不思議な時間…穏やかな看取り

2014-12-21 18:56:14 | 看護師だった頃・看取り

                     

80代位の男性で、温厚でいつも冗談を言うような方だったと思います。

大きな腫瘍が、お腹や顎に盛り上がって、こぶとり爺さんのようになって。

痛みがあまり強くなかったのが良かった。

亡くなった時は、病室には、奥さんと二人でした。

奥さんは、もう覚悟をされていました。

でも、子供さんが遠方から来るので、それまでは・・・と言われました。

 

医師は、ベットの上に上がり、アンビューマスク(口にマスクをあて、肺に空気を送る)を始めました。

私は、マスクを押えたり、医師と交代したり。

心臓マッサージは、したかどうか記憶にありません。

 

奥さんは、ベットの足元に腰をかけ、ご主人の思い出を話し始めました。

楽しい話も出て、思わず3人で笑ってしまうこともありました。

何とも、不思議な時間でした。

 

いいご夫婦だなとか、充分看病されたんだなとか思いました。

今思えば、そんなに単純ではないのでしょうが。

 

そんな風に最期を迎えること、誰かを見送ることは、なかなかできないことです。

お二人それぞれが、自分の人生をしっかり生きられたのだなあと思います。

そして、そんな場面にいられたことに感謝しています。