持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

2005年6月の記事一覧

2005-06-30 23:59:59 | なんでもないこと
 6/2 anego #7 6/6  ただいま、です。
 6/6 髑髏城の七人~アオドクロ 1/2 6/7  COMPOSER
 6/8 髑髏城の七人~アオドクロ 2/2 6/10  恋におちたら #8
 6/11 恋におちたら #9 6/13  クラウディア 1/2
 6/14 クラウディア 2/2 6/15  極烏(ごくう)
 6/16 Fran 冷やしカカオ 6/17  恋におちたら #10
 6/18 離婚弁護士2 #9 6/19  時には父のない子のように
 6/20 第59回 トニー賞授賞式 6/22  離婚弁護士2 #10
 6/20 anego 最終回 6/24  恋におちたら 最終回
 6/26 海猿 6/27  鈍獣
 6/28 ありえない 6/29  離婚弁護士2 #11

離婚弁護士2 #11

2005-06-29 00:57:07 | テレビドラマ
フジテレビ 『離婚弁護士2 ~ハンサムウーマン~』 最後に笑う女
演出:久保田哲史


金にあかして集めた弁護士が20人。それも間抜けな画だった。これだけいると、かえってまとまらないだろう。それを無言で見つめていた、間宮姉さんの返しが。「知らない顔ばっかりだなー」「私とは一緒に仕事をしたことが無い」「つまり、一流じゃないってこと」「戦いましょう、とことん」ときた。格好良いなぁ。溜息がでる。

それにしても株の云々は。関係が無い世界だけれど。インサイダー取引とは。企業内情を知りながらの売買のことだ、くらいにしか認識がなく。株主構成によっては上場廃止。その調整であることを「知らせず」に売買をする。こういうのも、あてはまるらしい。へえぇ。で、20人の弁護士は何ひとつ助言できなかったと。追い詰められる武田真治氏は。美男子。このヒトと『電車男』がどうにもつながらない(←ドラマの見方を間違えているとしか・・・)。でも舞台では、しっかりアキバ系に見えるんだろうね(←まだ言うか)。

話を戻して。間宮先生の不倫の振り切り方は、さすがの一言。長野里美氏の奥様は、痛々しく(里美ちゃんファンとしては、もっと見せ場が欲しかったけど)。それを見ている、間宮姉さんの心の痛みは。ここまで、離婚弁護士として奥様たちの味方をしてきたからこそのもの。それが、恋心より大きいのなら。あの編集長は運命の人ではなかったんだよ、きっと。月並みだけど。今は辛くても、もっとお似合いの相手が現われるよ。なんたって「キレイで優秀な弁護士」なんだから。

七夕の短冊の。達筆の「お姫様だっこ」は。確かに、インパクトがあったな。それを端っこに書くあたりが奥ゆかしくて。でもさ、間宮姉さん。じゃなく、ゆりちゃん(天海氏愛称)。あなたにお姫様抱っこされたい女子が、まだまだたくさんいると思われます。もうしばらく、そのままでいてください。

ありえない

2005-06-28 00:25:07 | 演劇:予告編
なぜだっ?
劇団☆新感線の『吉原御免状』(予告記事は→こちら)と、蜷川プロデュースの『天保十二年のシェイクスピア』(予告記事は→こちら)のチケット発売日が。同日だっ。上演日は一日掠るだけで、ちゃんとずれているのに、なぜ発売を一週ずらさない!?

・・・失礼。かなり衝撃の事実だったので。
この秋、個人的にイチオシ(フタツやん)の芝居である。芸術の秋(10月)だよなぁ、なんてほざきつつ。かーなり、楽しみにしている。どちらも人気の演目で。けっこう広地域からも狙いがはいっているはずで。相当、気合を入れて臨まねばと。めずらしく早目からチェックを入れている。

なのにっ(テンション、冒頭に戻りました。今) どういう仕打ちっ?

