両手は仲良し(1)

2021-05-01 09:44:18 | 童話
重たい物を持つ時は両手で持つよね。
それと、手を洗う時は両手でゴシゴシと洗うよね。
だから両手はすごく仲良しなんだよ。

だけれど、ある日、2個の荷物を持つ時に、僕の右手が左手に言いました。
『左手君はいいなぁ、いつも重たい方は、僕が持たされるんだ。』
左手が『僕も時々、重たい方を持ってるよ。僕は右手君のように力持ちでないから仕方ないよ。』
『力持ちでなくても、僕と同じくらい重たい方を持ってくれればいいじゃないか。』と言いました。
『左手君とは、もう遊ばないよ。』
『僕も右手君とは、もう遊ばないよ。』
こうして、右手と左手はケンカをしてしまって、いろいろな事を一緒にやらなくなってしまいました。

学校の発表会の時に、先生から
『他の生徒が良い発表をした時は両手で拍手をしましよう。』
と注意をされました。
そして、お母さんから
『外から帰ってきた時と、ご飯やオヤツを食べる時は、両手でゴシゴシとよく洗いなさい。』
と注意されました。
夜お風呂に入る時に、うまくズボンを脱ぐ事ができなくて、お母さんから
『早くしなさい。』
と注意され、お風呂から出てパジャマを着ようとしましたがうまくできずに、またお母さんから
『早くしなさい。』
と注意されました。
僕がお母さんと出掛ける時に、玄関でクツのヒモを結んでいましたが、両手が協力しないので、ヒモがうまく結べませんでした。すると、お母さんから
『出掛けるのだから、早くしなさい。』
と注意されました。