政府、公共企業、報道をはじめ、情報が混乱しています。そういう中では、確度の高い情報を取捨選択することが必要です。とくにテレビジョンは、もともと「遠くが見える」という語源を持つ言葉ですから、遠くの物が近くに見え、ひどく不安になる特徴があります。これはシステムの問題であって、どのような放送者(ブロードキャスター)であっても、多かれ少なかれそういう状況があります。私もあまりテレビも、ラジオも、インターネットも付けずに、節電に協力し、震災復興のために力を温存したいと思っています。
さて、きのう14日の公明党の山口那津男代表と菅直人首相との党首会談について、あまり報道されていない内容がありました。15日付の公明新聞が伝えています。
公明新聞によると、14日午前11時から、代表の山口さんと、幹事長代行の斉藤鉄夫さんは、菅総理に会い、東北太平洋沖大震災の災害対策に関する2011年度(平成23年度)補正予算(案)の編成を急ぐように要望。席上、山口代表は「(平成23年度)本予算の自然成立後、不要不急のところを最大限削って、補正予算の財源に充て、その内容を早く決めるべきだ」と主張したそうです。
参院議員でもある山口さんが、日本国憲法第60条2項による、予算の自然成立(衆院の議決を優先すること)を認めたことで、参院では、民主党・国民新党と公明党の3党で、過半数(121)を4議席上回る125議席になります。自民党の参院予算委員会理事の礒崎陽輔さんはツイッターで、「ただ今、予算委員会理事懇に出席。(略)今週中の委員会開会は困難との認識で一致。しかるべき時期に、理事会で、政府から災害状況を聴くこととしました」としています。今週の委員会審議はなく、理事会で政府から状況をきいた上で、最終的には、採決なしに、予算が3月30日に成立するかの可能性が高まりました。
一方、民主党の岡田克也幹事長はきのう14日の与野党幹事長・国対委員長会談で、年度内成立に向けて各党の協力を要請するペーパーを配りました。災害時なので、あえてペーパーの入手にはこだわらずに、報道から引用すると、法案は次の通りで、赤字国債発行臨時特例法案は入っていません。
歳入関連法案では、国税つなぎ法案、地方税つなぎ法案。
歳出関連法案では、関税定率法案、国際通過基金(IMF)加盟法案、中小企業金融円滑化法延長案、地方交付税法改正案、公害財特法案(衆院通過済み)、NHK予算(案)、内閣府設置法案、在日米軍駐留経費の日本側負担協定、在外公館法案、教職員定数法案、家畜伝染病予防法案(衆院自民党が修正案を提案中)、踏切道法案、港湾法案、そして、子ども手当つなぎ法案です。
このうち、最後の子ども手当つなぎ法案は各党の意見が分かれる対立法案で、参院で民主党・国民新党・日本共産党・社民党の4党の賛成が得られる見通し。ただ、この4党では、議席数は「119」で、「革新共闘」無所属の糸数慶子さんを入れても、120議席。まだ、過半数まで1議席足りません。この辺の、「落とし所がまだ決定していない政策」を、ミックスしてしまうのは、岡田さんの特徴的なことで、こういった面も後見人的存在の渡部恒三・元衆院副議長ですら苦言を呈することがあります。私としては、「「岡田さんは改革のスピードが速すぎて、玄葉さんら一部の議員以外は付いてこられない」「岡田さんは公明党をあまりにも信頼しすぎている」という2点を挙げたいと思いますが、たしかに若干乱暴かもしれません。
それにしても、注水作業の途中で、ポンプから目を離したとされる東京電力関係者には言葉を失います。あのような状況で、持ち場を離れられる神経が理解できません。本社であろうと関連会社であろうと正規雇用だろうと非正規雇用だろうと、当人や東電の責任はまぬがれません。しかし、東電ないしは関係会社も、採用するのは成人けです。そういった物事を最初から最後まで見届けることが体に染みこんでいない人間を育てた環境は何だったのでしょうか。それが家庭の躾をないがしろにする経済優先主義の代償ならば、それはあまりにも大きかったとしか言いようがありません。
15日付朝日新聞の天声人語は谷川俊太郎さんの詩を引用しながら、次のようにまとめています。
[2011年3月15日付朝日新聞「天声人語」から引用はじめ]
(前略)
子どもはなおもひとつの喜び あらゆる恐怖のただなかにさえ。
谷川俊太郎さんの詩の一節を思い浮かべた。
命の微笑を、力に変えたい。
[引用おわり]