【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【日本郵政】 ゼンブンよ まずは庶民に カネを貸せ

2008年02月12日 22時29分56秒 | 人物

(写真は日経、ローソンの新浪社長=左=と握手する日本郵政の西川社長)

 日本郵政民営化からほぼ100日間。
 「ゆうパック」を日本通運の「ペリカン便」と統合し、合理化。
 今度はローソンとの包括提携を発表。

 宅配便、郵便局(ATM)と、不採算部門を矢継ぎ早に合理化(リストラ)する日本郵政株式会社西川善文社長(にしかわ・よしふみ、当ブログでの愛称“平成のベスト・バンカー、ダンディ・ゼンブン”)。

 実に素速い対応です。
 写真を見ても分かるとおり、やり手顔。
 “典型的な住友顔”をした平成のベストバンカー、西川ゼンブンのすごさには脱帽です。

 8日の衆院予算委で、民主党の岡田克也副代表との質疑。
 西川参考人は「かんぽ(簡易保険)は30%です」と答弁。


 かんぽの新規契約高が前年比30%ということで、岡田さんは「どうですか総理、30%減少じゃなくて、前年の3割にまで落ち込んでいるんですよ」とのこと。

 簡保の契約残高は140兆円ほどだと思います。
 そのほとんどは日本国債と財政投融資の残り債権で運用されていると思います。

 いまの日本社会はカネ不足です。流動性があきらかに足りない。
 みんなカツカツです。
 3連休も自宅で過ごした人が多かったようで、これは相当まずいでしょう。

 私も33年間生きてきて、今が一番流動性不足ですよ。
 私は貸倉庫業をやってますが、その倉庫がある自治体で、生活苦のため、ナタを振り回した一家心中事件が起きました。

 他人事といえば、他人事なんですが、ダンナは機械工とのこと。
 機械街の機械屋の息子として生まれ育った下町の太陽としては、「ああ、亡くなったAさんも苦しんでいたなあ」などということに思いを馳せるわけです。
 Aさんはナタは振り回さず、サウナで亡くなったようですが。

 で、日本郵政は住宅ローンのほか、クレジット・カードを開発する、と既に発表していますが、早くクレジット商品を販売して、世間にカネ(money)を回してほしいですね。

 昨年10月1日以降、注意して世間を見ていましたが、やはり世間にマネーが回っていない。もちろん、すべてが日本郵政のせいだとは言いませんよ。

 ただ、ゼンブンが10月1日前後のインタビューで言及していた「企業向け融資商品」についてはいまだ「開発着手」という発表がない。

 もうこの際、あまりある日本国債を担保にマネーを工面し、日本でマイクロ・クレジットでも始めたらどうですか?

 西川ゼンブンさんという人は、「話せば分かる人だ」と最近、思うようになりました。
 みんなが苦しんでいる今だから、緊急避難的にマネーを流した方が日本郵政のためにもなるんじゃないでしょうか?

 僕の話を聞いてよ、ゼンブン! お願い、ゼンブン!

ローソン・日本郵政、包括提携へ 局内に「小コンビニ」(朝日新聞) - goo ニュース

 コンビニエンスストア大手のローソンと日本郵政は12日、新たな包括提携で合意し、コンビニと郵便局の複合型店舗を本格的に全国展開する方針を固めた。同日午後、発表する。郵政は全国2万4000局の郵便局網を有効活用し、ローソンはコンビニ市場が飽和する中で新たな販路を確保する。

 複合型店舗は、今後3年で約800店を見込んでいる。両社はこれまでも都市部を中心とした数カ所で複合型店舗を実験的に導入している。新たな提携ではこれに加え、コンビニの一部商品を郵便局で販売するなど、郵便局内の「小型コンビニ」的な展開も検討している模様だ。これに伴い、両社の物流網も相互に有効活用し、輸送コスト削減も狙う。


【地方財政】橋下府知事の当選は当然だった

2008年02月12日 21時09分28秒 | 人物

 (写真は大阪府庁の知事室ホームページ)

 大阪府知事選で橋下徹さん(自民党府連・公明党府本部支援)が圧勝したのが不思議でしょうがなかったのですが、ようやく分かりました。

 橋下知事がNHK大阪放送局JOBK)制作の討論番組での対応に激怒し、「NHK大阪放送局のスタジオ収録には今後応じない」と述べたとのことで、「どんな失礼な対応をしたのか」という視点で見ていたのですが、私の関心はアナウンサーの態度から、次第にアナウンサーが持つパネルに移っていきました。

