持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

ラヴ・レターズ 2/2

2006-06-22 01:55:47 | 演劇:2006年観劇感想編
6/21の続き>
文通の終わりは、メリッサから。。たぶん、彼女は疲れてしまったのだ。彼女は、ずぅっと自分自身と向き合っていた。ちゃんとしようとして、叶わなくて。甘えたくて、許されなくて。不器用な自分を、もてあまして。もう全部を、やめてしまったのだ。

アンディが、したためる最後の手紙。。彼は、メリッサから得がたい「友情」をもらっていたと書く。・・・やっぱりあかんなぁ、アンディは。こんな色っぽいメリッサを見てて、朴念仁にも程がある。メリッサは、どの男性に対しても友情なんてあげたことはなかったし。彼女にとってのアンディは、まぎれもなく男性だった。そして、書き進むうちに、アンディは自分の感情を見つけ出す。自分は、決して誰にも向けることのない深い愛を、彼女に対して持っていたことを。これを語る彼の声は、絞られて暗くなっていく照明とともに、遠くなっていく。小さく囁くような、それでもちゃんと届く佐々木氏の声は。本当に、彼が遠ざかってしいそうで。絶望で、彼までも、儚くなってしまいそうで。留めたくて、手を伸ばしたくなる。

今回は、演者によって全く異なる印象になる、二人芝居の面白さを堪能。前回の観劇感想は→こちらに。でも、欲を言うならば。組み合わせるのは、同じ空気感をもつ役者さんたちが良い。アンディとメリッサは、たまたまの出会いで交流を暖め合うには性格が違いすぎる。ここまで続いたのは、生まれ育った場所と時間が同じだったから。
佐々木蔵之介氏はいうまでもなく(←大贔屓)、中嶋朋子氏もすばらしい技量のある役者さんだったけれど。ふたりの間の絆は、けっこう薄かった。劇の間中に引き合って求め合っていればこそのラストシーンを観るために、必要なものがあるとするならば。それは、近しい年齢であるとか、バックグラウンドが同じであるとか、なのかと思う。
(なんのかんの言いつつ、ずっと期待してるのは。山本耕史氏と篠原涼子氏なんだけど♪)

それにしても、カーテンコールの蔵りんは(←結局これ)。なんであんなにキュート(←39歳の素敵なお兄様です)なんだかなっ。中嶋さんを軽く引き寄せてのハグや、ハケるときに手招きする仕草やら。あんっなに切ない終わり方をしたくせにー。ちくしょ(←なんか悔しい)。
本来、出張中のはずで、泣く泣く諦めた演目。それが、突如としてキャンセルになり、行けることになり。だけども、即日完売済みのチケット。入手するまでに、けっこう苦労したよ! だけど、こういう演目で。ド平日にもかかわらず満員御礼にしてしまえる関西の観劇人が、誇らしく思えたり。さすがに、圧倒的に一人観劇が多かったよね。

ラヴ・レターズ 1/2

2006-06-21 23:40:21 | 演劇:2006年観劇感想編
『ラヴ・レターズ』 LOVE LETTERS
劇場:ドラマシティ  時間:3時間(休憩15分含)
期間:2006/6/21
作:A.R.ガーニー
演出:青井陽治
出演:佐々木蔵之介,中嶋朋子


舞台中央の丸いテーブルに水差しが、脇にはグラスが2つ。2脚の椅子は客席に向いていて、照明が、この場だけを柔らかく浮かびあがらせる。静かに現われる主役のふたりは、静かに椅子に腰掛けて。視線は常に、本の上におき。最初から最後まで、立ち上がることも無く、お互い顔を見合わせることも無く。声色だけを武器に、朗読劇が開幕する。うわ。前にも同じこと書いてるなぁ(汗)。前回の観劇感想が→こちらに。

幼いアンディは、ご近所のメリッサのお誕生会におよばれしたらしく。主催者であった彼女の母親に、お礼状をしたためているらしい。こどもらしい語り口で読み上げられるその手紙は、メリッサの元に届き。少しくだけた口調で戻ってくる返信に、返信をするところから。長い長い、50年間にもわたる文通が始まる。どうやらアンディは、メリッサとかかわると羽目をはずしてしまうらしく。それは厳格な家庭には由々しき問題で。あっという間に引き離されてしまうのに、それでも、なぜだか文通は続く(←主に筆まめなアンディのおかげで)。

