”南米の大河”で表彰された紹介ページをつかい、読了した本棚を作成中です。まだ1冊しかありませんが、時々遊びに来て下さい。
本棚はこちらです。
06年中に書こうと思ったのですが、年末は”餅つき”、”年賀状”、”家族旅行”と重なって、ついに越年したので、たまたまチビの居ぬ間に、面白かった本を 何度かに分けて ダラーっと書いていこうと思います。
「小遣いが少なく」「近所にまともな本屋がない」・・・等という理由で、僕の読書は99%を公立図書館(最近 2週に1度の市立図書館+3週に1度 県立図書館で本あさり)に頼っています。
はじめは、古くさい本しか集めていない図書館に ”読みたくなる”本があるのか?という、ド素人的心配をしていたのですが・・・・。世の中には新聞の書評以外に、面白い切り口で、読書案内(著者がどう思っているかは 知りませんが・・・)がゴロゴロあります。で、そこで気になった本を 蔵書のインターネット検索+予約ができるので、デパ地下の試食のように、身銭を切らず(税金は払っていますが、その額以上に)借りまくっては、読んで返すという中毒?者となりつつあります。
今回、ある書店員のエッセイの関連で見つけた 『文学賞メッタ斬り』を読んでいくと、めちゃめちゃ面白い文学賞選考の舞台裏を覗けて、島鉄の座席で吹き出しそうになりました。
登竜門とされる芥川・直木両賞の問題点?だけ理解するだけでも為にはなる(何が?)のですが、総勢50は下らない賞の重要度(最上級は ノーベル賞?)や、受賞作のその後の売れ行き、特定の選考委員の発言など、「へー」を連発したこと 限り無しです。
そもそも不純な動機で手に取った本でしたが、受賞作のトレンド、聞いたこともない作家の面白そうな作品がポンポン紹介されるので、年末から今年にかけ、早速 舞城王太郎の「阿修羅ガール」を読んでしまいました(もちろん図書館で借りたんですよ)。この「メッタ斬り」は最近「リターンズ」も出て、シリーズ化の勢いですので、この中で拾った本も含めドンドン読まないと・・・・、と年頭から猪突猛進状態です(今 手元に6冊待機中)。
ところで、「メッタ斬り」を書いた2人のうちの、豊崎氏の単独ブックガイドのタイトルは『そんなに読んで、どうするの?』(笑)です。そう、何にもならないけど 楽しいから読むんですよね、多分。
天気が悪い週末、わが家のお出かけ先には必ず「たらみ図書館」が入ります。市内の他の館にくらべ 中が広いし、適度にざわついているので、1時間程度なら 館内にチビを放し飼いにしていろんな本を手に取れるから。そう思っている親は沢山いるようで、放し飼いにされている? チビッコをよく見かけます。
しかし放し飼いで生まれる1時間で、こちらも真剣勝負で、面白本を探さなくてはなりません。薄汚れた紙ファイルに、狙っている本のリストを綴じて準備は万全。さっさと4~5冊(2週間分)を本棚から抽出し、あとは雑誌の拾い読みに集中してると・・・・すでに父親の行動を先読みしているチビから あえなく拉致され、退館の運びとなります。
さて今回、6年前に映画になっているとは知らず読んでいたのが「ホワイトアウト」。松嶋菜々子がヒロインだったんですね。かつて親に連れられて訪れた「黒四ダム」を彷彿とさせる内容で、寒さが厳しくなるこれからの季節にピッタリ。
寒い季節の話しとしては、偶然ですが「飛ぶ教室」も クリスマス頃のお話です。そしてこのブログのため、ググルと・・・・なんとこの作品も映画化されるんですね!!!!ビックリです。
作者のケストナーの本は、子どもの頃「エミール」や「二人のロッテ」を読んでいるのですが、最近 大人と子どもの関係本を読んでいると、必ずこの「飛ぶ教室」が推薦されているので、読んでみることにしました。中学生くらいを対象にした内容ですが、40代のおじさんが読んでも新鮮です。映画の長崎上映を期待しています。
これまた映画絡みですが、新聞の書評で紹介されていた「噂」を読んだ後、この作者の本を調べていると、これまた今年公開された映画の原作=「明日の記憶」にぶち当たりました。ところが映画化の影響で、予約が殺到しまだ読めません。(同様に「東京タワー」も「赤い指」も半年待ちです)
「噂」も 充分映画化できるほど面白かったので、期待しておきます。
※(追記)調べてみると「飛ぶ教室」は2002年の公開作品で、どの映画館も公開終了していました(ただし長崎では上映無し)。また映画の配給元は、「かもめ食堂」と同じでした。
住所がある市に 65万冊の書庫を抱えているので、書評や個人推薦の本の約6~7割は 手元に届くことになっています。また 勤務先の島原図書館や、県立図書館もたまに使うので、仮想蔵書数は100万冊ですね・・・ウフフフフ。
さて「銃・病原菌・鉄」が面白かったので、ダイアモンド博士の「文明の崩壊」に手を伸ばしてみました。
