【国会傍聴記 2007-11-27 参院厚労委】
雇用の基本的なルールを定めた「労働契約法」
賃金の底上げを狙う「改正最低賃金法」
が可決しました。
28日の参院本会議で可決、成立する運びです。
「労働契約法」は労使紛争の判例をベースにまとめたので、「紛争防止のマニュアル」としての校歌が期待できる。
一方、日本共産党の機関紙「しんぶん赤旗」が20日付で「労働契約法の撤廃を」と大きく書きました。
きょうも小池晃政策委員長(比例)、社民党からは福島みずほ党首(比例)が質問。で、正直、専門的でよく分からなかったことを白状します。
おそらく「労働契約法」という本が近いうちにでるでしょうから、すべての労働者は1冊買いそろえるべきだと思います。ポケットのコインをはたいて、例え、昼飯1回抜かして腹ぺこになってもです。
読売によると、
労働契約法案は
①労働契約は労使が就業の実態に応じて均衡を考慮しつつ締結し、変更すべき
②労使は労働契約の内容をできる限り書面で確認する。
③使用者が合理的な就業規則を労働者に周知させていた時は、その就業規則で定めた労働条件を労働契約とする
④変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ変更が合理的なものであれば、変更後の就業規則で定めた労働条件を労働契約とする。
⑤有期の労働契約について、使用者はやむを得ない事由がある場合でなければ、労働者を解雇できない。
これが骨子です。
全国5000万人の勤め人はすべからく労働契約法を読んで、泣き寝入り
をしないでください。それさえしないなら中国人、インド人より安い賃金で働くことを甘んじて受け入れるしかないですよ。
(写真真ん中はジェームス・ディーン主演『理由なき反抗』1955年米国のポスターでGoogleのイメージ検索から 守屋さんは共同、額賀大臣は時事) 激突を避けるために先にハンドルを切ったプレイヤーはチキン(臆病者)と称され、屈辱を味わう結果になりますが、両者がハンドルを切らなければ、最悪の結果が待ち受けています。 |
「額賀福志郎」に関するエントリの一覧です。 【守屋・額賀喚問】チキンレースで決めようぜ(11/27) 【山田洋行】石破防衛相、浅尾さんの指摘受け、刑事告訴へ(11/25) 【額賀大臣】「新キャラクター」続々登場 民主党凄まじい追及!(11/23) 【国会傍聴記】SPの護衛記録開示を求める 民主党・古本さん(11/21) 東京地検特捜部、検事増強・米国に捜査共助要請か大疑獄へ?(11/20) 防衛利権の牙城か?(社)日米平和・文化交流協会、東京地検が捜索(11/18) 【守屋喚問④】静かな国会(11/15) 【守屋喚問③】展望・みえてきた今後の動き(11/15) 【守屋喚問②】ぼくの感想 散文詩で(11/15) 【守屋喚問①】証人喚問から帰りました(11/15) 東京地検特捜部、宮崎元伸容疑者を逮捕 防衛利権に捜査のメス(11/8) 福田内閣が発足 閣僚11人が「二世」(9/25) 安倍改造内閣は「土俵際内閣」 このダムが決壊したら救援なし(8/27) |
こう見ると、ちょっとしつこい?(笑い)。
でも、防衛利権の食い逃げは、巨額の税金の無駄遣い。完全に特捜部マターになるまでは、しっかりウォッチする所存です。
この記事の本文は以上です。宮崎信行。
【国会傍聴記 2007-11-22 参院財政金融委員会】
防衛利権に絡む額賀財務大臣に対する民主党の追及。(写真は時事)
辻泰弘さん(兵庫選挙区)、大塚耕平さん(愛知選挙区)が「逆転の夏」断トツトップ当選の余勢で寒波を吹き飛ばしました。
まずは「登場人物」のご紹介。防衛利権の一連の追及で、新しいプレーヤーが続々登場しました。
・日本橋人形町の料亭「濱田屋」
・「同席者」=宮崎容疑者+ジム・アワー元国務省部長+守屋次官+額賀大臣との宴席の「同席者」(辻さんが聞き取り調査)
RCC(整理回収機構)
経済産業省
財団法人国際交流協会(経産省が監督する公益法人)
http://www.disclo-koeki.org/02a/00145/
三井住友銀行
西川善文さん(現在は日本郵政社長)
・・・おいおいっ!というぐらいの、凄まじさ。
辻さん、大塚さんらの質問で出てきました。付いて行くのが大変でしたが、なんとか今日のところはこうしてエントリにしてます。
ネット中継見ながら、公益法人の概要などをグーグル検索してました。
いきなり大学時代の先生が理事に名前が出てくるとさすがにドキッとしますね。まあ、「場」に使われたということですが。
