両手は仲良し(2)

2018-05-15 05:47:07 | 童話
それと、お家でご飯を食べている時に
『右手でおはしを持って、左手でちゃわんを持って食べないとダメだよ。』
と、お父さんに注意されました。

ある日、家の中で、隣りの部屋にいるお父さんから、大きな段ボールの箱をお父さんの所に持ってきてほしいと頼まれました。
からっぽの箱で軽いのですが大きいので、両手で持って歩いている時に左手が、
『右手君と一緒に持つのはイヤだ。』
と言って左手を放しました。そして、段ボール箱が落ちてしまったので、お父さんから
『ちゃんと両手で持たないとダメだよ。』
と注意されました。

学校の体操の時間に鉄棒をしました。これは両手でやらないとできない事なので、僕は困りました。
『右手君が鉄棒をつかむのなら、僕は鉄棒をつかまないよ。』
と左手が言うと、右手が
『左手君が鉄棒をつかむのなら、僕は鉄棒をつかむのはイヤだよ。』
と言いました。
その時、
『両手で鉄棒をつかまないと鉄棒はできないよ。』
と、先生に注意されました。

次の日の体操の時間に跳び箱をしましたが、その時も、
『両手を跳び箱につけないと、うまく跳べないよ。』
と、また先生に注意されました。

体育の時間になわとびをしましたが、両手が協力しないので、なわをうまく回すことができませんでした。すると友達が
『ちゃんとなわとびできていたのに、へたくそになったね。』
と言いました。