 パネルには大阪府の歳入が円グラフで書かれているのですが、単年度の歳入が3兆円もないんですよね。

 で、大阪府債発行残高は5兆円だとか?
 そうすると、だいたいの年利をかけてみて、毎年の償還額が利息分だけでいくらになるか・・・などと考えると・・・

 これ、絶望的な数字になるのです。
 大阪府庁の帳簿って。

 で、橋下候補が「府債は発行しない」と言っていたのに、知事になって早速公約撤回だ、とマスコミなどに言われているけど、大阪府庁が今後、府債を発行しなければ、日本の公社債市場は大混乱し、日本国債、東京都債、横浜市債までパニックになる可能性があります。

 これは府債の償還(借金を返済する)時期がきたら、ある程度は借り換え債を発行しないと償還できないでしょう。ここで府庁が償還を拒むなどということは断じて許されません。

 要するに、府財政の再建は、府単独では厳しく、国政府の力を借りなければまずムリ。
 だったら、現在の国政府は自民党・公明党政権ですから、その候補者が当選するというのは当然というより、唯一の選択肢ということになります。

 大阪市長選で民主党推薦の平松邦夫さんが勝った勢いで、府知事選挙も民主党系候補が勝つだろうと思っていたのですが、これは橋下知事以外は考えられない。日本全体からみても選択肢は一つしかなかったのではないかと振り返ります。

 財政が硬直化すると、選択肢も硬直化する

 現実はかなり、厳しいね。

 (私は大阪府財政をウォッチした経験はありません。このエントリもNHK大阪放送局の動画を少し見た感想で、細かい分析をしたわけではありません。ご了承下さい)


【ガソリン税】42%が「年度内採決こだわらない」 NHK世調

2008年02月12日 20時46分13秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

(写真はMSN産経ニュース)

【4割が「揮発油税暫定税率などの年度内採決にこだわらない」NHK世調】

 NHKの世論調査で、注目すべき結果がありました。

 政府提出のガソリン税の暫定税率の10年延長などを盛り込んだ租税特別措置延長法案などの一連の法案について、

 42%・・・「年度内の採決にこだわるべきでない」
 27%・・・「年度内に採決すべきだ」
 22%・・・「どちらともいえない」

 と、3月31日までの採決にこだわるべきでないという答えが予想外に多かったです。

 当ブログでも言及している通り、

自民党つなぎ法案提出→河野議長あっせん→法案撤回&年度内での審議完了

 という流れで、「ガソリン値下げ国会」の構図は崩れ去りました。

 参院民主党を預かる輿石東・代表代行が、「議長あっせんは年度内に採決するという意味とは受け取っていない」などの抵抗を見せています。たしかに文書の字面からはその通りなのですが、いざ3月下旬を迎えたら、政府・自民党が議長あっせんを盾に民主党を大攻撃するのは目に見えていますし、正直、世論は民主党に厳しくあたる可能性が高いと思います。

 で、流れは変わり、衆院予算委では「与野党合意で道路特定財源の一般財源化をめざそう」という審議が続いています。

 12日の審議でも、民主党の馬淵澄夫さんらは
冬柴国交相&福田首相に対して

 「国が道路整備計画の参考にしている需要の見積もりが古くて現状を反映していない。“将来交通需要推計(センサス)”を見直せ!」と迫りました。

 ただし、私は若干の空しさを感じましたが、このあと、夜のNHKニュースで、42%が「年度内成立にこだわらない」と報じたので、ちょっと世論認識を微調整しました。

 民主党とくに参院民主党は、4月1日午前0時のガソリン税・軽油取引税の値下げという戦術に舵を戻せる可能性もでてきたのではないでしょうか。

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【調査の概要】

 NHKの世論調査なんですが・・・

 9日(土)からの3連休にRDD方式で実施。

 1,766人にコンピュータが電話し、自動音声でプッシュフォンで回答してもらう形だと思います。で、1012人が答えてくれた(回答率57%)。

 RDD方式とは、コンピューターで無作為に発生させた番号が対象で、有権者台帳も見ていないし、年代、男女別も配慮していなかったり、サンプル結果を見て、足りな
い層の回答を多めにしたりした調査結果だと思います。