前著に流れで、環境負荷と文明のつながりから、絶海の孤島で繁栄し やがて崩壊したイースター島、グリーンランドから撤退したノルウェー人、島の東西で極貧(ハイチ共和国)と富める国(ドミニカ共和国)に分かれているイスパニヨーラ島など失敗例が紹介されています。
逆に人口増大にもめげず繁栄した江戸時代の日本や、景観を守るために投機の対象となった農地を買い集めるアサナジ@USAの話が紹介され、持続可能な社会の方向性を考えるヒントが、山盛りです。世界には笑えるほど(失礼)奇妙に似通った失敗例が、数多く残っているものです。
「隠された証言」は20年前に起こったJALの御巣鷹山事故報告書が、ある内部資料にある生存者の証言から、でたらめだとするノンフィクションです。
著者は国際線パイロットでもあり、また社内の事故調査プロの立場から、証言を当時の機内の状況にフィードバックさせ、報告書が事故原因とする「減圧」はありえない話だと結んでいます。また米軍や自衛隊、警察、それに消防等の各機関の連携が上手く行き、現地での救出活動が早かったなら、たった5名しかいなかった生存者は数倍になった可能性もあったと、悔やんでいます。まだまだ 新事実が出てくる予感がします。
最近 チェチェン紛争をテーマに報道していたロシア人ジャーナリストが暗殺されましたが、「あらかじめ裏切られた革命」では、暗殺・賄賂・国有財産の私物化の話がわんさか出てきて、あの国では「さもありなん」と思えてしまいます。
外務省のラスプーチンといわれた佐藤優氏が語るロシアと、この著者の取材対象は、どちらも政府高官には違いないのですが、アウトプットが天と地ほどの落差があるのが凄すぎます。なんだかよく分からない底が抜けた国・・・という印象を持ってしまいました。実際お邪魔できる日が来るのを、楽しみにしておきます。
・・・というわけで、どくしょ習慣は続くのでした。
9月の声を聞くと、南国とおもわれている長崎でも、かなり過ごしやすくなってきました。そう「秋」になったので、そろそろ「読書」にも腰を入れて取り組もうと思います。
と思っていたところ、インターネットで予約していた図書館の本「容疑者xの献身」が届き、幸先よいスタート。4月の予約だったので、かなりの人気です。
ストーリーは数学者を中心に展開するので、昨年話題になった「博士の愛した数式」とダブルのか?とおもったのですが、あくまで犯罪先行型。「なぜ高校数学を勉強する必要があるか」など、少しだけ触れてあるだけで、すらすら読めてしまいました。
さて、夏から少しづつ予習しているテーマは天皇制。なぜ”予習”かと言えば、10月に長崎で公開される映画「太陽」のホームページで、映画なのに参考文献が載せてあるため、手に入るモノだけ読んでいるのです(少しづつ)。
最初に取りかかった「ニッポン日記」は、凄いノンフィクション。その凄さ・・・・とは、戦後60年経って問題になっていることのほとんどを、著者(マーク・ゲイン=新聞記者)が占領期の数年ですでに見通し、その指摘通りの展開になっていること。
さらに「昭和天皇と戦争」は、大戦と昭和天皇の戦争責任について、かなり詳細な証拠を突きつけ、読者に迫ります。
参考文献を離れると、たまたま「家族」「いえ」「郊外」などをテーマにした本をまとめて読んでいました。
「戦略としての家族」には、日本では戦後よりかなり前から「核家族」が単位になっていること、家族=国家の単位とするプロセスはどうやって始まったかが克明に記されています。この本に内容を、斎藤美奈子さんに書いてもらったら爆笑の連続なのに・・・と思うほど、面白いイラストが満載でした。
ある記事かブログかに「凄い本に紹介してある参考図書は、必ず読む」と、「ほとんどハズレがない」と書いてありました。これはある意味正鵠のようです。
そういうわけで読み始めたのではないのですが、ピンカーの「人間の本性を考える」やドーキンスの「利己的な遺伝子」「盲目の時計職人」などで参照されていた、ジャレド・ダイアモンドの「銃・病原菌・鉄」は、中学か高校くらいに読んでればなー(といっても、そのころは発行されていませんでしたが)と思う「凄い」本でした。
著者は「なぜインカ帝国がスペインから滅ぼされ、その逆ではなかったか?」や「4大文明発祥地の中国が、今ではヨーロッパの後塵を拝しているのはどうしてなのか?」などという、「夏休み子ども電話相談室」的な疑問を丁寧に解いていきます。素朴な疑問は、いつまでも大事に保管しておく必要があるのですね。
特にインカ帝国の皇帝:アタワルパが、白昼堂々あっという間に捕らえられ、その後わずか数百人のスペイン人が数百万の国を征服出来たというくだりは、当時の記録が正確に残っていることもあり生々しく再現されるなど、本論以外のエピソードも盛りだくさん。ちなみにこの本、ピュリッツアー賞受賞作でした。
また同じ時期に読んでいた長崎出身の作家:カズオイシグロ「わたしを離さないで」では、遠いどこかの国の出来事と思っていたら、最後は現実に引き戻されるという不思議な浮遊感覚を味わうことが出来ました。