観劇に関しては。雑食かもしれないなという、自覚はある。
(『熱海殺人事件』と『オペラ座の怪人』が同居するのって珍しいかもしれない、くらいには)
でも。今回の演目は、両方狙ってもおかしくないよねぇ? ここを読んでいて。両方見るぜっという方いるよねぇ? あ、予約を二つに分散させようって考え? (いまだ混乱中・・・)

さぁ。どーするっ、友? (←だからココは見てないって)

<追記>友より返信。「一点集中、新感線」
      相っ変わらず、迷いがないよウチの姉さん方は(←同い年だけどね)。

鈍獣

2005-06-27 00:49:40 | 演劇:2005年観劇感想編
2004年パルコ劇場上演 『鈍獣(どんじゅう)』 
脚本:宮藤官九郎
演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久、池田成志、古田新太、西田尚美、乙葉、野波麻帆


実は。宮藤氏に縁がないままに、ここまで来ている。信じられない、と責められる。友には、「このまま一生かかわらずに行けばぁ?」などとからかわれつつ。テレビ放映分のビデオを貸借。49回岸田國士戯曲賞受賞作。演者は、生瀬・池田・古田。括りようによっては、自身のなかの男優ベスト3。これ以上の出会いの作品はない。

処女作を書き上げた直後、姿を消した小説家の凸川(でこがわ)。彼の足跡をたどるうち、担当編集者の静は、ホストクラブ「スーパー・ヘビー」に行き着いた。店長、常連客、店長の愛人、ホステスの話から、それまで知られなかった凸川の姿が浮かび上がり――。
一幕、二幕ともに。なぜか、始まりはキオスクのシーン。笑わせる導入(←面白すぎるから)。本編に特に関連しないところが、より笑える。編集者のインタビュー内容が、舞台上で演じられて物語は進む。いじめられっ子だった凸やん。それでも懐く凸やん。その関係は、大人になっても変わることはなく。ただ、違っているのは。凸やんが、筆という力を持つことと、作家という地位を確立していること。

過去の悪事を書き暴かれて、焦る地元のホストクラブの店長に古田氏。江田の幼馴染みで子分格の、クラブの常連客に生瀬氏。いくら疎まれても追い払われても、「もう、おしまい(閉店?)」と来店する作家の池田氏は。温厚でありながら、心の機微に鈍く。この鈍さが、殺意を生んでいく。毒薬にも鈍く、何度殺害を図られても死にもしない。おそらく客席は。異様な殺意が膨れ上がっていく恐怖感と。感情を逆撫でし続ける、鈍獣が生み出す恐怖感に支配されていただろう。

感情を。どこかしら軽く扱う手法と、少し放り出すような終わり方が。クドカンの持ち味なのかな。ラストシーンが、最初のシーンにつながるやり方は。間違いなくもう一度見たくなる。
最後に。何度も繰り返されてきたはずの、池田氏の台詞に戦慄を覚え。最後の最後の。西田嬢の涙で、救い上げてもらう。
女優陣は、厳選された感があり。全員適役だったと思う。男性陣の配役は。すべてローテーションしても成立すると思われて。それを想像するのも、また楽しい。

ホラーは苦手。『こどもの一生』を観たときに。あまりの怖さに。この先、二度とホラーは見ないと誓った。『Vamp Show』を観たときに、誓いを破ったことを後悔した。この人たちがホラー物に燃えるのは重々承知なので。テレビで正解。ほんとに、まぁ、楽しそうに演じていらっしゃる。DVD発売中。でも、クリアな映像は怖いので(笑)。これきりにしよう、やっぱり。

海猿

2005-06-26 00:52:14 | 映画
プレミアムステージ 『海猿(ウミザル)』
監督 羽住英一郎
原作:佐藤秀峰,小森陽一
脚本:福田靖
音楽:佐藤直紀
出演:伊藤英明,加藤あい,海東健,伊藤淳史,國村隼,藤竜也 他


公開当時。同行の友がいなかったので、見送った作品。原作ファンからの、酷評が聞こえたりしたけれど。予備知識なしでみると良い出来かと。こういう映画は。達者な演技などより、ストレートに正面から取り組んでいる姿に感動を誘われる。フィクションがドキュメンタリー(正確には違うけど)に勝てないと思うのは、こういうとき。

"海猿"は、陸に上がり酒を飲んで暴れる海上保安訓練生を表す、劇中の愛称。らしいが。狙い的中。観はじめに、「ほんま、お猿・・・」とつぶやいた。『踊る大捜査線 THE MOVIE』のスタッフがかんでいるとのことで。そのためか、「最前線に楽しいことはない!」なんて厳しい台詞にも臨場感があり。訓練の厳しさや、日常の楽しみや。変な言い方だけれど、男らしさも、わかりやすく描かれている。

