ムネオ日記
2010年5月28日(金)
26日水曜日の日記で、外交情報誌『インサイドライン』に「波紋を呼んだ『3.5島論』の急浮上に『ムネオ』の存在」との見出し記事が掲載されていることについて触れたが、今日の10時41分に配信された産経新聞インターネット版も、同じ様な趣旨の記事を掲載している。
「【Russia Watch】領土交渉 水面下で『2島先行』論」という見出しで、5月11日のロシア外交アカデミーでの私の講演について触れたものだ。以下、その内容をご紹介したい。
【Russia Watch】領土交渉 水面下で「2島先行」論
2010.5.28 10:41
かつて対ロシア「二元外交」を批判された新党大地の鈴木宗男代表(62)が5月10~13日、衆院外務委員長として訪露し、政界関係者らと北方領土問題などを協議した。一連のスキャンダルで逮捕・起訴されて以降、8年ぶりに対露外交の封印を解いた形だ。そこには以前の鈴木氏が主導した、いわゆる「2島先行返還」論がちらつく。
■「露の名誉が大切」
「ソ連が日ソ中立条約を侵犯して日本を攻撃したという点だけを取り上げ、激しく非難する人々がいる」
鈴木氏は露外交アカデミーで講演し、こうした立場を批判したうえで、「政治家の使命は現実的な交渉をし、結果を出すことだ」「領土交渉ではロシアの名誉と尊厳が守られることが大切だ」と強調した。
さらに、鳩山政権が領土交渉の基礎と考える文書として、(1)平和条約締結後の歯舞(ほぼまい)、色丹(しこたん)両島の引き渡しを定めた日ソ共同宣言(1956年)、(2)択捉(えとろふ)、国後(くなしり)を含めた4島が係争地域であることを認め、「法と正義」の原則で交渉するとした東京宣言(93年)、(3)両宣言を明示的に確認したイルクーツク声明(2001年)-を挙げた。 鈴木氏の戦術は、(3)のイルクーツク声明を含んだことに見てとれる。声明は「色丹、歯舞両島の返還にはロシアも同意している。焦点は残る2島だ」という日本側の意図を反映して策定されたからだ。これは「歯舞、色丹両島の返還時期や態様」と「残る2島の帰属問題」を合わせて協議する「2島先行返還」や「同時並行協議」論者が拠(よ)って立つ文書といえる。
(中略)
■「4島返還の放棄を」
「日ソ共同宣言は平和条約の締結と2島の引き渡しで問題を終わらせると明記した文書であり、東京宣言とは全く両立しない」。露科学アカデミー日本研究センターのビクトル・パブリチェンコ上級研究員は「両国が批准し、外交条約の手続きを経た日ソ共同宣言と、意思表明のプロトコールにすぎない東京宣言やイルクーツク声明では重みが違う」とも語り、「2島先行返還論は失敗を運命づけられている」と断じる。
さらに、「議論に足る解決策は、日本が完全に『4島』の主張を放棄し、日ソ共同宣言に立ち返ることだけだ」と政権の立場を代弁する。
日露間では年内に3度の首脳会談が予定され、日本外交筋は「領土交渉の活発化」を期待する。だが、セルゲイ・ラブロフ外相(60)が最近、「北方領土問題に関するいかなる対話も日本が第二次大戦の結果を認めることから始まる」と述べたように、ロシア側の態度はむしろ硬化しているのが現実だ。
鈴木氏は滞在中、「鳩山首相に4島の旗を降ろす気持ちはない」と言明する一方、「現実的な外交」の必要性を訴えた。その目指す 着地点は、まだ見えない。
(モスクワ支局 遠藤良介/SANKEI EXPRESS)
いかにも産経新聞らしい論調である。
まずタイトルにもある「2島先行」という言葉だが、何度も言っている様に、私は歯舞、色丹、国後、択捉の4島を返してもらうという「4島返還」の旗を降ろしたことは未だかつて一度もない。ロシアとの交渉において、「2島だけで良い」、「2島の返還をもって日ロ平和条約を締結し、北方領土問題を最終的に解決しよう」などの主張をしたこともない。4島は日本の領土であり、4島返還を譲ることは絶対にできない。
しかし、「4島を一度に、同時に全て返せ!」と、四島一括返還をロシアに何度訴えたところで、実際に島が帰ってくることはない。外交には相手がある。日本側の主張だけが全て通ることはない。四島一括返還論という空想的返還論を叫んでも、この問題は動かないのだ。
