描きたいキモチ

数字が大好きなコナン。
年少の終わりくらいから、レゴブロックで1から順に数字を作って、とねだるようになり、
ワタクシは毎日レゴブロックで数字を作っていました。
「自分で作ったら～」と言っても、そこは不器用なのに完璧主義のコナン。
ちゃんとしたモノを作れないことは自分が一番よく分かっていますから、
自分で作ろうとはしません

そのうち、紙と鉛筆を持ってきて「書いて～」と言うようになりました。
コナンに言われるがまま、数字を書く毎日が続くのですが、そのうち、ワタクシ
面倒くさくなってきました
「自分で書いてくれたら、ワタクシもラクになるし、コナンも自分で書く楽しさを
知ってくれたらなぁ・・・」

そんな時、たまたま受けた勉強会で（発達障碍関係ではありません）、講師の方が
「よく子どもが絵を描かないんです、と相談に来られるんだけれど、
大人は子供に完璧な絵を描くことを望むんです。それが子供なりに分かっているから
子供も絵を描きたがらない。
『自分の顔を描きましょう』と言われて、輪郭、目、鼻、口、耳、髪を描いて
やっと『描いた』ことになる。
これじゃ、絵の苦手な子供には苦痛以外の何物でもありません。
目だけでもいいじゃないですか　輪郭だけでもいいじゃないですか
それで、ＯＫ なんです。目だけ描いたら『よく描けたね』と
褒めてあげてください。」
と言うようなことをおっしゃっていて、ワタクシ、目からウロコ状態。

今、持ってる能力を使って書けばいいんだ

当時のコナンは○（マル）と―（棒）しか書けませんでした。
いつものように、「書いて～」と紙と鉛筆を持ってきたコナンにワタクシ、言ってみました。
「コナンな～。○と―が書けるやろう？○と―で数字が書けるねん
○１個で０。―を縦に書いたら、１。
○を書いて、その横の上に｜縦に棒を書き足すと６に見えるやろう？
で、今度は○の横の下に｜を書き足すと９に見えるやん
で、○を２個上と下にくっつけると、８になるんだねぇ
ほぉ～ら、これでコナンにも数字が書ける～」
コナン、おぉ～っと目を見開き、夢中で○と―で数字を書き始めました。

しめしめ・・・　コレで毎日の数字書きから解放される
と心の中でほくそえんでいたワタクシです
○と―で数字を書くうちに、なぜか２、３、５も書けるようになり、あんなカーブが
付いている数字が書けるなら、６、８、９なんかもちゃんと書けそうなものですが、
最初にクセをつけてしまったためか、○と―を用いて書いていました。
だいぶ数字書きに慣れてきてから、数字の練習帳を買って、書き順を教え、なんとかクリア。
一番苦労したのが、４
―と｜を交差させるのが難しいのです
４を書くために、２人でぎゃあぎゃあ口論になりました。
で、練習帳の４のページを開き、先に∠の部分を書かせ、｜が入るところ以外は
両手の指で押さえて隠して、
「コナン、ここに｜を書いてみぃ　大丈夫や　線が交差したからって
誰も死にゃせんわいっ　お母さんを信じてやってみなさいっ」
コナン、泣きながら、ワタクシの指と指の間に鉛筆を通していきました。
（いったい、どんだけ騒ぐねんというくらいの大騒ぎでした）
そして、ワタクシが紙から指を外すと・・・
おぉっ　４が出来てるぅ～
コナン、どんぐり眼（爆）
それからは難なく４を書くようになりました。

こうして、数字が書けるようになったコナン
・・・がっ　そうなるとコナンワールドに突入で、明けても暮れても
数字ばかり・・・
これはと思って今度は
「大きな○を書くやん？　で、数字をこうやって１～１２まで書いて、真ん中から
｜を２本書くと・・・時計になるねん」
と教えたら、おぉっとなったのですが、今度は延々時計ばかり・・・

もっと、書くことの興味を広げていって欲しいなぁ・・・と思っても広がっていきません。

そのうち、鉄っちゃんコナン。を描いてと言うようになってきました。
コナン、□（四角）が描けないのです。
難しいんですよ、四角は
始点から始まって、勢いのついた鉛筆を一回止めて、止めた位置から違う方向にまっすぐ―を描く・・・。
手の動きがずっと同じではないので、コナンのような不器用さんには難しいのです
で、これまたダメもとで・・・。
「コナンは○が描けるやん？で、横に長～い○描いて、その下に小さい○を２つ書いたら・・・何に見える？」
『でんしゃ』
「そうやなぁ　電車や　と言うことは、コナンにも が描ける、ということや」
完璧主義のコナンに「これは電車じゃないっ」と言われたらどうしようかと
思ったのですが、まんまと騙されてくれました

こうして、コナンなりの電車も描けるようになったのですが・・・。
年中さんの終わりに一年間の作品を持って帰ってきた時に中を見てビックリ
全て同じ電車の絵・・・
やっぱり、３次元のものを２次元に直すのは難しいんですねぇ

でも、やっぱり、数字が書けるようになったのも、電車が描けるようになったのも、
コナン本人に描きたい気持ちが育ったからこそ、です。
でなければ、ワタクシの子供だましのような書き方では納得しなかったと思います。

ちなみに、やっぱりコナンは今でも絵がニガテ
図工の時間でも書きたがらないそうです。
そして、コナンの絵には人物が出てきません。
人とコミュニケーションを取る力が弱いコナン。人と目を合わせることがあまりないコナン。
人に目が向かないから、人物をどう書いていいのか、分からないのかもしれません
今は、ひたすら、路線図と日本地図とスカイラインを描いているコナンです








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