【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

希望の党今井雅人さんの計らいで、民進党・希望共同ヒアリング開催、後藤祐一チャーターメンバーは一瞬逃げ出すも参加

2017年11月22日 20時27分00秒 | 第195回特別国会(2017年10月~11月)第4次安倍内閣と野党3極

[写真]会計検査院の説明を一緒に聞く、左から、宮沢由佳・民進党参議院議員、後藤祐一・希望の党衆議院議員、森本真治・民進党参議院議員、2017年11月22日、衆議院第一議員会館内の希望の党会議室で、筆者・宮崎信行撮影。

 民進党と希望の党が、初めて合同で会議を開きました。

 既に午前11時台のエントリーで速報したように、参議院予算委員会が3月6日に国会法105条で要請した森友学園国有地の値引きについて、会計検査院が、きょう、平成29年2017年11月22日(水)夕刻に議長に提出した報告書について、一緒に説明を聞きました。

 希望の党のプロジェクトチーム座長の今井雅人衆議院議員のあいさつでは、「役所の負担を軽くすることも考え、一緒に聞くことにした。立憲民主党にも声をかけたが、既にきょうの午後6時から会合を開くことが決まっていた、とのことだ」としました。民進党の桜井充さんは「きのうの午後3時に、今井さんからメールをもらった。きょうの会合は、大塚耕平代表・増子輝彦幹事長にも連絡済みだ。マスコミからも、できれば一緒にやってほしい、との声があった」としました。

 これに先立ち、会合では、野党PTにありがちに、官僚が「会計検査院でございます」と名乗りながら入室。この声は聞こえていなかったでしょうが、白真勲・民進党参議院議員が「民進党でございます」とおどけて場の空気をほぐしました。民進党の杉尾秀哉参議院議員は、先の国会まで民進党A会議室だった部屋を見ながら「あれ、ここが希望の党の会議室になったのか」と語り、民進党の桜井さんは「懐かしいな」と言いながら入室しました。

 一方、やや遅れて登場した、希望の党チャーターメンバーの後藤祐一さんは、入るや否や、ひな壇を見て、反転し退室しようとしました。これを、民進党・新緑風会と希望の党のスタッフが、説明して、入室。やや迷いながらも、座り、検査院の説明を聞き、質問もしました。後藤さんは、来週の予算委員会の関係があるのかもしれません。

 会議は再掲も含めて、希望の党衆議院議員が、下条みつさん、今井雅人さん、後藤祐一さん、伊藤俊輔さん。民進党参議院議員が、桜井充さん、白真勲さん、川合孝典さん、森本真治さん、宮沢由佳さん、杉尾秀哉さんでした。


[写真]左から、桜井充さん(民進党)、今井雅人さん(希望)、白真勲さん(民進党)、杉尾秀哉さん(民進党)、下条みつさん(希望)、宮沢由佳さん(民進党)、2017年11月22日、衆議院第一議員会館内希望の党会議室で、筆者・宮崎信行撮影。

 民進党の増子輝彦幹事長は、あさって24日(金)、国家内常任委員長室で、立憲民主党の福山哲郎幹事長、希望の党の古川元久幹事長と、各々、別々に幹事長会談をすることにしています。


 さて、会計検査院の報告ですが、基本的にゼロ回答に近いと考えます。先々週11月9日のNHKニュース7の報道を受けてエントリ―(

【森友学園特区】会計検査院が「6億円ともいわれる国有地値引き」の報告断念か、異例のNHK登場で「文書が無い」

)を書きました。ここ数日の報道で、良い方向での見当外れだったのかと思い、上記エントリーを修正しようかと思いましたが、ただたんに、長年の勘が当たりました。検査院プロパーの河戸院長は、軟着陸を試みていたのです。

 検査院は国有地の値引きの根拠となった、ごみについて、国土交通省の出先、大阪航空局が見積もった1・9万トンについて、合計4つの仮定にもとづく、試算をしました。これによると、0・6万トンから1・9万トンまでの間に試算されたとしました。また、単位当たりの処分価格については、その本文115ページで、「大阪航空局は、本件処分費の単価がどのような条件下で提示された単価であるのかなどを示す資料は(略)保存期間を1年未満とし(略)保存していなかった(略)会計処理の妥当性について検証が十分に行えない状況となっていた」としました。

 要するに、単位当たりの処分費が分からず、1・9万トンの処分量だったのかもしれないという試算が出たわけですから、ハッキリ言って、何も答えていないに等しい。プロセスは詳しく細かく書いてあるので、きょうの取材でもらった資料は、来週の予算委員会までは持っていようと思いますが、例えば、これをもとに、国家賠償請求しても、挙証責任は満たさないでしょう。私は国会専門で、裁判には興味がありませんが、この報告書だと、おそらく、3億円未満、2億円以上の過大見積りまでのように感じます。ちょっと「6億円」という数字はどうやって出てきているのか、私もとっさに計算できないところです。


