水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

島根県⑬ 島根県立古代出雲歴史博物館-2

2017-07-23 | ├ 島根(ひとり旅)

 

博物館つづき。

島根ラスト。

 

 

 

 

 

  

 

 

テーマ3:【青銅器と金色の大刀】

ここは、個人的にいちばん感動した展示室です。

 

 

23号銅鐸 (国宝)】 (実物

雲南市 加茂岩倉遺跡出土。弥生時代(BC2世紀-AD1世紀)

シカや四足獣、四頭渦文など、
他地域出土の銅鐸には無い文様が描かれている事から、
出雲周辺で造られたものと考えられています。

 

 

吊り手の中央には「×」という形が刻まれており、その意味には諸説ありますが、
×=シメる=神霊を封じ込める として、
彫り込むことにより青銅器がもつ神霊や威力が逃げないようにしたのではないかとも言われています。

(荒神谷銅剣の344本、加茂銅鐸の14個に、この×印が刻まれています)

 

 

銅鐸って好きなのよねー。

つい銅鐸グッズとか買い集めたくなる自分がこわい(笑)。

 

 

加茂岩倉遺跡 銅鐸 (国宝)』 (展示のほとんどが実物

1996年、雲南市 加茂岩倉の丘より出土した39個の銅鐸はすべて国宝に指定され、
遺跡は国の史跡に指定されています。

一カ所からの出土例としては日本最多で、
先に大発見のあった荒神谷遺跡(加茂岩倉遺跡から3キロほど)の銅剣とともに、
古代出雲史が見直されるきっかけとなったもの。

 

 

堂々たる姿で立ち並ぶ銅鐸を前に、言葉も出ません。

この文化の担い手たちの心に少し近づけたような気がして、
ただただ感動しておりました。

 

 

弥生土器

出雲市 中野美保遺跡より出土。 弥生時代(BC1世紀-AD1世紀)

 

 

荒神谷遺跡 銅剣 (国宝)】 (実物/摸鋳品)

上段の金色に輝くものは、弥生時代当時の姿を再現した摸鋳品、
下段の青銅色のものが出土した358本の銅剣。すべて実物です。

 

 

1984年、出雲市斐川町神庭の谷で銅剣358本が出土。
翌年には、7キロ先の場所から銅鐸6個銅矛16本が出土しました。

出土地は、その南側に『三宝荒神』が祀られている事から、
神庭荒神谷遺跡」と名づけられました。

これら出土品はすべて国宝に指定され、遺跡は国の史跡指定となっています。

 

 

発掘時にはいわゆる青銅色となっていた銅剣も、
弥生当時は上段のような黄金色だったんですねえ。

新品の10円玉っぽい色。

きれいだなあ・・。

 

神谷でこれらの銅剣が発見された当時、銅剣の出土数は全国合わせて300本余り。

その国内総出土数を上回る358本の銅剣の一括出土は、
日本古代史学・考古学界に大きな影響を与えるとともに、
神話の世界の古代出雲が、実際に存在した強大な国として
世間に認知されるきっかけにもなりました。

 

 

荒神谷遺跡 銅矛 (国宝)】 (実物

右下に展示してある16本が、出土した銅矛

(なお、銅剣・銅矛ともに、武器ではなく祭器として製作されたものです。)

 

 

 

荒神谷遺跡から出土した弥生時代の銅剣・銅矛を前にして、
その存在感に圧倒され、感激してしばらく動けませんでした。

弥生の人々は、これらの祭具に何を託し、何を祈ったんだろうか。

社殿にしろ遺物にしろ、現代に残された形あるものを目にすると、
どうしてもそこに込められた人たちの心に意識がいってしまう。

 

 

社殿に神具、磐座、神木、神奈備そのもの。そして祭礼や信仰。

現代に受け継がれた遺物や文化から、
かつて生きていた先人の想いを探り、受け取ることが、
神社巡りの一番の目的なのかもしれないなーとふと思いました。

 

 

景初三年 銘三角縁神獣鏡 (重文)】 (実物

雲南市 神原神社古墳より出土。 古墳時代(3世紀)。

神仙と霊獣の図像の外縁に、「景初三年(239年)」を含む銘文が鋳出されています。

239年は卑弥呼が魏に使いを送り、銅鏡100枚を賜ったとされる年で、
この「景初三年」という銘のある銅鏡は、全国でわずかに二例が知られるのみです。

 

 

金銅装双龍環頭大刀 (重文)』 (実物

安来市 かわらけ谷横穴墓群より出土した、古墳時代(6-7世紀)の装飾付き太刀。

今から1400年も前の刀・・
これが複製品じゃないってのがすごい。

大正14年に発見されたときには、彩から刀身が抜けたという、
奇跡的な保存状態で出土したんだそうです。
 

 
 
 
 
 
環頭太刀いろいろ。台に寝かせてある3種が実物です。
 
 
①「単鳳環頭大刀」(実物) 安来市 臼コクリS-2号横穴墓
(写真の最下段)

②「双龍環頭大刀」(実物) 安来市 高広Ⅳ号横穴墓
(下から二段目)

③「円頭太刀」(複製) 松江市 岡田山1号墳 六所神社所蔵
(最上段)

④「三葉環頭大刀」(複製) 松江市 岡田山1号墳 六所神社所蔵
(上から二段目)

⑤「獅噛環頭大刀」(複製) 松江市 御崎山古墳
(上から三段目)

⑥「獅噛環頭大刀 柄頭」(複製)
(⑤の左側にある柄頭) 安来市 仏山古墳

⑦「双龍環頭大刀」(実物) 奥出雲町 原田古墳
(下から三段目)

 

 

柄頭に獅子・龍・鳳凰などをデザインしたこれらの太刀は、
東部出雲の有力豪族の証でした。

 

 

円頭太刀 柄頭』 (実物
出雲市 妙蓮寺古墳

圭頭太刀』 (実物
出雲市 放れ山古墳

太刀飾り』 (実物
出雲市 上島古墳

 

 

額田部臣 銘入太刀】 (複製)

松江市 岡田山1号古墳出土、六所神社所蔵。 古墳時代(6世紀)

 

 

「額田部臣」を表す4文字を含む12文字が残る太刀で、
出雲地方での部民制や文字の広がりを伝えるもの。

 

 

上:『捩り環頭太刀』 (復元)
出雲市 上塩冶築山古墳

下:『円頭太刀』 (複製)
 出雲市 上塩冶築山古墳

 

 

 

古墳時代(6世紀)の埴輪。  (県指定文化財)

奥出雲町 常楽寺古墳より出土。

 

 

馬上の大首長像』 (復元品)

出雲市 上塩冶築山古墳の出土品から、
6世紀後半の出雲西部の大豪族の装いを復元したもの。

 

 

このほか、館内には総合展示室、神話回廊、特別展示室などもありますが、
ホントに時間がないのでここで終了。
40分ではこれが限界です。

最初こそ雨宿り的な考え(失礼)で立ち寄ったのですが、
とんでもない。

数々の遺物に、かつて古人が目にしたかもしれない本殿の姿、
そして荒神谷・加茂岩倉の宝。

島根旅のしめくくりに相応しい、素晴らしい場所でございました。

 

 

 

時間ある限り駆け抜けた3日間。

 

 

参拝から1年経ち、ようやく記事をUPすることが出来ました。

今でも昨日のことのように思い出されます。

 

 

立ち寄ったすべての場所が今なお心に残る、
本当に素晴らしい、夏の神社めぐりでした。

 

 

 

素敵な時間を与えて下さった島根の神さんたち、
本当にありがとうございました。