極限状態で、バディ(相方)を見捨てた過去のある教官。極限状態になったならば、バディを見捨てると断言する訓練生。極限状態に陥ったら、の問いに答えの出せない訓練生。そして、極限状態は起こってしまう。伊藤氏演じる仙崎は。仲間を信じて、バディとともに助かり、無事、潜水士となる。ここまでがストーリー。
視聴していて。遭難事故の場面に、必要以上に息苦しくなってしまうのは。過去にダイビングをかじっていたせいなのだろうけど。CMがあって良かった、と今日も思った(←根性なしと呼んで)。海は綺麗だし。装備をすれば、深い海底にまで辿り着けてしまうけれど。人は、呼吸ができなければ死んでしまう。人は道具がないと無力だということを。人は、よく忘れる。だから。こういう映画は大事。だから。ホンモノの海上保安官の方々には感謝を。すべての、命にかかわる仕事をされている方々へ。ほんとうにありがとうございます。

7月からのフジテレビ系(火曜9時)で連続ドラマ化。映画版のスタッフが名を連ねているから、このテイストで。そのまま映画版(来春)へと続く様子。どおしよぉ。観ようかなっ。

恋におちたら 最終回

2005-06-24 02:53:19 | テレビドラマ
フジテレビ 『恋におちたら ~僕の成功の秘密~』 ヒルズに恋して
演出:鈴木雅之


このドラマをザッピングしていた、知り合いのIT社長が。鈴木島男を、欲しいと言っていた。社内に個室を与えて、開発に専念させる。間違っても表には出さない。これが適材適所だ、と力説していた。今回を視聴していたら。最初からこうしておけ!高柳!なんて言っているに違いない。(←社長、それではドラマにできません)

今回のサブタイトルが。どう解釈しても、高柳目線なので。こんなことを考える。このドラマが。高柳目線で描かれたなら、どうだったかと。一通りの成功を得ていたところに、島男と出会い。ちょっといたずら心をおこしたら。人生がひっくり返るような目にあって。脱落を経験した後、新たな気持ちで返り咲く。素晴らしくすっきりしたストーリー。
まぁ、現実問題として。草なぎ剛氏ありきのドラマなので。ありえないけれど。まぁ、そうなると。一番ご贔屓の下町組が、こんなには活躍できなかったので困るけど。

開発済みのシステムを、「ちょちょいと削れ(意訳)」のオーダーに。制作現場を理解して、激昂する高柳の成長(?)ぶりに驚愕。島男のフォロー(?)「ウチの高柳、気が荒くて」は。すでに社員全員の共通認識だろうに。必要以上に気にして落ち込んで。「ごめーん・・・」と力なく、反省のポーズをとる堤さんが。いとしいよん。やさしく微笑んでくれる草なぎくんにも、ほっとするね。最終的に、二人が袂を分かつのは。至極当然。ひとつの会社を経営するには、方針が違いすぎる。

龍太とまり子。逆プロポーズで決着。小道具の煮付けに漬物。以前のプロポーズシーンを記憶していると、完全にシンクロしていて楽しい。信じられなくて、自分で自分の頬をはたく耕史くん。あー、そんな思いっきり。器用やな(違)。痛。。ドラマの端っこで。なぜか、ドラマのテーマを担っていたふたり。結婚はご褒美ということだよね。ごくろうさま。

演技巧者にひっぱられたドラマ。説得力は、全て役者から出ていたものだった。もっと。いろんなものが、ちゃんと噛み合っていれば、と残念だけど。これはこれで楽しめた。

anego 最終回

2005-06-23 00:19:47 | テレビドラマ
日本テレビ 『anego [アネゴ]』 一歩、先へ
演出:吉野洋


会社で窮地に立たされて。残る道が無くは無いのに、責任をとって辞めてしまう。あんなに結婚したがっていたのに。プロポーズを退けてひとりになってしまう。間髪いれずに派遣で会社を見つけ。がしがし働き続ける。何に追われているんだろうかと思うほど。必死に突き進む奈央子を演じる篠原涼子ちゃんがすごい。

