昨日まではいい天気だったから畑仕事の合間、畦に座り周りを見渡すと空にヒラヒ
ラと鯉のぼりが目に入った。この辺りは旧に行う風習があるから6月5日を中心にし
て鯉のぼりがあげられる。だから、この鯉のぼりは都会の鯉かもしれない。
新緑に染まりつつある山に今、彩を添えているのが藤の花。これらは何れも自生の
もので周囲の木々よりも高くならないと陽が当たらないから、必死に背比べをしなが
ら大きくなったもので、中には蔓の幅が30㌢を超すものも珍しくない。
人手が入ったものでも肥料を与えられることもないのに見事な花をつけている。こう
した藤はこの周辺ではいたる所で見ることができる。
そして、別の紫があると思ったら今は見かけなくなった桐の花だ。これも可憐な花を
咲かせ藤に負けじと輝いている。昔は女の子が生まれると将来の花嫁道具、桐箪笥
のために桐の木を植えた。桐は20年で立派に成長するのかどうか知らないが、日本
産のものだから、さぞかしいい材料がとれたことだろう。桐の木は灰汁が強く1年くら
いかけて水に漬けたりして灰汁抜きをしないと、濃く汚い紫色のシミが出て使い物に
ならない。近年は桐材も中国からの輸入。
無粋なことは忘れて、藤色の山を眺めしばし和むことができた。
真ん中の紫が桐の花
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます