【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

今週は異例の「野党による首相隠し国会」で16議員登場、「こども」も野党法案提出でクライマックスは4月以降へ

2023年02月08日 17時37分49秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
[写真]精悍な岸田首相、きょねん、宮崎信行撮影。

 政治報道で使われる「玉虫色」という言葉は、「玉虫の羽のように光線の具合で緑色や紫色に見えたりする染色または織色」という意味で、「曖昧」という意味ではありません。今国会3日目から「所得制限撤廃」が与野党の常識になりましたが、世論調査や厚労相は玉虫色です。いろいろなことがある今週ですが、岸田文雄首相の答弁は今週できょう一日だけとみられ、異例の野党による。首相隠し週となり、クライマックスを引き延ばそうとのねらいがみられます。

 東京オリンピック・パラリンピックで、電通、フジテレビグループから逮捕者。組織が溶けていく時代の流れもうっすら感じます。

 エネルギーをめぐって、秋本真利外務政務官の虚偽答弁が濃厚だと週刊文春電子版が報じました。

 政治評論家の森田実さんが亡くなったそうです。哀悼の意を表します。

【参議院本会議 きょう令和5年2023年2月8日(水)】

 福島みずほさん、桜井充さん、福山哲郎さん、鶴保庸介さんの4人が永年在職表彰を受けて、全員がスピーチしました。初当選時は4人とも野党議員だったようで、歴史的な出来事と言えそうです。

 福山さんは努力が報われる日本を賞賛。鶴保さんは「これからもよろしくお願いします」と再来月の衆議院和歌山1区補選についての発言を一切しませんでした。4人ともあっさりしたスピーチで、現役感を漂わせました。

 公正取引委員会・会計検査院・国家公安委員などの人事が両院で承認されました。

【衆議院予算委員会 同日】
 「令和5年度予算案」の審議は8日目で、そのうち集中審議1日目。タイトルが「安全保障及び少子化対策など内外の諸情勢」と盛りだくさん。筆者の憶測ですが、相場観で行くと「国際情勢及びエネルギー等」が2本目で今国会は終わりではないかとの気さえします。

 7時間コースで、野田佳彦さんら与野党大量16議員が満を持して登場。午後3時過ぎの日本維新の会の山本剛正さんは「総理もお疲れではないか」と語りました。

 立維共闘「身を切る改革」チームの「若松住宅」視察を受けて、渡辺創さんは「大臣も一度前を通ってもらえば分かるが一等地の廃屋だ」と語ると、鈴木財務大臣は「今朝のレクチャーを受けて知ったばかり」と答え、岸田首相は「おっしゃる通り。しっかりやらなければならない。未利用国有地のストックは全国で4800億円ある」と応じました。首相は「防衛財源との関係が分からない」とも付け加えました。

 大西健介さんはきょう発売された「安倍晋三回顧録」で、森友公文書改竄・消費税率上げ先送りなどで生前の安倍さんが財務省陰謀論や党内の親・財務省議員のクーデター警戒をしていたと明言したことを取り上げ、鈴木財務相は「コメントのしようがない」とし、岸田さんは「財務省による安倍おろしを感じたことはない」と述べました。

 次回はあす9時。

【参議院議院運営委員会 同日】
●参議院懲罰委員会理事懇談会 同日

 尾辻秀久議長自らの「動議」で「ガーシー議員」を懲罰委員会に付することとなり、あさってにも開かれる見通しとなりました。

【参議院国際経済及び地方に関する調査会 同日】
 福山さんがモーニングから着替えて、会長をつとめました。
【参議院外交・安全保障に関する調査会 同日】
【参議院資源エネルギー・持続可能な社会に関する調査会 同日】

開かれました。

【衆議院財務金融委員会 同日】
 足立康史さんら提出の「日銀法改正案」(208衆法16号)の撤回が承諾されました。鈴木財務大臣兼金融担当大臣が所信的あいさつ。あすの本会議で「所得税法改正案」(211閣法2号)が審議入りします。

【衆議院内閣委員会 同日】
 松野博一さんら7大臣が所信的あいさつ。

●衆議院憲法審査会幹事懇談会 同日
 立憲・共産幹事が欠席したようで、あすの定例開催(木曜10時)は見送られる見通し。

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