海外赴任してしまった、恋人とも後輩ともいいきれない黒沢から届くメール。「ゆっくりとした時間の中で、今日するべきことをする」「青い空をみて、それが幸せだなって思ったりします」。心の中に、風を吹き込んだ一言。このシーンが、ちょっと舌ったらずなナレーションで。ちょっと心が動いたなぁ。。この瞬間。黒沢くん、いや、赤西仁くんに惚れそうになったもん。危ない危ない(笑)。あどけなさと、仕草にある色気のアンバランスに惹かれる。

奈央子だって。心を動かされているのに応えなくて。一年ぶりに帰国した彼なのに甘えられなくて。再びのプロポーズをスルーして。またひとりになる。こういうドラマって、最後は結婚でハッピーエンドというものだと思っていたら。そうはならなくて。おたがいを探りつつ、「オバサンの限界だ」「やっぱ俺まだガキだ」なんて。まだまだ微妙なふたりの距離感。

メールが、唯一の奈央子の願いで。送ると約束した時間を守るために、一生懸命モンゴルの大地を走る黒沢がかわいい。日本で、いそいそ待つ奈央子がかわいい。いつの間にか、モンゴル語教室に通い、言葉を習っていて。届いたメールの文面は、奇しくも同じ言葉で。「モンゴルは今日もいいお天気です」。もう少し時間をかけた。その先に。二人がちゃんと向き合う時間がある。そんなことが信じられる結末。いいもの観たなって思う。

<追記>たった2行のメールを100回以上読み返したってとこ。・・・あるなぁ。

離婚弁護士2 #10

2005-06-22 22:11:56 | テレビドラマ
フジテレビ 『離婚弁護士2 ~ハンサムウーマン~』 セクハラした女
演出:松山博昭


あちらこちらで、不倫花盛り。あの三神サンに妻子がいて。間宮センセが窮地に立たされてるよ。そして。間宮センセは自分のこととなると、案外弱かった。
「ボス弁が馬鹿にされた」と血相を変える佐々木蔵之介氏。この回、全体的にテンションが高く。はじめて柳田弁護士をかっこいいと思ったかも(酷)。そんな中、松重豊さんの演じるマスターが。間宮姉さんの好物料理の修行を終え。柳田さんと決着をつけると息巻いてる。どうやってー? 危ない、蔵りん! だが、ぜひ対決が観たい(笑)。

事務所に持ち込まれた案件は。逆セクハラで懲戒解雇された女性。潔白を主張し。撤回と会社の謝罪を求めるというもの。上司の立場を利用して部下に関係を迫るくらいなら、街中でナンパでもするという彼女の本音は。やりにくい会社で、戦ってきた女のプライドで。脚本の林宏司氏は男性だろうに。よくこんな台詞が出てくる。

どうやら、悪役らしいIT企業(このドラマもか)、アップヒルズ(安易なネーミング)。ざっくばらんなようで猜疑心が強い、社長を。武田真治氏が好演。
社長「力(金)っていうものがどういうものか教えてさしあげますよ、あなた方に」
間宮「金で買えないものはないか・・・」
柳田「金で買えるものしか相手にしてなかったからじゃないですか?」
間宮「お金で買えるものにしか、相手にされなかったのよね。可哀相に」
よそ様(別ドラマ)では聞けなかった、この台詞の応酬は。お見事! 徹底抗戦、決定!!
    <特記事項>
  • セクハラした女上司役に、杉本彩嬢。うーん、視聴者を惑わす配役
  • それにしても、ドラマの中のIT社長って。。見た目が良すぎるぜ
  • うわわわ。三神サンの奥様役って。長野里美ちゃんだぁ!? (←大好き)

第59回 トニー賞授賞式

2005-06-20 23:49:39 | 演劇:いろいろ
普段は見られないBSを、無理矢理視聴。審査対象は、ブロードウェイ作品の数々。長い時間をかけて準備される演目は、長く愛されて上演され。こうして賞揚される機会がある。

始まりは。話術の達人、ビリー・クリスタル。ヒュー・ジャックマンとの、携帯電話コント(ごめん)は爆笑で。つかみは万全。一流の授賞式はプレゼンターにもエンターティメントを求め。ヒュー(昨年の主演男優賞受賞)は、芝居で歌でダンスで応える。
驚いたのは。プレゼンターのクリスティーナ・アップルゲート。「プレビューで足を骨折しながらも初日を迎えた」と紹介されて。登場と同時に、見事にコケて(本人?)這い上がってみせる。美人なのに、イブニングで決め込んでるのに。なんて素敵なコメディエンヌ。

