80代位の男性で、温厚でいつも冗談を言うような方だったと思います。
大きな腫瘍が、お腹や顎に盛り上がって、こぶとり爺さんのようになって。
痛みがあまり強くなかったのが良かった。
亡くなった時は、病室には、奥さんと二人でした。
奥さんは、もう覚悟をされていました。
でも、子供さんが遠方から来るので、それまでは・・・と言われました。
医師は、ベットの上に上がり、アンビューマスク(口にマスクをあて、肺に空気を送る)を始めました。
私は、マスクを押えたり、医師と交代したり。
心臓マッサージは、したかどうか記憶にありません。
奥さんは、ベットの足元に腰をかけ、ご主人の思い出を話し始めました。
楽しい話も出て、思わず3人で笑ってしまうこともありました。
何とも、不思議な時間でした。
いいご夫婦だなとか、充分看病されたんだなとか思いました。
今思えば、そんなに単純ではないのでしょうが。
そんな風に最期を迎えること、誰かを見送ることは、なかなかできないことです。
お二人それぞれが、自分の人生をしっかり生きられたのだなあと思います。
そして、そんな場面にいられたことに感謝しています。