佐世保出張の1日目も終わり、懇親会もお開きになったので 県内では当地でしか上映していない作品を レイトショーで観に行きました。たまたま この日は ”メンズデー”の1000円入場の日でもあり、ダブルでラッキーというわけです。
作品名は 「シッコ」。監督と主演は、アメリカのドキュメンタリー・ムービー注目の マイケル・ムーア。「コロンバイン」や「華氏911」などで 評判の作品が多いのですが、日本の西の端っこでは需要が少ないのか、今回初めて見せて頂きました。ちなみに1000円なのに、ボクを含めても 客はわずかに2人でした。(ちなみに 長崎市内での上映予定は・・・・今のところありません)
(以下はネタバレなので、観に行くつもりの方は飛ばして下さい)
さて映画は、冒頭から 民間医療保険でお金が払われないため、自らの傷口を針と糸で縫う負傷者の映像から始まります。そして アメリカで病院にかかりまともに治してもらうことが、いかに困難であるかを、当事者や遺族(つまり医療を受けられずに亡くなった人の家族)の証言で、積み重ねていきます。このあたりまで進むと、大半の観客は「”今の”アメリカで生まれなくて良かった」と思い始めます。
次に河一つ越えた カナダに向かうアメリカ人が出てきます。カナダは皆保険の国で、医療費は無料の上、待ち時間も少なく快適な病院で 治療を受けるため 彼女はやって来たのです。何と そんなアメリカ人のために、偽装?結婚を紹介する機関もあり、エンドロールではURLまで紹介されます。
また 同じく皆保険のイギリスとフランスでは、どうして制度が維持できるのか?背景は何か?を、社会的弱者の移民、医師、それに元国会議員らに語らせます。中でもイギリスの元国会議員 トニー・ベンの語りは圧巻で、「力の源泉が市場から投票所に移った」だの、「政府が国民を恐れているから 皆保険は続いている」だの、興味深い発言が 眠気を覚ましてくれました。個人的には フランスに住んで 子育てするのがベストだなーと思いつつ、観てしまいました。
映画の最後は、アルカイダだとしてキューバに拘束されている容疑者の医療が無料で完璧だから、同じ扱いをしろー!と 911の英雄達とグアンタナモ基地へ・・・。
とにかく 世界にはいろんな価値観と考え方があり、全てを決めているのはその国に住む人だという結論が導かれるのですが、医療保険制度の他にムーアと一緒に旅も出来て なかなか有意義で お勧め作品だと、もう上映期間が終わっているのにココに書いても仕方がないのかもしれません。でもDVDでどうぞ。