私は、どうしたら北方領土交渉が動くか、4島が日本に返ってくるかを現実的に考え、橋本、小渕、森歴代首相の指示を受け、日本政府の方針に従い、ロシアとの交渉にあたってきたのである。その方法の一つとして、歯舞、色丹の2島については、1956年の日ソ共同宣言に基づき、具体的な返還の時期を協議する、国後、択捉の残り2島についても継続的に協議をし、日本への返還を目指すという、いわゆる「2+2」の方式だ。これが、最も現実的に4島の返還を実現させる近道であると私は考える。歯舞、色丹の2島が先に返ってきたとしても、それで終わりではないのだ。
今日の記事には、「そこには以前の鈴木氏が主導した、いわゆる『2島先行返還』論がちらつく。」とあるが、私が私の独断で、政府方針を無視して勝手にロシアと交渉することなどできる訳がない。読者に誤解を与えかねない表現は避けて戴きたい。産経新聞に問いたい。四島一括返還を訴えて、実際に領土交渉は動いたのですか、と。小泉政権以後、安倍、福田、麻生と、北方領土問題について不勉強な首相、外相が誕生し、この問題はどうなったか。何か具体的な進展があったか。11日の外交アカデミーで、ここ数年の日ロ関係を「空白の10年」と表現したが、領土問題は後退することはあっても前進はなかったのである。また今日の記事には、「『露の名誉が大切』」との見出しで、
「ソ連が日ソ中立条約を侵犯して日本を攻撃したという点だけを取り上げ、激しく非難する人々がいる」
鈴木氏は露外交アカデミーで講演し、こうした立場を批判したうえで、「政治家の使命は現実的な交渉をし、結果を出すことだ」「領土交渉ではロシアの名誉と尊厳が守られることが大切だ」と強調した。
とある。あたかも、「鈴木は日本の側ではなくロシアの側に立つ親ロシアの政治家だ」と言わんばかりだ。
私が講演でどの様に述べているか。17日付ムネオ日記を見て戴ければすぐわかる。
私は講演では、次の様に述べている。
ソ連が対独戦争に勝利する上で日本は大きな役割を果たした。当時、日本はナチス率いるドイツと軍事同盟を締結していたが、同時にソ連とも中立条約を締結していた。中立条約とは、仮に、ソ連がどこかの国と戦争を始めても、日本は中立を保つ、また、逆に日本が戦争を始めても、ソ連は中立を保つということをお互いに約束したものである。当時、ヒトラーは日本に対し、ドイツとの軍事同盟を優先し、ソ連を攻撃するように何度も要請した。しかし、日本はそれをはねのけた。仮に日本が別の選択をしていたのなら、歴史は変わっていたであろう。日本の選択は正しかった。なぜなら、ファシズムは全く間違っていたからである。ヒトラー率いるナチスの悪行は言語に絶する。
(中略)
北方領土問題に関しても、当時ソ連が中立条約を侵して日本を攻撃した点だけを取り上げ、ロシアを激しく非難する人達がいる。しかし、そのような歴史認識に対しては、日本はナチス・ドイツの同盟国ではなかったのか、ソ連は英国や米国との約束を守って日本を攻撃したのである、ソ連のみが責められる筋合いのものではないとのロシア側からの反論を招いてしまう。このような議論は歴史専門家に任せるべきであり、我々は大きな歴史の中で、ファシズムが打倒され、ドイツも日本も、自由と民主主義を基本とする国家となったことに目を向けることが重要であると考える。
(中略)
自分(鈴木委員長)は、日本の愛国者であり、それゆえ日本の名誉と尊厳を大切にする。同時にロシアの名誉と尊厳も尊重する。それは、ロシアの愛国者の気持ちが分かるからである。ロシアの名誉と尊厳が守られることは極めて重要であり、ロシアの名誉と尊厳を毀損する形での北方領土問題の解決はあり得ないと考えてきたし、今でもそのように考えている。
私は、日本の名誉と尊厳よりも、ロシアの名誉と尊厳の方が大切だなどとは言っていない。日本の愛国者、政治家として、何よりも守るべきものは日本の名誉と尊厳である。同時に、ロシアの愛国者もロシアの名誉と尊厳を守りたいと考える。このことは、日本の愛国者として理解できる。私はこう述べたのだ。
外交には相手がある。自分の主張、理屈だけを100%通そうとするのは、もはや外交ではない。互いの名誉と尊厳を尊重しあい、互いに信頼関係を築いて初めて互いの問題を解決できるのだ。
26日の日記を読んで下さった読者の皆さんには、この私の主張は良くおわかり戴けることと思う。
他のどの新聞より「国益」を主張する産経新聞である。私の批判をすることは構わないが、批判をするなら、真実、事実を正しく踏まえた上でして戴きたい。そうでなくては、日本の国益が損なわれてしまう。