メリッサに、文章と本当の姿は違っていると指摘されても。文章の中に描く自分の姿が、本当の自分なのだと。微動だにせず手紙を読み上げる佐々木氏のアンディは、寄宿舎の部屋の片隅で夢中になって机に向かう姿を思わせてくれる。不自由な日常のなかで、奔放なメリッサの存在が、どれだけ輝いていて、どれほど重要な価値があるのかを教えてくれる。

硬い文章は嫌、長い手紙は嫌い。電話がいい、逢いたいと。思いのたけを綴る中島氏のメリッサは、佐々木氏とは対照的に、手足をせわしなく動かし続ける。その落ち着きの無さは、文章にあらわれるままの、日常に焦れる姿で。グラスに手をのばして水を飲む仕草には、ボーイフレンドたちを、ずいぶん魅了しているのだろうと思わせたりもしてくれる。

医龍 #9

2006-06-08 23:27:51 | テレビドラマ
フジテレビ 『医龍』 Trailer9 バチスタ手術断念
演出:水田成英 


このドラマが、面白くて仕方がないんですけどもっ。撮りためた録画ブツをガンガン再生、やっと本放送に追いつきました♪ ←そんでもって予告を裏切って、この感想を書いてみる。『最遊記』は明日仕上げます~(汗)。コメントレスも、そのときにっ。

医療ドラマのなかで展開される、その凄い事を。こちらに伝えるには、演者が語るしかなく。語り口は、熱くても冷めていても、聞かされる側の感情は離れてしまうのに。このどちらでもない、絶妙の匙加減でもって。かっちりと伝えるべきことを伝えてくれる、役者の面々。加藤助教授が、最高のチーム(←バチスタ手術の要員として)だと言っていたけれど。佐々木蔵之介氏、阿部サダヲ氏、今週は夏木マリ氏(←特に大好きな人たちを列記してみる)。いやはや、よくも集めたものだと(喜)!!

それにしても。皆々さまの水面下の動きが、まぁ不穏で。
助教授にあとを任せたくないと(←愛弟子と呼ぶくせに)、外部から引き抜きを実行し。これを「改革」と銘打って、正当化してしまう教授。けれど、彼が助教授に向かって投げかける言葉の数々は。「信念で舵をとる船頭は船を沈める」や、「組織のトップとしては危険」などは。確かに、その通りなところがあって。
引き抜かれた次期教授は。放出すべき派閥に属する研修医を、見所があると、子飼いとするために呼びつけて。甘言をもって口説く、悪い大人ぶりを発揮する。けれどやはり、彼の言葉は正しいところもあって。他のチームメンバーが、有り余るスキルを持ち、どこでもやっていけることも。今、切り離されたら。彼だけが、立派な医者への道が閉ざされることも否定できなくて。
そして、真っ直ぐで真っ白だった研修医が。チームメンバーを裏切って次期教授のもとに、ご注進に走る姿は。ホントに、痛くてしかたがない場面だけれど。彼が理想だけに走らずに自分の将来を考えられたことに、ほっとしたり(←すごい矛盾だけど)。小池徹平くん、曲者のなかで可愛らしさが際立つなぁ。眼鏡に、ちゃんと度が入っているのが好ましかったり。

生々しい、生き残り戦。こんなものは閉鎖された大学の中だけでなく、どこでも多かれ少なかれ行われていることではあるけれど。。これからは、教授戦のための怪文書が飛び交う情報戦だとか。あぁ一層ドロドロ・・・? だけど、頼むから。患者の命は、引き換えないでくれ。「他人」の命ではあるけれど、医者だというなら、預かり知らぬ他人だとは言わないで。

任務、完了!

2006-06-05 00:22:53 | なんでもないこと
無事、彼らを送り出せたのかな? やれることは、全部やったのかな?

いっぱいの疑問符と、いっぱいの抜け殻感と。こんなアタマとカラダを、ハタき起こして出かけた劇場が。もう、最高としか言いようがなく! あぁやっぱり、この空気が好きだなぁ。。
摩り減らしたいろいろなものが、どんどん補われて。足りないところに沁み入って、潤うのを実感。5月に、『HUMANITY(@新宿)』をフリました。えぇ、S席を惜しげもなく。期限の過ぎた、半券の切られていないチケットを見るのは。正気(?)に戻ると、寂しいねぇ。

さ。少しづつ、生活を戻していこう。←コンビニフードはカラダにキケンです。舌が慢性的に痺れてるので、このぶんだと、内臓も確実に・・・。ここは、『最遊記』の感想で復帰します。
皆さまからの、せっかくのコメントを。そのままにしてしまって、ごめんなさい。でも、元気をいただいてました。だから、戻ってこれました。どぞどぞ、これからもよろしう♪♪