水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

西宮市-2(越木岩神社) 前置き

2024-06-23 | ├ 兵庫(ひとり旅)

 

西宮市その2

 

 

 

 

 

夙川に架かる橋を渡り、さらに歩くこと十数分。

 

 

越木岩神社に到着です。

 

 

 

西宮神社からここまで徒歩でおよそ1時間20分ほどなので、
距離的には大した事はないんですが、
さすがにこの暑さで途中ちょっとバテかけました・・。

中に入ると暑さもすこし和らぎます。

 

 

表参道

 

 

 

拝殿御祭神:蛭児大神)

 

 

神社は古くより磐座を祀る自然崇拝の場であり、
蛭児大神も、1656年に西宮神社から勧請された神さんです。

 

 

 

 

大阪城の残石

神社とその付近一帯はかつて大坂城の築城に使用される石垣の採石地で、
当時切り出されようとした大石が、境内に残されていました。

 

 

 

土社
(御祭神:大国主大神/大地主大神)

創祀は600年~700年頃と推定され
大國主西神社(式内社)とも言われているそうです。
(西宮神社の末社大國主西神社と同じですね)

 

 

石を乗せただけの石祠って、意外とない気がする。

とても古いタイプの祠なのでしょうね。

 

 

岩社参道

 

 

正面の鳥居から左へ進むと西側の入口があり、
手前に二社が鎮座しています。

 

 

 

左:不動明王社(甑不動明王)
右:水神社(御祭神:罔象免大神)

 

 

 

 

岩社(御祭神:市杵嶋姫命)

 

 

甑岩神祠とともに巌島神社の御分霊を祀ります。

 

 

背後に見えるのは、御神体である甑岩(の一部)。

 

 

 

甑岩は、周囲約40m・高さ10mの花崗岩です。

これは岩の上部がチラっと見えているだけ。

 

 

上は2つに割れており、間から樹木が生えています。

 

 

岩社の向かって左、六甲山社(御祭神:菊理媛神)。

こちらも石を乗っけた古いタイプだ。

 

 

稲荷社(御祭神:伏見稲荷大社の御分霊)

左:白玉稲荷社
右:大崎稲荷社

お稲荷さん苦手な自分でも、大丈夫だった。

 

 

右には伊勢遥拝社(御祭神:天照大神)

 

 

遥拝社を背後から。

 

 

さらにその背後(裏参道)から。

ここを下ると拝殿横まで戻れます。

 

 

下ったところ。

拝殿の横にも大きな岩がありました。

 

 

 

甑岩の周りをぐるっと一周できるようになっているので、
さっそく上がってみます。

 

 

 

 

横から見るとまた全然ちがう表情の甑岩。

境内は単独参拝の女性率がとても多くて、
こんな風にみなさん思い思いに磐座を眺めていました。

 

 

 

単純に岩の下部を一周するんじゃなくて、
正確には「上に向かって登り、頂上近くまで行ったら下る」って感じ。

 

 

しかし立派だわ。
これも岩の一部分に過ぎないんだもんね。

お城の石垣にしようと思った気持ちもよくわかる。

 

 

今回、越木岩神社の磐座を目的にここまでやって来たのだけれど、
神社北側にある六甲山系の「北山」という低山には、巨岩がゴロゴロしてるんですね。

記事を書くにあたり周辺環境を調べてみて初めて知りました。

(訪問前に知っていたら、間違いなく旅程に組み込んでたし)

 

 

その北山の南麓に位置する越木岩神社。

境内にある「甑岩」は巨岩群の南端に鎮座しており、
この岩を通して北山の巨岩群を遥拝するために、
神社が創建されたとも考えられているそうで・・。

普通に考えたらそうだろうな。うん。

 

 

甑岩(越木岩神社)しか見えていなかったけど、
ここは、六甲山の巨岩群を形成するひとつの点だった。

背後にはもっと大きな存在があったのか・・。

 

 

またいずれ、北山の磐座群を見に行こう。

 

 

 

 

さきほど、拝殿横に切り出し作業途中の岩が置いてありましたが、
この甑岩もその対象となったようで、切り出しの跡が残っています。

 

 

このあたりが、甑岩の背面。

 

 

 

 

岩の上部だけ見ても十分なデカさ。

まだこの下まで何メートルも続いているので、
全体像を一目するのはちょっと困難です。

 

 

 

 

ここから下り。

 

 

 

おぉ。なんだか面白いことになっている木が。

 

 

岩を割って成長したんだと思うけど、
どう表現したら良いのやら。

岩と根のコラボ。

・・なんて生易しいものじゃなく、
根の伸びるパワーが岩を破壊してる図。

すごいなぁ。

根ってよくアスファルトとか押し上げたり壊したりしてるもんね。

 

 

西宮神社の手水舎の横にあった木なんて、
石を持ち上げてたし。↑

 

 

大坂の磐船神社には、
岩を取り込んだようにも見える木があった。↑

自然の力ってすごいよね。

 

 

よくこんな風に幹がねじれてる木がありますが、
コンクリや地中の岩盤、隣り合う木とかに根がぶち当たって、
拮抗する力の作用で長い年月をかけてねじれていったのかも?

・・と、ふと思いました。

 

 

で、この子は石との勝負に勝ったと。

 

 

 

 

周囲40メートルとは言っても、
ただ一周するだけなら
あっという間です。

3分かからないかな?

 

 

でも皆さん、じっくり岩と語り合って進みますからね。
そこそこ時間がかかるわけです。

そんな私は、
一周約10分を、計三周しました(笑)

 

 

まだまだ回りたい気持ちを抑えつつ、
甑岩の北へと続く道に入っていきます。

 

 

道から甑岩を振り返ったところ。

 

 

越木岩神社社叢林(県天然記念物)

 

 

ヒメユズリハ(ユズリハ)でこの外観って珍しいですよね。

(※印象に残った木々は、まとめページの【巨樹・古木】にも載せております。
 こちらも随時更新中。(以前より掲載数が増えました))

 

 

雨乞社(御祭神:貴船大神、龍神)

50mほど登ったところに鎮座する、
二つ目の磐座。

手を合わせていたら、
磐座の左からクロアゲハが目の前に飛び出してきてびっくり。
私のまわりを1周半ヒラヒラ回って飛んでいきました。

蝶々が体のまわりを回るのはよくあるけど、
顔面20センチの距離に突進されたのは初めて。
(一瞬Gかと・・)

 

 

 

北の磐座

さらに30mほど登ると現れる、境内最後の磐座。

陰陽信仰でオモイカネ命やワカヒルメ命が祀られれているともされますが、
定かではありません。

 

 

 

背後から。

 

 

周囲を見渡せば、あちこちに意味ありげな岩がちらほら・・。

こんなのに囲まれたら幸せすぎて動けない。

 

 

実際、この時点で神社到着から2時間半が経過していましたが、
それでもまだなお立ち去り難く、
なかなか外へ出る気になれませんでした。

居心地が良すぎて寝泊まりしたくなった神社は山ほどあるけど、
神域から一歩たりとも出たくないと思った神社ははじめてかも。

 

 

神社と同化するような、磐座に取り込まれるような、
不思議な感覚。

あー、帰りたくないなあ・・

 

 

兵庫旅のラストを締めくくるに相応しい、素晴らしい神社でした。

 

 

 

北山の磐座群なんてものも知ってしまったし、
またぜったい兵庫に行かなくては。

磐座巡りと絡めて、いずれ再訪したいと思います。