福島瑞穂消費者・少子化担当大臣が罷免された。鳩山首相は賢明な判断をされたと思う。
内閣の一員である以上、閣僚は総理の判断に従うべきである。一政治家が物を言うのと訳が違う。福島氏が一政治家としての姿勢、主張をするのであれば、自ら辞表を提出した方が理解を得られたのではないか。
「県外」を主張する福島氏の気持ちは良くわかる。沖縄の人も喜ぶフレーズだ。しかしそれならば、福島氏は、県外のどこかの場所を特定し、自ら話をつけ、「総理、ここに話をつけましたので、ここで検討して下さい」と持ちかけるべきだった。それが責任ある政治家の姿ではないか。
評論家宜しく「ケンガイ、ケンガイ」と叫ぶだけで、結果を出せなかったところに今回の不幸な事態がある。
大変残念な出来事ではあるが、これを機に、鳩山首相は堂々とリーダーシップを発揮すべきである。いや、やってくれることを期待する声は強い。
週明け以降、緊張感を持って臨んでいきたい。
◎
本日提出した質問主意書2件
・
№176 厚生労働省の郵便制度悪用・文書偽造事件に係る検察官の取調べに関する質問主意書
・
№177 いわゆる袴田事件に関する第3回質問主意書
○
本日受領した政府答弁書6件
・
№160 タイで日本人カメラマンが銃撃された件に関する再質問主意書
・
№161 2010年5月15日の日中外相会談に関する質問主意書
・
№162 検察庁による定例記者会見の開放に関する再質問主意書
・
№163 いわゆる袴田事件に関する再質問主意書
・
№164 総務省の勧告を受けての外務省在外公館の見直しに関する再質問主意書
・
№165 かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされる裏金組織「ルーブル委員会」に係る外務省元官房長の発言に関する第3回質問主意書
※ 質問主意書の内容は下記の衆議院HPでご覧頂けます。
衆議院ホームページ
鈴 木 宗 男
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新党 大地
鈴木宗男 オフィシャルページ
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2010年5月28日(金)
26日水曜日の日記で、外交情報誌『インサイドライン』に「波紋を呼んだ『3.5島論』の急浮上に『ムネオ』の存在」との見出し記事が掲載されていることについて触れたが、今日の10時41分に配信された産経新聞インターネット版も、同じ様な趣旨の記事を掲載している。
「【Russia Watch】領土交渉 水面下で『2島先行』論」という見出しで、5月11日のロシア外交アカデミーでの私の講演について触れたものだ。以下、その内容をご紹介したい。
【Russia Watch】領土交渉 水面下で「2島先行」論
2010.5.28 10:41
かつて対ロシア「二元外交」を批判された新党大地の鈴木宗男代表(62)が5月10~13日、衆院外務委員長として訪露し、政界関係者らと北方領土問題などを協議した。一連のスキャンダルで逮捕・起訴されて以降、8年ぶりに対露外交の封印を解いた形だ。そこには以前の鈴木氏が主導した、いわゆる「2島先行返還」論がちらつく。
■「露の名誉が大切」
「ソ連が日ソ中立条約を侵犯して日本を攻撃したという点だけを取り上げ、激しく非難する人々がいる」
鈴木氏は露外交アカデミーで講演し、こうした立場を批判したうえで、「政治家の使命は現実的な交渉をし、結果を出すことだ」「領土交渉ではロシアの名誉と尊厳が守られることが大切だ」と強調した。
さらに、鳩山政権が領土交渉の基礎と考える文書として、(1)平和条約締結後の歯舞(ほぼまい)、色丹(しこたん)両島の引き渡しを定めた日ソ共同宣言(1956年)、(2)択捉(えとろふ)、国後(くなしり)を含めた4島が係争地域であることを認め、「法と正義」の原則で交渉するとした東京宣言(93年)、(3)両宣言を明示的に確認したイルクーツク声明(2001年)-を挙げた。 鈴木氏の戦術は、(3)のイルクーツク声明を含んだことに見てとれる。声明は「色丹、歯舞両島の返還にはロシアも同意している。焦点は残る2島だ」という日本側の意図を反映して策定されたからだ。これは「歯舞、色丹両島の返還時期や態様」と「残る2島の帰属問題」を合わせて協議する「2島先行返還」や「同時並行協議」論者が拠(よ)って立つ文書といえる。
