食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『12月21日、内視鏡検査(1回目)、食道に潰瘍』

2016年02月14日 18時10分02秒 | 日記

この日に辿りつくまでの日々は『SCC検査でも大きな異常はなかったし、体調の変化もなかったことだから癌の再発

はあり得ない』『SCCなどは傾向をみるものだから直接の判断材料にはなりえない』

都合のいい方向に誘導しようとすると振り子が何かの拍子で逆の方に振られてしまう。行ったり来たりの繰り返し、

その間に決心していた楽にカメラを呑むとの方針にも不安がのしかかり、頭の中は羊が駆け巡る。するといつもの

『何があっても、這い上がり、プラス思考で行くぞ』と隊長の号令がかかり『前向きSW』がオンになる。

内視鏡検査の受付はいつも通っている消化器外科のすぐ横の方にある。内視鏡検査に対するリスク受け入れの承諾

書を提出はいつもの通り。名前を呼ばれゼリー状の喉痺れ薬、造影剤のような注射を打ち準備は『整いました』

暫くしてから診察台に行き、横向きになり膝を曲げて『思い切り力を抜く』を励行。

『始めます』の掛け声がありカメラが喉の方に入れられる。『力を抜く』

すると、カメラはスルスルと入って行ったようだ。ここから大事なことは時間と共に抜いたはずの力が後戻りしてくること

に注意しなければならない。気を抜くと肩にその兆候が表れてくるから『力を抜いて』

暫くすると専門用語の中に『ルゴール』が聞き取れた。食道がんを診断する薬で癌があると反応するものらしいが、詳

しくは知らないし調べていない。『何か悪いものでも見つかったのか、単なる検査なのか』

また暫くすると『組織採取らしき言葉』があり、それらしき操作があったように感じた。『どうやら、何か見つかり生体検査

されるようだ』くらいの察しはついた。

喉の方が多少、きつく感じるようになったが『力抜き作戦』は功を奏し苦しくて我慢できない状態にはなく、以前の事を

思えば楽勝ものといってもいい。

『終わりましたよー』と同時にカメラが抜かれ本当に安堵した。

診察台から降り先生の『こちらに』の声につられてディスプレー前の椅子に座る。

『食道に潰瘍があります。検体採取しましたので悪性かどうか検査します。』とあっさりとした説明。やはり何かあったの

だ。『潰瘍』という言葉だったから『腫瘍』とは異なり癌ではないと理解したいし、無理やりにそう思いながら主治医の先

生の判断を仰ぐことにした。

先生にとっても青天霹靂、まさか食道にこんな異変があるとは予測もしていなかったのだから、いい方向に考えることよ

り最悪の道を辿らないような手段を探り出すことが最優先。だから、私の悩みの『潰瘍』『腫瘍』なんてことはどうでもよく、

癌の再発であった場合に思いが行っていた。一度手術をしているから肺や食道などが癒着しており再手術は困難を極

める。もし実施するとしても大学病院のような大きな所であらゆる状況変化に対応できるチームを組む必要がある。そう

した場合でも落命のリスクも伴うかもしれない。

先ほどの内視鏡検査の結果だけで直ぐに今後の対応があるはずはないが先生としては万が一に備える、つまり臨戦モ

ードに入るような雰囲気があり、私もそこに飲み込まれそうになっていた。空元気もどこかに失せて『悪いことは考えない

ようにしよう』と細々とした思考がひっそりといた。

 昨日は後輩の不慮の事故死による告別式、今日は今日で『食道に癌かもしれない』の検査結果は正にクラシックな不

幸の連鎖、天中殺だ。今のところ、振り子は大きく『不安』の方に振り出されている。

『潰瘍』の原因の一つとして胃液の逆流がある。近年は大きな逆流はないものの軽度のものは術後から続いている。胃液

による炎症を防ぐため胃酸抑制の薬を服用することになった。しかし、この薬は潰瘍が治癒するものではなくあくまでも予

防の補助である。

【ここでは食道に腫瘍・潰瘍の表現をしているが癌治療の手術で食道切除、胃との縫合をしている。症状が出ているのは

縫合部のため癌の疑いは胃癌になるのか食道癌になるのか聞いていなかった】


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