空港から市内の昼食会場へは大凡40分くらい、その間に「バンドの夜景を見てから出
発までに時間があるので雑技団観賞を斡旋する」と思いがけない提案があり、上海に
留まる意義をやっと見つけた。市内に入ったが大きな渋滞もなく順調に食事会場に到
着、席について暫くしてから『この前食事した店。あそこの隅で二人用の小さなテーブ
ルで食べた。トイレはこの奥の方』と妻が言う。そう言われれば来たような気もするがはっ
きりとしないからトイレに行って見たもののよく分からなかった。妻の調査結果、前回と同
じと判明。ガイドやパンフレットには「四川料理、小龍包他」とあるが、前回の小龍包は冷
たく固いものが1人1個の配給しかなく、期待をしてはいけないものだ。
案の定、1人1個でただ少しだけ温かったのだけが違っていて、小龍包に期待した人に
は前回同様に失望・落胆がお待ちしていた。「こんなもんだ四川料理」を食べて上海ヒ
ルズの展望台に行くが、雨模様のため上の方は霞がかかりよく見えないから、いくら上っ
ても市内を一望は期待できず。馬鹿と煙は高い所を登りたがると言うが、このビルのすぐ
傍では中国技術の630m級のビルが建設中だった。ドバイには828mのビルがあり想定外
の天災や本当に人の手で安全管理が確保できるのかなど素人目で見ると恐ろしくなって
くる。地面で生きているだけでも多くの天災に遭うのに未知の災いとも闘わなければなら
なくなる可能性があるならば、昔人間と言われてもいいから地面で暮らしたい。空間で生
活できるのは神様と鳥くらいしかいない。
上に上がるだけで1000円くらい必要らしい、折角のツアーだから仕方なく上がった見るも
足元の僅かな視界にある地上の車を見て高さを実感するのみ。
他にすることもないので外を見ながらできるというガイドさんお勧めのトイレに行って見たが、
変哲のないトイレだった。喫茶室に行き食後のコーヒーと洒落て時間を潰す。海外旅行に
来て時間を潰すなんて・・・・
気力のないまま上海ヒルズから豫園商城に移動、1時間ちかくの自由行動でも見たい場
所はないし買いたいものもないから、ここでも時間潰しのフラフラ。有名な小龍包の店頭
にはテイクアウトの人が長蛇の列、食べる人は店内に行けば食べられるらしく、台湾の有
名店『鼎泰豐(ディンタイフォン)』とどちらが美味しいのか比べてみたいところだが、腹に
余裕はなく素通り。フードコートを覗いたり、小鳥の丸焼きや何やら得体の知れないもの
の串刺しを眺めたりする内に集合時間がきた。
次はガイドさんにとってのメインイベント「中国茶の実演販売」、前回買った有名な一葉茶
は殆ど残っているし、台湾の有名ウーロン茶も残っているから、もうお茶を買うことはない。
ものすごく、退屈なお茶の飲み方講習会に参加し見たくもないお茶屋の商品を見せられ、
このままでは帰れないからトイレに行って置き土産をしてきた。
これから少し暗くなるとバンドの夜景見物に行くと言うのに風は強いし雨は降るし、夜景など
どうでもよかった。ここでも義務のように過ごしたくない環境下で時間潰し、やっとお待ちか
ねの中国雑技団の観賞と相成った。ここは観光客だけではなく中国人にも人気があり、中
国語が賑やかだった。出し物について一々の説明は野暮と言うもの。
TVで紹介される自転車やバイクのような動的なものから、力・バランスの静的なものを大凡1
時間半、じっくりと堪能させてくれる。流石の芸に恐れ入るのみ、体操や飛び込みなどで強
いのも、ここの演技を見れば頷ける。それにしても凄い演技に惜しみない拍手と鳥肌が立つ
ような感動を貰い、それまで溜まりに溜まっていた上海ストレスを一気に吹き飛ばしてくれ、
初めて『上海に来て良かった』と思わせた。最後の演技が終わると演技者が総出演のフィナ
ーレがあるそうだが、それを見ると出口混雑、バスの駐車の問題で大変なことに巻き込まれ
るので、その前に会場を後にした。
バスに乗り込み夫々が『凄かった』と口を揃えて言うものだからガイドさんも気を良くしていた。
空港に戻り今度は出国審査を受けてフランクフルトへ12時間もかかる長旅に出発だ。
たったこれだけのものを見るのに1500円くらい必要
明かりも近場しか見えず、遠くはかすんで見える
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