(中略)
■「4島返還の放棄を」
「日ソ共同宣言は平和条約の締結と2島の引き渡しで問題を終わらせると明記した文書であり、東京宣言とは全く両立しない」。露科学アカデミー日本研究センターのビクトル・パブリチェンコ上級研究員は「両国が批准し、外交条約の手続きを経た日ソ共同宣言と、意思表明のプロトコールにすぎない東京宣言やイルクーツク声明では重みが違う」とも語り、「2島先行返還論は失敗を運命づけられている」と断じる。
さらに、「議論に足る解決策は、日本が完全に『4島』の主張を放棄し、日ソ共同宣言に立ち返ることだけだ」と政権の立場を代弁する。
日露間では年内に3度の首脳会談が予定され、日本外交筋は「領土交渉の活発化」を期待する。だが、セルゲイ・ラブロフ外相(60)が最近、「北方領土問題に関するいかなる対話も日本が第二次大戦の結果を認めることから始まる」と述べたように、ロシア側の態度はむしろ硬化しているのが現実だ。
鈴木氏は滞在中、「鳩山首相に4島の旗を降ろす気持ちはない」と言明する一方、「現実的な外交」の必要性を訴えた。その目指す 着地点は、まだ見えない。
(モスクワ支局 遠藤良介/SANKEI EXPRESS)
いかにも産経新聞らしい論調である。
まずタイトルにもある「2島先行」という言葉だが、何度も言っている様に、私は歯舞、色丹、国後、択捉の4島を返してもらうという「4島返還」の旗を降ろしたことは未だかつて一度もない。ロシアとの交渉において、「2島だけで良い」、「2島の返還をもって日ロ平和条約を締結し、北方領土問題を最終的に解決しよう」などの主張をしたこともない。4島は日本の領土であり、4島返還を譲ることは絶対にできない。
しかし、「4島を一度に、同時に全て返せ!」と、四島一括返還をロシアに何度訴えたところで、実際に島が帰ってくることはない。外交には相手がある。日本側の主張だけが全て通ることはない。四島一括返還論という空想的返還論を叫んでも、この問題は動かないのだ。
私は、どうしたら北方領土交渉が動くか、4島が日本に返ってくるかを現実的に考え、橋本、小渕、森歴代首相の指示を受け、日本政府の方針に従い、ロシアとの交渉にあたってきたのである。その方法の一つとして、歯舞、色丹の2島については、1956年の日ソ共同宣言に基づき、具体的な返還の時期を協議する、国後、択捉の残り2島についても継続的に協議をし、日本への返還を目指すという、いわゆる「2+2」の方式だ。これが、最も現実的に4島の返還を実現させる近道であると私は考える。歯舞、色丹の2島が先に返ってきたとしても、それで終わりではないのだ。
今日の記事には、「そこには以前の鈴木氏が主導した、いわゆる『2島先行返還』論がちらつく。」とあるが、私が私の独断で、政府方針を無視して勝手にロシアと交渉することなどできる訳がない。読者に誤解を与えかねない表現は避けて戴きたい。産経新聞に問いたい。四島一括返還を訴えて、実際に領土交渉は動いたのですか、と。小泉政権以後、安倍、福田、麻生と、北方領土問題について不勉強な首相、外相が誕生し、この問題はどうなったか。何か具体的な進展があったか。11日の外交アカデミーで、ここ数年の日ロ関係を「空白の10年」と表現したが、領土問題は後退することはあっても前進はなかったのである。また今日の記事には、「『露の名誉が大切』」との見出しで、
「ソ連が日ソ中立条約を侵犯して日本を攻撃したという点だけを取り上げ、激しく非難する人々がいる」
鈴木氏は露外交アカデミーで講演し、こうした立場を批判したうえで、「政治家の使命は現実的な交渉をし、結果を出すことだ」「領土交渉ではロシアの名誉と尊厳が守られることが大切だ」と強調した。
とある。あたかも、「鈴木は日本の側ではなくロシアの側に立つ親ロシアの政治家だ」と言わんばかりだ。
私が講演でどの様に述べているか。17日付ムネオ日記を見て戴ければすぐわかる。
私は講演では、次の様に述べている。
ソ連が対独戦争に勝利する上で日本は大きな役割を果たした。当時、日本はナチス率いるドイツと軍事同盟を締結していたが、同時にソ連とも中立条約を締結していた。中立条約とは、仮に、ソ連がどこかの国と戦争を始めても、日本は中立を保つ、また、逆に日本が戦争を始めても、ソ連は中立を保つということをお互いに約束したものである。当時、ヒトラーは日本に対し、ドイツとの軍事同盟を優先し、ソ連を攻撃するように何度も要請した。しかし、日本はそれをはねのけた。仮に日本が別の選択をしていたのなら、歴史は変わっていたであろう。日本の選択は正しかった。なぜなら、ファシズムは全く間違っていたからである。ヒトラー率いるナチスの悪行は言語に絶する。
