【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【国会】野田聖子総務大臣が所信表明1ページ読み飛ばしもお咎め無し、競馬法改正案審議入り

2017年11月30日 19時22分51秒 | 第195回特別国会(2017年10月~11月)第4次安倍内閣と野党3極

[画像]世耕弘成・経済産業大臣と江崎鉄麿公取担当大臣、2017年11月30日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 特別国会は、残り会期10日間となり、人事院勧告の法案や、財政特例措置延長の法案が提出された、衆参の委員会はすべて大臣の所信聴取が終わりました。

【衆議院農林水産委員会 平成29年2017年11月30日(木)】

 「競馬法改正案(195閣法8号)が審議入りしました。今国会では、人事院勧告の法案が審議入りしていますが、それ以外の法案としては初めての審議入りです。斎藤健農相は「25年前から5年前にかけて、3分の1となった地方競馬の売上高だが、中央競馬からの支援で再建された。再建の途上で、より強い競走馬をつくり地方競馬全国協会の魅力向上をはかる」として、財政特例措置の5年延長が必要だとしました。

 これに先立つ一般質疑は、2日間で全会派が一巡。第47回衆院選で躍進した共産党は、第48回衆院選で敗北。そのため、この委員会に居た2人は、TPPが漂流する中、2人とも落選してしまいました。このため、総務委員だった田村貴昭さんが農水委に移ってきました。希望の党の大串博志さんは、通常国会を前倒す格好で、卸売り市場法の執行状況を取り上げました。

【衆議院総務委員会 同日】

 閣内からポスト安倍をうかがう、野田聖子総務大臣が所信表明で1ページ読み飛ばす場面がありました。ただ、野党の理事も、議事録上はこの直前に選任されたばかりで、ツッコミはなかったようです。

 前の任期中、石破茂地方創生担当大臣が特区法改正案の趣旨説明で、1回前の改正法案の原稿を間違えて読む場面がありました。このときも、野党理事2人は気づかずツッコミを忘れていたようで、この2人は先の衆院選で議席を失いました。テレビ入りで質疑に出る機会があっても、持ち場所で、役所や委員部から配られた原稿を見ていないと、野党も議席を失うことになりました。私は、時に生真面目だとみられることもあるようですが、持ち場所で原稿チェックをしていないと、テレビに出てもどうにもならないということもあるようです。

【参議院第1種常任委員会 同日】

 省庁ごとに設置された11常任委員会を、参議院ではその先例集で、第1種常任委員会と呼び、各議員は1つだけ、それに入ることになっています。このため、参議院では、11委員会をすべて同時に開くことができます。きょうは、国土交通と環境を除く9委員会が開かれました。国交と環境は、今国会に、審議される法案の予定はありません。

 そのうち、経済産業委員会では、世耕弘成経済産業大臣が、江崎鉄磨・公正取引委員会担当大臣の所信表明を心配そうに見守る場面がありました。ページを改めるのに、難儀する江崎大臣に対して、数度目には、世耕大臣が隣から折り目をつけてあげている場面=冒頭の画像=がありました。午前8時半からの衆総務委で野田大臣が間違えたことが、昼過ぎには他の大臣にも伝わっていたのでしょうか。ただ、世耕さんが心配しているのは、第4次安倍内閣の持続可能性であって、江崎さんの未来では無いのだろうなと感じました。消費者庁のみならず、公正取引委員会も抜本的な法改正の準備作業中です。最近の公取は、表面的には「頑張り過ぎている」印象があります。江崎さんが大臣の間に、独禁法改正案は出て来ないだろうと思いますが、江崎さんは良い人ですので、野党もあまり無様な辞めさせ方はしないようにしていただきたい。

 国交委はありませんでしたが、内閣委員会には、石井啓一さんがIR担当大臣として出席し、所信を述べました。来年にかけて、内閣委員会も注目されそうです。内閣委は、一宮なほみ人事院総裁が、平成29年度人事院勧告の説明をしました。

【参議院予算委員会 同日】

 国政調査の2日目がありました。衆院野党第1党の立憲民主党と、第2党の希望の党は、その系統の議員も含めて、まったく登場しませんでした。希望の党は3議員いるので、来年の通常国会では、毎回10分以上の時間が割り当てられると思います。野党分裂について心配している国民は案外多いようです。

 公明党の西田実仁さんと世耕経産大臣の、参議院幹部対決では、事業承継税制については、世耕大臣が「使い勝手が悪い」と認めました。中小企業生産性向上税制では、機械の固定資産税を3年間半分にする措置で、1万件以上が認定を受けているようです。これについては、私としては、他の国も含めて、民法で、土地だけではなく、土地の付着物まで固定資産になっているのは、我が国だけなので、民法も含めた再検討が必要だと、考えます。野田総務大臣は、政策減税と固定資産税減収の関係と、会計検査院と総務省行政評価局の関係について、西田さんに聞かれました。どちらも、そっけない答弁で、総務省は相変わらず、あえて仕事を増やそうとしない役所だなと感じました。

 維新の片山虎之助さんは、「インターネットが発達した今、国の出先機関は、議会も無いし、マスコミの目も無いから、地方自治体に統合して廃止した方がいい」と促しました。

【衆議院憲法審査会 同日】

 解散前の、欧州視察の報告がありました。

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(C)2017年、宮崎信行。

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