台南・ダイアリー

台湾の台南市で3年、新竹市で2年駐在して、色々な所へ行ったり美味しいものを食べたりしました。

阿瑞意麺-台南出来的伊府麺

2005年01月14日 | うまいもの


今日は、
今年になってから ずっと書いている ” 意麺 ” のシリーズの 3回目で
国華街 に面して、民生路 と中正路 にはさまれた マーケットの中にある、
” 阿瑞意麺 ” を紹介する。

ここは、台南小吃 のミセの中でも、前に紹介した
 ” 阿龍意麺 ” と並ぶ有名店で、 既に 82年の歴史がある。
上に写っているのは、代々 このミセをやっている
葉家の 4代目当主の 葉南延 さんだ。

左下の写真が、オレの食った
” 乾麺 ( ガンメン、スープがなくて タレがかかった麺 ) ” だ。
これを、最初に食った時には、
それまで 全く食ったことが 無いタイプの 麺だったので、
自分の中でも、ウマイとか マズイとかの 判定が できなかったもんだ。

何でかっていうと ” 阿瑞意麵 ” の ” 乾麺 ” は
一般的にオレが、 ” ウマイ麺類の条件 ” と考えている
” 麺は、コシがあって、そのものの味がいい ”
っていうことと
” タレやスープは、ダシが効いていて、パンチがある ”
っていうことの、全く逆の性質を  ” おいしさ ” にしている
全然、今まで食ったのと 違う麺だったからだ。



麺は 揚げ麺を ゆでたものなので、
まぎれもなく ” 進福意麺 ” なんかと同じ、
” 伊府麺 ( 広東省の揚げ麺 ) ” の仲間だが
そのテクスチュアは、バリバリではなく、フニャフニャでもない。
すごく ソフトで、ふっくらしていて、まるでケーキのスポンジ みたいだ。
麺自体の味も、無味とも思えるくらい、あっさりしている。
油で 揚げたものの風味は 全く無い。

右上は、ゆでる前の 麺の写真だが、
みてわかるとおり、他のミセの ” 伊府麺/広東式意麺 ” とは全然違う。
形は、断面が 丸くて太く、色が白い。
さわってみると、ゆでる前の揚げ麺なのに ふわふわとやわらかい。
台中産の 良い強力粉を アヒルの卵だけで ねった麺だそうだが
実際のところの製法は、とても想像がつかない。

タレは、くどくならないように、
骨つき肉を使わず、里肌肉 ( 肩ロース ) からダシをとっていて、
写真で、麺の上の ひき肉のように見える 茶色のツブツブも
実は、肉じゃなく、アヒルの卵の 白身の部分を 砕いたもので、
味わいはとても淡い。

今では、オレはここの麺の大ファンだが、
この位特殊なものだと、最初に来たとき、
「 何か変わったものだなー。 」
としか 感じなかった気持ちも 我ながら当然と思う。
( ミセの構えが気取らないことも、
  こういう上品な味わいを 判りづらくしているかもしれなかった。 )


一般的にこういう、麺そのものを 売りものにしている ミセでは、
麺を ” 乾麺 ” で味わって、” 湯 ( タン、スープ ) ” の方は、
餛飩 (ウントゥン、わんたん ) とか 貢丸 ( コンワン、肉のつみれ )
などの具が 入ったものを 別に頼むのが 普通の食い方だ。

この写真をとった時 オレは、
そんなに腹が へっていなかったので 乾麺だけを 注文したが、
ちゃんと 清湯 ( チンタン、具無しスープ ) もついてきた。
これは、昔からあるミセに共通の お約束で、
乾麺 だけを頼む 貧乏な( ? )客には、
特に 注文をしなくても、この 清湯が 付いてくることに なっているんだ。
小さいことだが、うれしくなるサービスだ。
( だって、乾麺一杯だけだと25円なんだよ! )


蛇足だが、もしこのミセに行く機会があったら、
当代が 麺を作る様子を よく見てくれ。
一杯一杯に どんなに真剣に 集中しているかが よくわかるから。
( もう一回 一番上の オレの下手くそな 写真をみてくれ! )
その迫力は、
有名になって、価格をどんどん上げて、
地元客が全く来なくなった、観光客だけの店内で、
食べ物のミセなのに化粧が濃い 中年のおばさんが
おしゃべりしながら 座ったままで作っているような
超有名 ” 担仔麺 ” 店なんかとは、全然無縁のものだ。


最後に、
上で、このミセのことを ” 創業82年 ” と書いたが、
実は、こういう特殊な麺を 作り始めたのは 35年前位からだ。
二代目までは、一般的な 福州意麺 の専売店だったものを
三代目の 葉瑞文 さんが 工夫の末に 今の麺を 考案して、
それからだんだんと、有名店になったんだ。
だから、今回のタイトルを ” 台南出来的伊府麺 ” としたが
本当は、単に ” 揚げてある ” という理由だけで、
このミセの麺を ” 伊府麺 ”と呼ぶことはできない。

それは、
ここで 売っているものが、紛れもなく、
この地方独特の麺文化が、工夫して生み出した、おいしいものを
驕らず、安く、こつこつと、提供し続ける、
” 意麺 ”
そのものだと、オレは思うからだ。


日曜日のヒット数 - 257
月曜日のヒット数 - 333
一昨昨日のヒット数 - 391
一昨日のヒット数 - 336
昨日のヒット数 - 421


月曜日は、練習は休みでした。
火曜日は、前の日が、夜遅かったので練習は休みでした。
水曜日は、ウェイトと30分JOGをしました。
昨日と今日は、感冒で熱がでてしまい、練習しませんでした。