【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【地方財政】橋下府知事の当選は当然だった

2008年02月12日 21時09分28秒 | 人物

 (写真は大阪府庁の知事室ホームページ)

 大阪府知事選で橋下徹さん(自民党府連・公明党府本部支援)が圧勝したのが不思議でしょうがなかったのですが、ようやく分かりました。

 橋下知事がNHK大阪放送局JOBK)制作の討論番組での対応に激怒し、「NHK大阪放送局のスタジオ収録には今後応じない」と述べたとのことで、「どんな失礼な対応をしたのか」という視点で見ていたのですが、私の関心はアナウンサーの態度から、次第にアナウンサーが持つパネルに移っていきました。

 パネルには大阪府の歳入が円グラフで書かれているのですが、単年度の歳入が3兆円もないんですよね。

 で、大阪府債発行残高は5兆円だとか?
 そうすると、だいたいの年利をかけてみて、毎年の償還額が利息分だけでいくらになるか・・・などと考えると・・・

 これ、絶望的な数字になるのです。
 大阪府庁の帳簿って。

 で、橋下候補が「府債は発行しない」と言っていたのに、知事になって早速公約撤回だ、とマスコミなどに言われているけど、大阪府庁が今後、府債を発行しなければ、日本の公社債市場は大混乱し、日本国債、東京都債、横浜市債までパニックになる可能性があります。

 これは府債の償還(借金を返済する)時期がきたら、ある程度は借り換え債を発行しないと償還できないでしょう。ここで府庁が償還を拒むなどということは断じて許されません。

 要するに、府財政の再建は、府単独では厳しく、国政府の力を借りなければまずムリ。
 だったら、現在の国政府は自民党・公明党政権ですから、その候補者が当選するというのは当然というより、唯一の選択肢ということになります。

 大阪市長選で民主党推薦の平松邦夫さんが勝った勢いで、府知事選挙も民主党系候補が勝つだろうと思っていたのですが、これは橋下知事以外は考えられない。日本全体からみても選択肢は一つしかなかったのではないかと振り返ります。

 財政が硬直化すると、選択肢も硬直化する

 現実はかなり、厳しいね。

 (私は大阪府財政をウォッチした経験はありません。このエントリもNHK大阪放送局の動画を少し見た感想で、細かい分析をしたわけではありません。ご了承下さい)



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