水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

九州旅 前置き ⑨(宮崎県-3)霧島六社権現3

2022-09-19 | ├ 宮崎(ふらり旅)

 

九州前置き ラスト。

 

 

 

 

 

 

 

霞神社(霞権現)】宮崎県西諸県郡高原町後川内1553

 

 

神社は標高320メートルの高台に鎮座しており、
下から上っていくと結構大変なようです。

途中に駐車場があるので、ここに車を停めて軽く石段を上ります。

 

 

習合色が云々・・というか、まんまお寺感が残ってますね。

 

 

 

 

御祭神:大巳貴命、少彦名命、保食命

 

 

 

拝殿で手を合わせた後は、その向こうにある奥の院へ。

 

 

奥の院は白蛇さんが棲むという磐座のある場所で、
岩の前に拝所が設けられています。

 

 

社名の「霞」は、修験道の綱張りを意味する言葉でもあり、
かつて修験者たちが、霧島六所権現参りを行う前に参拝し、
安泰を祈願したのだとも。

 

 

 

晴れていたら爽快な景色が広がっていたんだろうなと思いつつ、
霞がかった光景に魅入っておりました。

 

 

 

 

こちらの感想は、

・棲んでおられるという白蛇さんに気をとられずに、
 境内全体を感じたほうがいい。
・周囲の山々から展望台に流れ込む空気で心身浄化。

 

 

降りしきる雨と神秘的な光景に、
心洗われたひとときでした。

 

 

 

続いて、九州旅ラストの神社へ。

 

 

東霧島神社】宮崎県都城市高崎町東霧島1560

 

 

鮮やかな両部鳥居をくぐって中へ。

 

 

境内入ってすぐ目に留まったのが、この「神石(しんせき)」です。

 

 

正面から見ると、つるんとした普通の大岩ですが、

 

 

横から見ると、ぱっかーんと2つに割れていました。

謂れによると、伊弉諾尊が軻遇突智を十握の剣で三つに切断した結果が、この神石。
切り分けられた一片のうちの1つは、雷神となって飛び去り、
残り2つは霧島六所神と大山祇神となったという。

よって、元々は2つじゃなく3つに分かれていたのですね。
3つ目の一片は、どこにいったんだろう。

 

 

背後からはこんな風。

後ろの岩も既にスライスされてるような形なので、
確かに、少なくとも2度にわたって割れてますよね。

 

 

磐座マニア(笑)の私は、当然ながら世界に散らばる大岩や奇岩群も好きでして、
真っ先に思い浮かべたのが、
オーストラリアのデビルズ・マーブルの、割れた巨岩でした。
マグマが冷えて固まった花崗岩が、昼夜の寒暖差によって膨張し、
真っ二つに割れてしまったものと考えられています。

また、形状は違いますが、
北アイルランドのジャイアンツ・コーズウェーにある六角形の石柱群は、

柱状節理によって生じた玄武岩の柱。

いずれも、奇岩=火山活動の結果
ということのなるのですが、
自然が作り出す造形物って、時に人智が及ばないほど凄いものですよね。

 

 

一方この東霧島神社は、霧島山の噴火などにより、
社殿が焼失・埋没して荒廃していたところ、
963年に京都天台宗の僧(性空上人)が社殿などを再興しています。

 

 

古くから噴火を繰り返してきた霧島山。
そこに鎮座する割れた大岩・・。

先のリアルな話をまず結論として据えた上で、
後世に人の手が加わったのかも?というエッセンスも足して、

怒ったナギさんが十握剣で三等分・・・という神話を楽しみました。

 

 

 

木々に囲まれ、日中でも幻想的な雰囲気に包まれる境内。

 

 

このときは参拝客が私達だけだった事もあり、
静寂な空間に雨の音だけが響いていました。

けれど同時に、
周囲から注がれる厳しくも暖かい視線をヒシヒシと感じ、
心の中は「うっわ、スッゲーーここ。」というワクワク感でいっぱいw

 

 

それが神さんでも樹でも過去の人々の記憶でも、
とにかくこんなに注目されるのは初めてっていうくらい、稀有な経験でした。

 

 

 

この先に本殿がありますが、
鳥居の傍らには鬼さんがどーんと控えております。

 

 

おおっ!!
反対側には、好みの巨木が

 

 

樹齢1,000年とも言われるこの大楠には幹に大きな空洞があり、
安産祈願の霊験あらたかな御神木なのだそう。

 