史上最高の財務長官と称されている人の書いた「ルービン回顧録」は、意志決定時に「リスクを伴う」方を選んでいき、7時間以上睡眠がとれないとダメで、大統領からの電話を「釣りの途中だから」断ろうとしたことも書いてある本です。かなり正直で具体的な記載が多く、大統領回想録よりは面白いと思いました。
小遣いが少ない「子育て世代」の父親は、図書館の本で自己研鑽
。
・・・というわけで、せっかく借りて読むなら「面白く」て「印象に残り」、さらに欲を言えば「ためになる」ことと「話題性」があるタイトルなら文句なし。
個人でつくられている書評ブログもたくさん出回っている中、最近こちらの情報をネタに、さらにアマゾンでフィルターして、評価を高いモノを選んでいます。
写真の本のなかで「知的複眼思考法」と「大聖堂」はそうやって選びました。
「大聖堂」は、文庫本3冊で合計1800ページの大作です。12世紀の大英帝国で、何度も失敗しながら大聖堂を建立していく棟梁や修道士、落城したお姫様、悪党など、それぞれが栄枯盛衰を繰り返しながらの数十年が描かれています。ひとつの領地に司教と修道院長と州長官、さらに伯爵といろんな権力者がいて、紙切れひとつである町の運命が決まるなんて、現代とよく似てるなーなどと思いながら、面白く読めました。
「知的・・」の方は、行き詰まっている前に読むと、良い処方箋になると思いました。
もちろんそれ以外も秀作続きで、島鉄で寝るヒマが無いのが悩みです。
行きつけ?のたらみ図書館で、チビが絵本にはまっているわずかな間、人気の少ない書架をウロウロしている(まるで不審者のように)と、たまたま「薄く」て、「著者が外国人」で、「絵が沢山かある」本を手にとって借りました。
タイトルは「スウェーデン式アイディアブック」。分厚い本のすき間にちょこちょこ読んでいると、思い当たることがありました。
アイディアを思いつく場所として、日本では昔から「三上」といわれているようです。それぞれ「馬(=ひょっとして鞍かも)上」「枕上」「架上(=トイレ)」。
この本には同じような場所を4B=ベッド、バス、風呂、バーだと紹介しています。ついでに個人的には、理髪店=バーバーを加え、5Bと行きたいところ。
ちなみに著者は、「不思議なことに会議室ではいいアイディアが浮かびません」と落ちを付けていました。あくまで、スウェーデン人の意見です・・・。
12月に「地デジ」が始まろうという長崎の将来を見越したわけではありませんが、わが家からTV受像器が無くなってはや1年。捨てたテレビは、元々ワールドカップアメリカ大会を見るために買ったことを思い出せば、ドイツで盛り上がっているこの頃、隔世の感があります。
そもそも平日の朝や夜、時間がおしているときにTVを見てると、何もはかどらないことが処分の原因ですが、その後チビ達は絵本の世界にはまってしまい、やっぱり時間はおしています。ただ多少、大人のペースで生活が進むようになったのはメリットでしょう。
たまに電器屋やスーパーで流しっぱなしの画像を発見すると、チビ2人は直立不動で見ているので、その瞬間だけ不憫に思ったりします。
僕は以前にも増して読書三昧。テレビで実物が見れないのに、図書館でサッカー関連の本を読んでは「オーストラリアのヒドゥカは、こてこてのクロアチア人なんだ!」なんていうネタを楽しんでます。しかしそれはチビが寝ているときか、起きていてもいたずらしているときだけで、相変わらず島鉄のシートが図書室であることには変わりません・・・。
インターネットで予約して約1月。話題のダ・ヴィンチ・コードが届きました(図書館で借りたのです)。先週は上巻(返却済み)で、今週は下巻が。
図書館から栞が挟まっていて、「(予約がたて込んでいるので)読み終わったら期限前に返却してね!」とありました。お任せ下さい。あと150ページですから。
諫早市の図書館は(だいたいどこでも同じですけど)、借りた本を2週間で返却することになっています。そんなわけで土日のどちらかは、せっせと図書館通い。
ところで今はインターネットで蔵書検索し、しかも予約できるので、目当ての本を狙いすませて新刊旧刊を好きなだけ「お取り寄せ」出来、とっても快適。GW前にも、半年前に話題になった「半島を出よ」
なんかはあっという間に読めたりします(しかも「高来」「小長井」「たらみ」の寄せ集めで
)。
さて最近、「スゲー」と思いながら読んだのは「盲目の時計職人」という遺伝子関係の本。著者のドーキンスは、パソコンのプログラムで偶然に進化?させた図形の驚くべき結果や、タイプライターで猿に「我思う故に我有り」を打たせるにはどれくらいの時間が掛かるか?などを検証し、ダーウィン進化論の補強と、的はずれな批判をバッタバッタと展開します。元々は「利己的な遺伝子」をたまたま読んで、ここにたどり着きました。
専門家に”ドーキンズ・ワールド”といわれるほど、確固たる地位を築いているこんな人がいるなんて、「世の中知らないことばかり」なんですね。