよりは小高い丘の上にあります。

 

 

頂上に立つ巨石。

現物を見ないとピンと来ないかもしれませんが、
とても大きな岩なのです。

 

 

この写真の左の岩、左下にいる女性と比較して頂ければ、
大きさが分かるのではないかなと。

 

 

そして、浜松旅の冒頭で感じたイヤーな予感が、
ここで唐突に現実のものとなりました。

磐座で数枚写真を撮ったところで、
愛機のシャッター幕がとうとう寿命を迎えてしまったのです。

急にシャッターを切れなくなり、
電源を入れ直してもONになりません。

以前もたまに電源が入らないことがあって、
その時はバッテリーの抜き差しで回復してたんですが、
今回は幕が閉じたままウンともスンとも言いません・・。

いやー、とうとうきたかー。

ここで、デリケートな人なら「突然カメラが壊れた!神様に拒否されてる?!!!」とか
スピ的に考えるのかもしれませんが、故障にはちゃんとした理由がある。
(or逆に原因はなくて、たまたまという場合もある。)

なので、早々にE-M10をバッグにしまい、
iphoneで撮ることにしました。

そんなわけで、
以後、スマホ写真が続きます。

 

 

 

 

本殿背後の薬師山頂上に位置する天白磐座遺跡は、
その三方を神宮寺川に囲まれています。

 

 

古墳時代前期~平安時代に至るまで、長く水霊を祀る祭祀の場だったと思われます。

 

 

 

特に、西側の巨石は当地最大のもので、
高さ7.4メートル、南北10.3メートル、東西6.8メートルもの巨大な磐座となっています。

たとえば、身長160センチの私なら約4.5人分積み上げた高さでしょうか。

 

 

 

西側(左)の石と、東側(右)の石の間隔は、およそ4.3メートルあります。

ちなみにこの写真下のE-M10での写真と同じようなアングルで撮ったものですが、
こうして見ると、やはりスマホはスマホですねー。(ちなみにiphone7)

 


(E-M10)

 

 

でもこのへんの写真なら、スマホでも結構イケる気がするんで、
撮影環境によって得手不得手があるんでしょうね。

 

 

北側の石。

他2つと比べると小さいけど、
それでも高さ2.7メートル、底辺3.5メートルあります。

 

 

うーん、何かに似てる・・

 

 

うだ。

昔やってたTV番組の、さんまのまんまの「まんまちゃん」だっ!!!

そう気付いてからはもう、まんまちゃんにしか見えない・・
(以後、北側の石は私の中で「まんまちゃん」という名になりました。)

 

 

 

東側の石。

高さ5.2メートル、幅約7メートル×4.1メートル。

 

 

 

写真からだと小さそうに見えるけど、私×3人分の高さ。

 

 

 

 

この天白磐座遺跡には、
西、東、北の3個の磐座を中心として、
40メートル四方に渡り大小の岩や石が散在しています。

 

 

小さな石なら無数にゴロゴロあって、
石、磐好きにはたまらん光景です。

 

 

まさに磐座の聖地ですね。

 

 

 

これは丘の最南端にあった岩。

高さ1メートルぐらい。

 

 

 

 

それにしても本当に凄い場所です。

想像のはるか上を行く素晴らしさなもんですから、
これ以後の予定を一切放棄して長居しております。

あー、毎日ここでのんびり過ごせたらどんなに良いか。

 

 

薬師山の頂上一面に群在する巨石群。

 

 

遥か昔の人々も、
こうして磐を眺めていたのかな。

 

 

中でもこの、最も大きな西の磐座は重要だったようで、
磐座の西側直下(写真手前側)は古墳時代の祭祀場であり、
土器、鉄矛、勾玉など、祭祀に用いられた遺物が出土しています。

 

 

規模とか質といったものもそうですが、
それ以上にここの光景が群を抜いている気がする。

 

 

こは、国内でも一二を争う巨石場ではなかろーか。

 

 

個人的に特に惹かれたのが、西の磐座の裏側。

この木の根元あたりがとても好き。

 

 

居心地良すぎて離れられない。

 

 

 

ここは、東・西・北の3つの磐座に囲まれた空間。

・・を背面から見たところ。

 