 

この洞をくぐって、右に3回・左に3回それぞれ周回し、
乳水・龍神水をいただくことで安産が叶い、病魔を払うといいます。

 

 

めっちゃ入りたかったけどね、雨すごくてそれどころじゃなかったんだわ・・

 

 

なので、ここから写真だけとって我慢。

 

 

鬼岩階段

 

 

かつてこの地方を治めていた、鬼と称される豪族が
一晩で積み上げたという約170段の階段。

 

 

 

別称「振り返らずの坂」とも呼ばれ、
天台・真言宗の僧侶が一心に呪文を唱えながら、
昇り修行をしたのだそうです。

ゆえに一心に願い事を唱えながら振り向かずに昇りきれば、
願いが叶うと言われています。

 

 

階段っていうか、石を積み上げた岩場を上る感じで、
ただでさえ所々が苔生して滑るのに、この日は結構な雨量。

濡れた石で滑る滑る。

(スタートの巨樹の前で、木を見上げてたらさっそく一度転びました)

後ろ振り向く余裕なんてない。

 

 

しかも途中から手摺がなくなるので、
降りる時に滑ったら、間違いなく転落でしょうね・・

 

 

これ、上から見たところですが、
帰りはひたすら自分の身の安全を信じて、一歩一歩踏みしめながら下りました。

雨の中、傘をさしてカメラを死守しつつ、どの石が無難そうか一段一段確かめながら、
心の中では不動明王の真言を唱え続けて、ようやく170段を下りきった時の安堵感・・。

なにこれ修行??って思うとともに、
神さんに心から感謝しました。

 

 

が、先に降りていた夫から、
石段ではない裏参道が脇にあったよーと言われ・・。

なんそれ。気付けよ私。(泣)

 

 

 

龍さんが迎えてくれる神門と、
その先には拝殿。

 

 

 

帰りの飛行機の時間もあるし、階段降りるの時間かかりそうだし、
ここはさっと拝んで戻らなくちゃねって考えてたのに、
これ見た瞬間、マジかー・・・って泣き笑い。

 

 

 

これを5分程度で切り上げるって、私的には到底ムリじゃん。

 

 

御祭神:伊弉諾尊・伊弉冉尊

 

 

 

こちらの感想

・〆の場所。ここで体を閉じてくれて、万全な状態で送り出してくれる。
・迅速な行動力、判断力、決断力を授かれる。
・弱い人は弾かれるから、たぶん参拝に気が乗らない。

 

 

 

思いがけず素晴らしい光景に出会ってしまった時の高揚感。

いやーちょっともー帰れないじゃーん!なにこれステキすぎーーー
とニヤけながら撮りまくる。

 

 

結局およそ1時間の滞在となりましたが、
こんなんじゃとても足りません。

また九州を訪れる機会があったら必ず再訪すると心に決めました。

 

 

帰りは先述のように必死で石段を下り、再び鳥居の前で一礼。

雨の境内に別れを告げて、
3日間の九州参拝旅を締めくくりました。

 

 

 

 

思い返せば、私の参拝一人旅のスタートは、
2014年に参拝した福岡市の志賀島に鎮座する志賀海神社でした。

 

 

それ以前にも、家族旅行で高千穂阿蘇などの神社を訪れる等しており、
このあたりから徐々に神社への興味が強まっていきました

 

 

なので、九州は私の神社巡りの原点です。

 

 

 

行きたいと思いつつ、なかなか叶わなかった参拝旅。

やっと実現できた時には、
最高の出会いと縁が待っていてくれた。

 

 

時が満ちるってこういう事を言うのかな。

 

 

 

神社はもちろん、景色も人も食も、何もかもが良い思い出ばかりで、
本当に素晴らしい3日間でした。

 

 

神仏の導きに助けられたとしか思えないような、
数々の貴重な出会いとご縁に恵まれ、
トラブル一つなく無事に旅を終えられたことに、心から感謝しました。

 

 

 

本当はもっとたくさん行きたい場所があるけど、
2泊3日の旅行では、とても周り切れないね。

 

 

今回、旅を終えてまず思ったのは、
「次はいっそ1か月ぐらい滞在したい。」でした。

いっそマンスリーマンションでも借りて、
いずれ本気で短期滞在しようかなと思っています。

 

 

その時は再度お邪魔するので、
神さん方よろしくおねがいします。

 

 

またお会いする日まで。