浜松つづき。
再び常葉大学前駅に戻り、金指駅で下車。
天竜浜名湖鉄道の上屋及びプラットホームには
登録有形文化財登録されているものが幾つかあり、
ここ金指駅もそのうちの一つです。
駅舎もまた良いです。
ここは文化財ではないようですが、
レトロな雰囲気がとても素敵。
駅から少し歩いた場所にある金指バス停から
バスに乗ります。
・・が、時刻を大幅に過ぎてもバス来ません。
結局、寒い日陰で凍えながら待つこと約30分。
長かった・・・。
これなら歩いたほうが早かったよ。(泣)
10分ほど乗車ののち、北神バス停で下車しました。
うーん、これは、
場所的に一の鳥居かな?
でも鳥居の足元には、「○八幡宮」と書いてある。
(○は、何て書いてあるかわからない)
あとで調べたら、どうやら神社が一時期呼ばれていた呼称の、
「正八幡宮」らしい。
そっか、じゃあ渭伊神社の鳥居で良いんだね。
正面の木々が、目的地のはず。
逆光過ぎてよく見えないけど社号碑。
ここから境内です。
立派な手水舎です。
あらすてき
なんてセンスのある手水鉢でしょう。
こんな趣のあるものを見たのは初めてかも。
木々の間から拝殿が。
式内社 渭伊神社
少し前に放送のあった、NHK大河ドラマの影響で一躍脚光を浴びたといった感があるのですが、
松の内も明けたこの日は参拝客もまばらで、落ち着いて参拝することができました。
スイーツ大河なんて表現もあった気がしますが、
女城主直虎、私も結構楽しんで見てましたよ。
あれは歴史を所々練りこんだ、あくまでドラマであって、
史実再現VTRではない。
そもそも本当に女城主だったのかすら、結論は出ていないらしいし、
演出・想像てんこ盛りの創作物語として楽しめればそれでOKです。
(だいたい大河ドラマ=真実だと思ってる人いませんよね)
渭伊神社は、
南北朝時代に、近くの井伊氏菩提寺・龍潭寺境内から
神宮寺川が流れる現在地へ遷座したとされます。
井戸・井水が祭祀対象の神社だったとされ、
井伊氏の氏神でもありました。
この井伊谷地域はかつて、聖水祭祀の行われた「井の国」の中心で、
縄文弥生の遺跡や古墳が多数存在する場所。
また、水にまつわる伝説も多いそうです。
個人的に水関係は大好きなので、そいういった意味でもとても居心地のいい場所。
渭伊(井伊)という地名も、元々は「井」一文字だったものが、
713年の「好字二字令」で二文字になったものと思われます。
好字二字令とは、地名の表記を二文字の良い字に統一せよという、
律令制下の勅令のことです。
それまでの郷名・郡名、山川や湖沼などは大和言葉に漢字を当てたものでしたが、
三文字も一文字も、この命令でとにかく無理やり二文字に変えてしまったので、
今の名称からは想像できない元の名もあったりします。
例)
倭 → 大倭(大和)
木 → 紀伊
火 → 肥前、肥後
津 → 摂津
沖 → 隠岐
車(くるま) → 群馬
多遅麻 → 但馬
鳥取部 → 鳥取
近淡海 → 近江
お正月仕様の拝殿前。
この時期だけの素敵な光景ですね。
見れば見るほど美しい拝殿に、思わずためいき。
龍さんの彫り物も繊細で優美。
青々とした大きな榊が添えられています。
あーやっぱ年始っていいなぁ。
これは、舞殿かな。
ふと見ると拝殿に書置きの御朱印とお守りが置かれていました。
サイズが大小とあって、しかも一枚ずつクリアファイルに入れてある。
とても丁寧です。
もちろん一枚いただきました。
本殿の後方の薬師山(山というより丘)には、
天白磐座遺跡の名で有名な、巨石群があります。(後述)
あ。あと天白社もあったんですが、
なんと見落としました。
この石段のぼって左に行けば磐座まで行けます。
と、その前に
右手にある本殿。
御祭神:玉依姫命、品陀和気命、息長足姫命
いわゆる八幡三神ですね。
つい見たくなる足元。
本殿右手には、社がひとつ。
モロード様 伊豆社
御祭神:瓊瓊杵尊
モロード神=客人神で、その名の通りよそから来たお客さんの神なんだけど、
実はその土地の地主神(先住の神)だったりする事が多い。
後から侵入してきた部族が、自分たちの奉じる神を主祭神に据え、
元々いた先住の人々の神を摂末社に追いやったり、
客人神としてしまうケースが多々あるので。
このモロード様がどうなのかは不明ですが、
ただの伊豆社で良さそうなのに、あえてモロード様と前置きしてるところに、
何とも言えず妄想膨らませてしまいます。
本殿左手
榊本稲荷社
御祭神:猿田彦命、倉稲魂命、大宮売命
金山社
御祭神:金山彦命、金山姫命
さらに摂社がずらり。
左端の大きな社殿は、英霊社・稲荷社・祖霊社。
日ごろ被写体にしないものばかりなので、
これ以上の写真はナシ。
向かって左から、
若宮八幡社(御祭神:大雀命)
水神社(御祭神:弥都波能売命)
御鍬社(御祭神:伊雑波止美命、玉柱座姫命)
菅原社(御祭神:菅原神)
あ、見つけた。
御神紋の三つ巴ですね。
では、背後の磐座へ向かいます。
その4へつづく。