 

なんとも形容し難い、独特な空気をまとった場所なのですが、
ここから出土した経筒外容器、和鏡などから、
平安末期~鎌倉時代にかけての経塚(経典を土中に埋納する場所)だったと
推測されています。

 

 

 

さらに、個人的感想ではありますが、
神さん世界的に言うとこの天白磐座遺跡って、
なんだか「浮いてる」気がするんです。

 

 

我ながら意味不明な表現だなと思うけど、
他の磐座場は、大地とのつながりを強く感じるのに、
ここは丘(薬師山)ごと地面から浮いてる感じがするのね。

 

 

 

ここだけ異空間というか、
大地よりも、天(空)に引っ張られてる感がある。

もっと言えば宇宙に引っ張られてるような。

 

 

普通の磐座群は、磐が地面から突き出た感じで、地とのつながりが強い。

でもここの巨石群は空から降ってきたような、天が引っ張る力が強い。

ゆえに小山ごとちょっと浮いてる。
ドラえもんが、ほんとは地面から3センチ浮いてるみたいに。

 

 

個人的No.1の、三輪山の磐座群とはまた種類の違う素晴らしさ。

三輪山にいると、いにしへの人々が磐座祭祀をしているイメージが地から湧いてくるけれど、
ここは、「今自分がそれをしている感覚」で満ちてくる。

なんだろな。この違い。

現代人参加型の古代祭祀場なのかしら。

 

 

あそうか、もしかしてここ、現在進行形なんだ。

古代から連綿と祭祀が行われていて、
それはまだ今も続いている。

訪れる人が、いっときその担い手になるんだな。

 

 

上へ引っ張られる感覚。
気温が5~6度上がったかのような温かさ。
磐座のある空間との一体感。
浮かんだ小山に乗っている自分。
周囲に宇宙空間が広がっているイメージ。

 

 

ここに来てそんな感覚を得た時は、
古代祭祀に自分も参加しているのかもしれません。

 

 

逆に、見えない壁に押し返される感や、
クラっとするようなキツさを感じるようなら、
傍観者に徹して眺めてるだけのほうが良いのかもしれない。

 

 

それぐらい、面白くて力の強い場所。

人を選ぶというか、試してくる気がする。

 

 

誰もが一度は試される。すんなりとは入れてもらえない。

全部受け止めた上で、それでも中へ入ろうとする人には、
門戸を開いてくれる。

 

 

そんな感じかな。

とっても面白い所です。

 

 

 

≪E-M10 後日談≫

帰宅後、オリンパスにカメラを送って修理。
やはりシャッター幕の寿命のようで、
修理代は部材・送料など含め18,000円程かかりました。
(診断結果は「シャッター幕破損」でしたけど、まぁふつうに劣化ですわな。)

 

 

約一週間で退院してきた愛機。

おかえり。
愛しのE-M10。

 

 

さっそく隠しコマンドで撮影枚数を見てみたら、
およそ71,000枚でした。

 

 

10万回行く前に力尽きたのは残念ですが、
結構テキトーな扱いで、3度も地面に落したりした割には、
今まで一度も不具合を起こさず耐えてくれたんで、
まあ良しとするかな。

よく頑張ってくれました。

 

 

 

最後に、薬師山を下った川沿いへ。

これは、南西の神宮寺川に面した崖にある、
鳴石」と呼ばれる巨石です。

 

 

 

道側(画面右手)の高さは2メートル以上。

 

 

ぐるっと回って、

 

 

道と反対の、川側面の高さは8メートル以上という、
さきほどの磐座よりも巨大な石です。

私×5人分。(笑) すごい。

周辺からは、古墳時代の須恵器などが出土しているそうです。

 

 

すぐ下は川で崖になっているので、
これ以上は危なくて回り込めません。

 

 

 

過去と現在をつなぐ祭祀場。

アラハバキ神社社宮神社に続き、
とても素晴らしい時間を過ごすことができました。

こんな出会いが待っていたなんて、
思いもしなかった。

もう浜松素敵すぎる。

 

 

神さんありがとう。

 

 

その5へつづく・・。

 

 

 


 


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