 で、社会調査の方法論からすれば、この調査は、ほとんど信用できません。
 むしろ参考にすると社会を見る目が曇る可能性があるくらいのものです。

 とはいえ、NHKに文句を言っても「だって予算がないんですよぉー!だったら受信料値上げに賛成してくださいよぉお」というのが本音だろうし、同情すべき点もあります。

 ということで、この調査の内閣支持率の結果などはあえて書きませんが、設問の中に、他の報道機関にない面白い項目があり、「42%」という大きな数字が出てたので、エントリ化した次第です。


【小沢行脚】衆院くら替え市議のとても重い言葉 富津の中後淳さん

2008年02月12日 11時23分44秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 「市政という地方行政の現場で、地方でがんばっていこうという思いさえも芽生えにくくするほど、地方行政が疲弊している実態を目の当たりにしてきた」

 ケータイで民主党(DPJ)ニュースを読んで、この一文が目に焼き付いて離れなくなりました。

 衆院選内定候補の市議会議員のこの言葉。
 「無責任だ」という有権者もいるだろう。

 でも、違うんです。
 10年前なら、いざ知らず、違うんですよ。

 本当に分かってください、この現実を。

 冒頭にあげたのは、富津市議の中後淳さん(ちゅうご・あつし)のコメントです。

 「地方議会の限界を感じる」
 「自治体の限界を感じる」

 これは人口800万人以上の都道府県の議員の2人以上、100万人以上の自治体の市議会議員からも聞いたことがあります。

 もちろん、議員ではない、職員からも聞いたことがあります。

 そして、その言葉を吐く人間の方が有為な人材が多いように見受けられます。

 2000年の地方分権一括法の施行で、国と自治体は対等の関係になったのに、「地方主権」がうまくいかない。

 なぜか?
 最大の理由は日本経済低迷による地方財政難だと思います。

 財政の硬直化は、人間に例えれば、動脈硬化です。

 逆にもっと思い切って、財源、税源、権限の「3ゲン」を地方に分権して、自治体主権を確立するしか、今の日本の八方ふさがりは打開できないのではないでしょうか。
(ただ、港湾管理行政は、国に集約した方がいいと考えます)

 何とかしてよ! 千代田区内の権力者さん!


次期衆院選千葉県第12区で中後淳氏を擁立 会見で小沢代表が発表(2/9付)

 小沢一郎代表は9日午後、千葉市内で会見を行い、千葉県第12区の次期衆議院選挙公認内定候補として、中後淳氏(新人・38歳・富津市議会議員)http://www.dpj.or.jp/member/?detail_3512=1を発表した。

 千葉県4区選出の野田佳彦衆議院議員が中後さんのプロフィールを紹介。「生まれ育って学んで働いたのがまさに12区。ふるさとに戻り、富津市議を2期務めている」と語り、地元で生まれ育ち、その地元を大切に思う気持ちで政治への道を選んだとした。

 小沢代表は、「青木愛議員の参議院転出という結果を得て、その後継として12区の候補者を見出そうと野田選対委員長や青木参議院議員らが努力された結果、富津市議会議員2期目の現職である中後君が最適任者であるということで、皆の意見が一致。党においても12区の内定予定者に決定したところだ」と発表した。

 「我々が次の総選挙で過半数を、少なくとも第一党を目指すうえにおいては、この地域においても勝利をしなければならない」とも述べ、勝利に向けて地域のみなさんや県民のみなさんの理解と支持を得なければならないとの認識を語った。

 そのうえで小沢代表は、「富津で生まれ育って、東京大学卒業後、新日鉄という日本の最高の会社に勤めたが、とにかく郷里のためにという思いのなかで、いま市政において努力しているところ」と、中後さんの人となりを説明。「さらに国政に、郷里のために、生み育ててくれたみなさんのために頑張ろうという決断をしてくれ、私どもにとってもよき候補者を得たと考えている」と、中後さんに大きな期待感を示した。

 決意表明に立った中後さんは、市政という地方行政の現場で、地方でがんばっていこうという思いさえも芽生えにくくするほど、地方行政が疲弊している実態を目の当たりにしてきたと説明。そうした地方行政の現場にあっては、「国が何とかならなければ地方はどうにもならない」と他人事のように訴えてきたが、その状況を変える突破口を少しでも開くことができるのならば頑張ってみてはどうかとの呼びかけに応え、国政に出る決意に至ったことを明らかにした。他人事のように訴えている状況を脱して、「自分ははなはだ微力だが、少しでも変えられたらと思い、決意した」と力強く語った。

