石の飛行機(1)

2021-05-18 09:08:58 | 童話
小学生の僕は乗り物が大好きだ。
自動車、電車、船、飛行機、全部好きだ。
自動車に乗れば、助手席で運転している様子をずっと見ている。
電車では、一番前の車両に行き、運転手さんのスピードを上げる方法や、ブレーキを掛ける方法を真剣に見ている。
児童公園に置いてある蒸気機関車や電車や消防自動車の運転席で運転手になっている。
しかし、飛行機は僕の住んでいる町の近くの公園に無いし、本物は操縦席に入れない。
僕は、今は写真を見て操縦を想像して楽しんでいる。

ある日曜日に、僕は自転車で近くの大きな川に行き、石を並べて飛行機を書いた。そして、操縦席に座りエンジンをかけた。ブルブルブルブル、エンジンがかかったので、次はスラストレバーを引いた。ブ~~ン、とプロペラが高速で回転し始めた。そして、車輪のブレーキを戻すと機体が走り始めた。どんどんスピードが上がってきたので操縦かんを引くと機体がフワッと浮いた。やった、離陸したのだ。あとは上空に向って一直線。

離陸に成功したので、今日はもう帰ることにして自転車に乗った。