(中略)
北方領土問題に関しても、当時ソ連が中立条約を侵して日本を攻撃した点だけを取り上げ、ロシアを激しく非難する人達がいる。しかし、そのような歴史認識に対しては、日本はナチス・ドイツの同盟国ではなかったのか、ソ連は英国や米国との約束を守って日本を攻撃したのである、ソ連のみが責められる筋合いのものではないとのロシア側からの反論を招いてしまう。このような議論は歴史専門家に任せるべきであり、我々は大きな歴史の中で、ファシズムが打倒され、ドイツも日本も、自由と民主主義を基本とする国家となったことに目を向けることが重要であると考える。
(中略)
自分(鈴木委員長)は、日本の愛国者であり、それゆえ日本の名誉と尊厳を大切にする。同時にロシアの名誉と尊厳も尊重する。それは、ロシアの愛国者の気持ちが分かるからである。ロシアの名誉と尊厳が守られることは極めて重要であり、ロシアの名誉と尊厳を毀損する形での北方領土問題の解決はあり得ないと考えてきたし、今でもそのように考えている。
私は、日本の名誉と尊厳よりも、ロシアの名誉と尊厳の方が大切だなどとは言っていない。日本の愛国者、政治家として、何よりも守るべきものは日本の名誉と尊厳である。同時に、ロシアの愛国者もロシアの名誉と尊厳を守りたいと考える。このことは、日本の愛国者として理解できる。私はこう述べたのだ。
外交には相手がある。自分の主張、理屈だけを100%通そうとするのは、もはや外交ではない。互いの名誉と尊厳を尊重しあい、互いに信頼関係を築いて初めて互いの問題を解決できるのだ。
26日の日記を読んで下さった読者の皆さんには、この私の主張は良くおわかり戴けることと思う。
他のどの新聞より「国益」を主張する産経新聞である。私の批判をすることは構わないが、批判をするなら、真実、事実を正しく踏まえた上でして戴きたい。そうでなくては、日本の国益が損なわれてしまう。
福島瑞穂消費者・少子化担当大臣が罷免された。鳩山首相は賢明な判断をされたと思う。
内閣の一員である以上、閣僚は総理の判断に従うべきである。一政治家が物を言うのと訳が違う。福島氏が一政治家としての姿勢、主張をするのであれば、自ら辞表を提出した方が理解を得られたのではないか。
「県外」を主張する福島氏の気持ちは良くわかる。沖縄の人も喜ぶフレーズだ。しかしそれならば、福島氏は、県外のどこかの場所を特定し、自ら話をつけ、「総理、ここに話をつけましたので、ここで検討して下さい」と持ちかけるべきだった。それが責任ある政治家の姿ではないか。
評論家宜しく「ケンガイ、ケンガイ」と叫ぶだけで、結果を出せなかったところに今回の不幸な事態がある。
大変残念な出来事ではあるが、これを機に、鳩山首相は堂々とリーダーシップを発揮すべきである。いや、やってくれることを期待する声は強い。
週明け以降、緊張感を持って臨んでいきたい。
◎
本日提出した質問主意書2件
・
№176 厚生労働省の郵便制度悪用・文書偽造事件に係る検察官の取調べに関する質問主意書
・
№177 いわゆる袴田事件に関する第3回質問主意書
○
本日受領した政府答弁書6件
・
№160 タイで日本人カメラマンが銃撃された件に関する再質問主意書
・
№161 2010年5月15日の日中外相会談に関する質問主意書
・
№162 検察庁による定例記者会見の開放に関する再質問主意書
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№163 いわゆる袴田事件に関する再質問主意書
・
№164 総務省の勧告を受けての外務省在外公館の見直しに関する再質問主意書
・
№165 かつて在モスクワ日本国大使館に存在していたとされる裏金組織「ルーブル委員会」に係る外務省元官房長の発言に関する第3回質問主意書
※ 質問主意書の内容は下記の衆議院HPでご覧頂けます。
衆議院ホームページ
鈴 木 宗 男
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新党 大地
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