お絵描き日記~イラストレーター照井正邦

職人、照井正邦の似顔絵、意匠など。画力の向上を目的に練習しています。

リアルからデフォルメする方法(似顔絵塾)

2017-01-22 02:37:35 | 似顔絵教室談
昨日の似顔絵教室で、モデルは蓮舫さんでした。

私の描いた「サンプル似顔絵」と「写真」との間にギャップを感じられた受講生がいらっしゃいました。



「正確に見たものの形をとれる能力がある」と、逆にデフォルメできないという場合があます。

その大きな理由として、
「デフォルメ(誇張)しても、正確に形がとれるがために、無意識にデフォルメ前に戻そうとする力が働くから」だと思われます。

リアルよりの、リアルに描ける人が心地よいと感じられるくらいのデフォルメの仕方を、一つ提案したいと思います。



1)まず、トレーシングペーパーに、モデルをよく見て描きます。ペン入れもしてください。
※少しでも、「目が大きいな」とか「口が大きいな」、「鼻が小さいな」などと感じたら、そのように拡大や縮小して描いてください。
※目鼻口眉などのパーツはつなげないで描いてください。



2)パーツをハサミでバラバラにします。

3)写真を見ながらではなく、頭で記憶して、パーツを目を開けたままの福笑いの要領で再配置してください。
※できるだけ、感覚で「似てる」と思える配置をしてください。
※角度を変えたりもしてください。

4)再配置したものを別の紙に描き直してください。このとき「口がもっとおおきかったかな」と思ったら、大きくしてください。



以上で、配置のデフォルメができると思います。
(※私の中では、デフォルメがまだ物足りないのですが、最初のうちはこのくらいでもよいと思います)


「ここまで誇張したら失礼かな」など、最初は無意識に自分を制御していると思います。
リアルからデフォルメができるようになるには、「ハサミでパーツをバラバラにする」のがよいです。

いったん、リアルを解体して、組み立て直すのです。
そういうことができるようになると、ハサミがなくても、頭の中でできるようになると思います。

ところで、根本的な問題があります。
「どうしてリアルに描けるのに、デフォルメする必要があるのか?」
という点です。
モデルを線で似ているように表現するには、(陰影をつけないのであれば)絵としての「嘘」が必要になってきます。
その「嘘」がデフォルメでもあるのです。

例えば、鼻が高い人を正面から描くときには、(陰影をつけないのであれば)、横から見た鼻を描かねば、高さは伝わりません。

デフォルメができるようになれば、逆に「リアルな見え方」も変わっていくと思います。

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