悪王子社と祇園祭
悪王子社は素戔嗚尊を祀る八坂神社の摂社で、天延2年(974)東洞院四条下る西側に建立されました。古事記日本書紀に出雲国肥河の川上で八岐大蛇を退治した素戔嗚尊を讃え、悪王子の称号を賜り、運命を切り開く若き勇猛心の御魂を荒御魂と申しお祀りしています。当時は、第64代円融天皇の御代で、平将門の乱(935) 藤原純友の乱(939)等地方の国々が乱れ、その犠牲者の祟りで疫病や災害が起こると考えられていました。その怨霊を鎮めるため祇園御霊会が行われ、東洞院四条の辻で四方に斎竹を立て注連縄を曳き渡しこの辻より巡行の列を作ったと祇園会起源にあり、これが祇園祭の始まりです。それが豊臣秀吉の命で烏丸五条に移され、この地を元悪王子町、、移転地を悪王子町と呼ばれるようになりました。悪王子社は明治10年より現在の八坂神社境内に鎮座されていますが、当町内であるのが本当で、土地所有者の御好意で平成10年4月悪王子社の分霊を頂きここにお祀りすることができました。
平成10年4月吉日 元悪王子町
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