 会合で、今井雅人さんは、検査院の報告書について、「私たちが予算委員会などで追及してきた内容そのままだ」とし、陪席した、財務省、国土交通省に謝罪を求め、佐川前理財局長の説明を求めました。今井さんは、検査院の報告書で、先の国会からの追及の内容が正しかったと証明されたとしましたが、逆に言うと、きょうの検査院の報告書では何も出てこなかったということだと考えます。

このエントリーの本文記事は以上です。
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【国会】どの党も同じ質問、衆参代表質問終わる、人事院勧告の説明など、衆・内閣・農水・厚労委が開かれる

2017年11月22日 13時54分22秒 | 第195回特別国会(2017年10月~11月)第4次安倍内閣と野党3極

[画像]鉢呂吉雄・参議院国家基本政策委員長、2017年11月22日の参議院インターネット審議中継から筆者・宮崎信行がスクリーンショット。

【議案提出 きのう】

 きのう、「平成28年度決算の承認案件」が、来年通り11月に提出されました。「平成28年度予備費の使用総調書の承諾案件」提出されました

【参議院議院運営委員会 平成29年2017年11月22日(水)】

 先週金曜日の首相の所信表明演説で読み飛ばしがあった件で、理事会が揉めました。

【参議院本会議 同日】

 5分遅れで始まりました。代表質問最終日。公明党の山口那津男代表は、人づくり革命や、事業承継で質問。衆側では答弁を求められなかった、参議院最大派閥「清風会」(参議院清和会)会長の、世耕弘成経済産業大臣が答弁しました。共産党は山下芳生副委員長が「もり・かけ」について質問。また、先日報道された、改正労働契約法の自動車会社などの悪質な運用について「5年経ったら無期雇用ではなく5年以内に雇い止めだ」と語りました。私は報道の意味が分からなかったので、山下さんの解説でよく分かりました。午後は維新の片山虎之助さんが登壇。国会審議の活性化について質問しました。

 これで、衆参で、自、公、民、立、希、共、維の7党が質疑しました。今回は、与野党とも、みんな同じ色の質問に聞こえました。これほど、政党の旗色が混然としたのは初めて見る感覚です。私自身、1990年代前半の流行語「保守二大政党」論者で、四半世紀来ましたが、ようやく、保守二大政党の時代が来たように感じます。好ましいことだと考えます。

●平成29年度人事院勧告説明

【衆議院内閣委員会 同日】

 山際大志郎委員長が就任あいさつ。この後、内閣官房・内閣府の大臣総勢11名が所信を述べました。このうち、小此木八郎国家公安委員長、江崎鉄磨消費者相、松山政司一億総活躍相(参)、梶山弘志地方創生相は、8月に初入閣してから、はじめての国会だと思います。11大臣は発言順に、菅義偉官房長官、小此木国家公安委員長、野田聖子マイナンバー相(第4次内閣から内閣府男女共同参画局の大臣を引き継ぐ)、上川陽子・特定秘密保護法担当相、加藤勝信・働き方改革相、石井啓一・海洋政策相、江崎・消費者・沖北相、梶山地方創生・行革・規制改革相、松山一億総活躍・科技相、茂木敏充・TPP・人づくり革命相、鈴木俊一・五輪・サイバーセキュリティ相の合計11名でした。

 このうち、野田総務相は、第4次内閣から、内閣府男女共同参画局の大臣を、松山さんから引き継いでいます。振り返って、過去を思い返すと、第45期衆議院の民主党政権でも、同局の大臣が頻繁にかわり、当時の首相が「渾身のショートリリーフを続けてきた」という巧言令色もあり、批判されました。自民党もけっこう変わっているのではないでしょうか。現在に戻ります。梶山地方創生相が、行革相、規制改革相を兼ねているということで、国家戦略特区をめぐる恣意的な運用につながっているように感じます。たびたび言いますが、行革、規制改革は日本全国一律が基本というか、当然のことです。

 委員会に戻って、11大臣の所信の後は、官房副長官のあいさつ。西村康稔さん、野上浩太郎(参)さんがあいさつしました。これ、事務の官房副長官があいさつしないことについて、なにか法的な根拠があるんでしょうか。この後、副大臣・政務官があいさつ。東京都連のM副大臣はサングラス姿でした。

