タヌキとキツネと人間と(3)

2021-05-14 09:50:51 | 童話
別な暑い日に、森のタヌキがお寺の近くにあるお店にアイスクリームを買いにやって来て、アイスクリームの値段を調べました。
「1個110円か、キツネに1個あげるから、2個で220円だね。」
そして、タヌキはお店の外に出て、左手に小さな石を4個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が2個になりました。
「ここに220円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。」
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。こうして、タヌキとキツネは仲良く美味しいアイスクリームを食べました。

タヌキが
「もう1本食べたいね。」
というと、キツネが
「今度は僕が買ってくるよ。」
と言って、また左手に小さな石を4個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が2個になりました。
「ここに220円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。」
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。そして、キツネはタヌキの所に帰って、2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、2本のアイスクリームは木の枝になっていました。
キツネが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、タヌキが
「僕の時はちゃんとアイスクリームをくれたよ。」
と言いました。