 小沢代表は、解散総選挙の時期をどう見るかとの記者団の問いに、「解散権は内閣の専権事項なので、イコール総理の考え方ひとつで決まることなので、われわれが求めても、その求め通りになるという性格のもではない」と前置き。そのうえで、「ただ、福田政権は国民の審判を経ていない。そのなかで、年金や防衛省問題など、長期自民党政権の矛盾、膿がいろいろと噴出している。道路財源の問題もそのひとつ。そういう意味で、選挙を速やかに実施すべきだと言っている」と述べた。

 続いて、そうした長期政権がもたらした腐敗や矛盾に加え、所得や地域の格差など、不平等、不公正が生まれてきたとの認識を示すとともに、さらに、米国の景気後退が現実のものになりつつあるなか、日本経済の先行きも不透明だと小沢代表は指摘。「景気がいいという政府大本営の発表とは裏腹に一般の市民生活が苦しくなってきている現状があったわけだが、それが最近また一段と実感が強まっている。だから、私どもとして、早く国民のみなさんの審判を仰ぐべきだと強く求めており、できるだけ早く解散総選挙という結果になることを期待している」と語った。

 会見には青木愛参議院議員、千葉県連代表代行で千葉県第3区の岡島一正公認内定予定候補http://www.dpj.or.jp/member/?detail_141=1も同席した。


佐藤ゆかりさんが「さよなら」 岐阜1区で後援会総会

2008年02月12日 03時29分54秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

(写真は共同)
 佐藤ゆかりさん(岐阜1区比例)が次の第45回総選挙では東京5区から出馬することになりました。
 現職の小杉隆さんは引退。代議士夫人が後援会員らの借金を含めて、20億円だとか、そのぐらいの負債があって返済が不可能な状況だというような週刊誌報道があったと記憶しています。小杉さんは元文相なんですが、残念な幕引きです。

 同じく佐藤ゆかりさんのお母さんは、東京5区で探偵社を経営していたという週刊誌報道も見ましたから、地盤はあるのでしょう。

 小選挙区になり、「国替え」も珍しくなくなってきましたが、後援会で「お別れ」というのは寂しいものでしょうね。

 東京5区の民主党前職は手塚仁雄さん(てづか・よしお)。日本新党の都議出身の当選2回で、落選後も民主党都連での候補者擁立など裏方の活動を報道でうかがい知ることがあります。おそらく地元活動もしっかりやっているのでしょう。


佐藤ゆかり氏が後援会でお別れ、岐阜1区転出の経緯説明 (共同)

 自民党の衆院岐阜1区の公認調整で、東京5区に転出することになった佐藤ゆかり衆院議員が11日、岐阜市で後援会の総会を開き、これまでの支援について「今日に至る2年半、多くの方に育てていただき、言葉に尽くせない」と感謝の気持ちを伝えた。

 会場に集まった支援者ら約2000人(事務所発表)を前に、党県連会長の金子一義元行革担当相が「自民党議員の顔として育てたい。東京で勝てる候補はなかなかいないが、彼女なら勝てる」と転出の経緯を説明した。

 また、郵政選挙当時、佐藤氏を岐阜に送り出した武部勤元幹事長は「嫁として東京5区に送り出してください。(小泉)チルドレンはみんな守ってみせる」と理解を求めた。総会終了後、佐藤氏は「岐阜1区の自民党の分裂を防ぐため、自ら岐阜を離れることに合意した」と説明した。

 総会では佐藤氏の転出に特に異論は出なかったが、後援会員の男性(70)は「自民党は信用できない。有権者をばかにしている」と憤っていた。

【追伸】

 柿沢未途都議(江東区)が首都高池袋線で、飲酒のうえ自損事故を起こし、書類送検の可能性があるとの報道にガックシ。
 都議会民主党の政調会長も務めた未途さんに期待していたので裏切られた思いです。
 その話す姿はUHF局の「東京MXテレビ」でしか見たことがありませんが、お父さん譲りの精悍で日焼けした姿に政治家としての資質を感じていました。
 都議会民主党の田中良幹事長らも「議員辞職」という厳しい方針で臨んでほしいと思います。国政という考えもあったようですが、都議選は1年半後ですから、出直せると思います。ですから、ここは「議員辞職」!