 最後に、一宮なほみ人事院総裁が、平成29年度人事院報告を説明しました。改めて、6月中旬から5か月間も国会審議が無かったことに気づきました。

 内閣委員会は次回は一般質疑があり、その後、提出済みの195閣法1号~3号「一般職」「特別職」「退職手当」の給与法案審議入りするのだろうと思います。

●衆議院厚生労働委員会店開き、旅館業法改正案の審議地ならし。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 高鳥修一委員長があいさつし、田村憲久さん、橋本岳さんらが、理事に就任。自民党はいくらなんでも、族議員コースが完全復活しているのではないでしょうか。今挙げた3人とも世襲で、橋本さんは3代連続で、厚生省の政務三役経験者になります。立憲民主党の西村智奈美さんも先の通常国会に引き続いて、理事をするようです。

 加藤勝信さんは、内閣府一億総活躍相から、厚労相(兼)働き方改革担当相となり、ハッキリ言って、嫌な人事です。加藤さんは所信で、「だれでも活躍できる、一億総活躍社会の実現に向けて、働き方改革関連法案要綱をとりまとめ、9月に労政審からおおむね妥当だ、という意見をもらった」と語りました。やはり、働き方改革は「働かせ方改革」ということのようですが、いいかげん、早く法案を出せ、という世論も盛り上がってほしいところです。加藤大臣は「無許可の民泊の取り締まりを強化する」とし、提出済みの「旅館業法改正案」(195閣法7号)を「今国会に提出しました」と強調しました。一方、先日、私が書いた、「水道法改正案」(未提出)ですが、「準備しています」と語りました。延長が無ければ越年するとみられ、かなり時間をかけた審議が必要になります。

 さて、神奈川県相模原市で19名前後の重度障碍者が殺された「津久井やまゆり園事件」は県庁が同じ場所に立て替えて機能を分散するようです。事件を立法事実とした法案が廃案になったことについて、加藤大臣の言及は無かったように感じます。今度は、同じ神奈川県の座間市で、ツイッターで「自殺したい」という趣旨のことを書いた、女性ら9名前後が殺された、「座間事件」が発生しました。きょうの委員会で、加藤大臣はこれを受けて、「座間事件を受けて、SNSでの相談体制を検討したい」と表明しました。ただ、鍵をつけなければ誰でも見られるSNSで、自殺したい、という趣旨の発信をした人が呼び出されて殺されたわけですから、SNSでの相談体制というのはとってつけた対応ではないでしょうか。どうも、厚生労働省は、警察案件を受けての対応がイマイチで、内務省時代は昔の話という感じがします。もっと、どっしり仕事をしてもいいのではないでしょうか。

 衆議院厚生労働委員会は、次回、24日(金)午前9時から委員会を開くことにして、散会しました。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 12分前後、遅れて始まりました。

 こちらも族議員コースの、伊東良孝委員長があいさつ。「競馬法改正案」(195閣法8号)が既に提出されていますが、審議入りはしていません。

 斎藤健農相が所信を述べました。終わりに、同期の伊東委員長が「がんばってください」と声をかけました。斎藤大臣は所信で「生産数量目標の廃止にともない、県別の作付け面積などきめ細かい情報公開をする」と話しました。斎藤農相は「農協の本来の役割である、農業者の所得向上へのとりくみを、省が支援する。JAグループの自己改革を省がフォローアップする」と述べました。斎藤農相は「林業については、戦後の人工林を経済ベースで最大限に活用するため、所有者の義務を厳しくし、市町村が代行できるような新システムをつくる」との趣旨の所信を表明しました。個人的には、私は自民党の農政政策が全面的に賛同できるな、という感想を持っています。

 次回の開催は未定。

【参議院国家基本政策委員会 同日】

 参議院岡田グループ会長で、民進党・新緑風会所属の鉢呂吉雄委員長が就任あいさつ。衆参での合同審査会開催の手続きをしました。

【参議院予算委員会の理事懇談会 同日】

 委員会はありませんが、理事懇談会で、会計検査院の森友国有地値引きの報告書の説明を聞くようです。既に刑事事件となり、籠池夫妻は4カ月拘置中。元力士の息子さんは木こりをして裁判費用を稼いでいるようです。けっこう、今回の検査院報告は、国家公務員内で、シャレにならない重大事態につながる懸念もありそうです。

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会計検査院の「森友国有地値引き」報告書、希望の党と民進党が合同でヒアリングへ

2017年11月22日 11時24分58秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして

 希望の党と民進党は、会計検査院からのヒアリングを合同で行うことを決めました。

 先の通常国会で、参議院予算委員会の全会一致で会計検査院に要求した「森友学園国有地値引き問題」に関する報告書を、会計検査院は、きょう(平成29年2017年11月22日水曜日)参議院に提出します。

 これを受けて、希望の党と、民進党は、合同で会計検査院から説明を聞くことにしました。

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