そして。舞台では、授賞の発表とともに。完成された最高傑作品が披露される。華やかな式の中でダイジェストが見られるなんて、なんて、贅沢!
印象的だったのが。「ミュージカルの音楽は、ダンスとジョークの間の物語を進める装置」という言葉。こういう番組が地上波で放映されて。ミュージカルなんてありえない、といまだに言い続ける皆様の目に、もっと触れればいいのにな。

馬鹿馬鹿しく聞こえるだろうけれど。演劇には。演じる側と、観る側のふたつが在る。
番組ゲストで出演していた、俳優の山本耕史氏の言葉の数々は。適した単語を誠実に選びながら話すため、少したどたどしく聞こえるくらいなのだけど。それ故に、とても素直に受けとれて。ハードなパフォーマンスの『ラ・カージュ・オ・フォール』の放送後。「舞台裏では、ほぼ無傷な人はいないですね」という発言など。その視点がいつも、演者以外の何者でもないことが。とても好ましいと思った。多分この人は客席にいても、意識は完全に板の上にあるのだろう。
こういう人を見ると。こちらにも気合が入る。いつまでも、ずっと客席視点で舞台を観ていようと思う。中途半端に彼らの領分を侵すことなく。余計なうがった見方を避け。純粋に観劇を好きでいようと思う。そうやって、真逆の立場からでた感想が。彼らと気持ちを共有できるものであれば、最高に幸せだと思う。

時には父のない子のように

2005-06-19 01:10:06 | 演劇:2005年観劇感想編
Team 申 プロデュース公演 『時には父のない子のように』
劇場:京都府立文化芸術会館
期日:2005/6/18
作/演出:蓬莱竜太(モダンスイマーズ)
出演:佐々木蔵之介,佐藤隆太


佐々木蔵之介氏の舞台は。惑星ピスタチオ時代には通ったのだけれど。その後といえば『Vamp show(2001年)』のみ。でも。久しぶりの関西弁による芝居だ、なんてあおられると。行かねばなるまい。ただ、言わせてもらうなら。劇場まで遠いよ、蔵りん。。それでも頑張れたのは。愛やな(断言)。

大阪芸人の役なので。期待した京都弁ではなく(良いよね、男性の京ことば)。どちらかというと、ちょっとインチキくさい(標準化を図った)大阪弁。
一代芸を築いた父親の。芸を継承することを選んだ兄と、東京で自由勝手をする弟。客に求められるのが、自分自身ではなく父であることに抗えない兄。飛び出しても自由になれない弟。父は。才能の足りない兄を、後継者として仕込みながら。見込んでいる弟に、珠玉のネタ帳を送り続けた。父である前に芸人だったからこその、身勝手。

息子たちは。父の死をきっかけに。いままで話さずに、話せずにいたことを。ゆっくりと、少しづつ、語り始める。父とは違う。判りきることが出来ない。同じ域まで辿りつけない。ならば。呪縛を解いて、別の道を歩こうと決めていく。芝居の落としどころとしては、無難。でも。いままで信じて続けてきたことを、転換するなんてことは。簡単には無理で。それでも変えて生きざるをえないところを。丁寧に描いていたし、演じていたと思う。

ずっと標準語で話していた隆太君が。激情し、(設定上)生まれ育った大阪弁に戻って話す場面は見ものだった。彼が何度も何度も練習しただろう、慟哭の台詞は。ずっと蔵之介さんが話し続けていた言葉と共通で。一緒に育ちながら、距離をもってしまった兄弟の哀しみとして。鳩尾(ミゾオチ)に入って、いまだちょっと重い。
二人芝居は。逃げ場がないと演者はいうけれど。人数が少なくなるにつれ。観客にも逃げ場はなくなっていく。一人芝居を観るときなどは。できれば後方の席を選びたいほどだ。

今回の脚本は、宛てがき。それが。若い隆太君に仕掛けさせ、受けて動く蔵之介さん、という構図だと。大物になってしまったんだなぁ、なんて。ふと寂しくなる。だけど、パワー勝負なシーンもあって。たいへんおいしくいただきました。ごちそうさまでした。
昨日(6/18)の記事があるからね。続かないよ。(←それって続いてないかって?)