公益法人(財団法人と社団法人)というのは防衛省だったり、外務省だったり、経産省だったり、いろいろな監督官庁がでてきます。政商や政治家というのは本当に悪知恵だけは働く連中です。
でも、この混沌を乗り越えなければならない。防衛利権の解明なくして、予算案の審議入りなんかできるわけない。
臭いものに蓋をして50年間も政権を担ってきた自民党政治の構造的ウミを出さないと、今度こそおしまいです。
日銀マン出身の大塚さんがあれだけ激しく額賀大臣を攻めたのが論より証拠。党利党略で動く“サラリーマン議員”だったら、あそこまでの「凄まじい追及」はできません。
[チーム民主を支える“メモのやり取り”]
「チーム民主」の凄まじい追及の過程で、委員同士の“メモのやり取り”があります。今日も大塚さんに円より子さん(比例)がメモを渡したように見受けられました。質疑を聴きながら、気付いたことをメモを使って質問者に連絡しています。参院外交防衛委員会の「守屋喚問」でも、参院決算委員会などでもありました。
また、前日までの同僚議員の衆参の議事録を有効活用しています。
「IT革命が民主党の凄まじい追及を可能にした」と言えそうです。
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民主党の辻泰弘参院議員は22日の参院財政金融委員会で、額賀福志郎財務相が防衛専門商社「山田洋行」元専務、宮崎元伸容疑者、守屋武昌前防衛事務次官、ジェームス・アワー元米国防総省日本部長との宴席に同席していたとされる問題に関し、額賀、守屋両氏に対する証人喚問を同委員会で同時に行うよう要求した。辻氏は両氏の説明に食い違いがあると主張している。喚問に関しては同委員会の理事会で協議される。(共同)
額賀氏と山田洋行元専務、「宴会同席で新証言」・民主側追及
民主党の辻泰弘氏は22日午前の参院財政金融委員会で、防衛専門商社「山田洋行」元専務の宮崎元伸容疑者と額賀福志郎財務相が宴席で同席していた事実を示す守屋武昌前防衛次官以外からの新証言を得たと追及した。額賀氏は当日夜は他の会合に出席していたとして同席を重ねて否定した。
辻氏によると、証言者は経済産業省所管の財団法人「国際研修交流協会」が開催した講演会の慰労会として昨年12月4日に東京・人形町の料亭で開いた宴席会合に同席。当日の席順なども詳細に語っているという。
額賀氏は「財団法人理事長に元専務らと同席したか聞いたところ『全くない』と断言してくれている」と反論。当日午後6時すぎに東京・銀座で家族や友人と夕食を取った後、午後7時から東京・永田町の「日米平和・文化交流協会」会議室で開いた学識経験者や旧防衛庁OB、同協会の秋山直紀専務理事らが出席する勉強会に出席していたと説明した。(日経)
【国会傍聴記 2007-11-21 衆院厚生労働委員会】(写真は読売)
このブログはほとんど趣味でやっているんですが、「視聴率」が高ければうれしいんですよ、人間だもの。
で、長妻さんがでると、このブログの「視聴率」が上がるわけです。
衆院厚労委で長妻昭ネクスト年金担当大臣(東京7区比例)が登壇。「やった!」とメモを取り始めました。
民主党の「年金流用禁止法案」はすでに参院を通過し、衆院に送付されています。
これを受けて、自民党と公明党が衆議院先出しで対案を出しました。
よって、衆院厚労委では「民主党案(参院可決)」と「自公案(対案)」を議論します。
ちなみに正式名称は「「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案」。
「ねじれ国会」ややこしいよ~。
で、「対案」の 発議者である、自民党の大村秀章さん(愛知13区)、吉野正芳さん(福島5区)、公明党の古屋範子さん(南関東比例単独)らが長妻さんらの質問に答弁したんですが、これがメチャクチャ。ひどいのなんのって、もう嫌になりました。
民主党案は年金保険料は、年金支給のみに充て、支給以外には使わない=年金流用禁止と単純明快。「橋本内閣より前の状態に戻す」と言い換えることもできます。
自公はこれを見ながら対案を作ったものだから、「大規模なハコモノを作らない」という中途半端な内容。
長妻さんが「年金広報センターという建物は作れるのか?」と質問すると、吉野さんは「大規模な建物はつくれない」と答弁。
吉野さん本人もわけがわからないようでした。
だったら、「財団法人年金広報センター」を作って、オフィスビルを間借りすることはできるんでしょう。そこに理事長として社保庁職員が天下りできます。
この対案の論理構成は長妻さんなら1秒で壊せます。
これを最近のことばで表現すると、「自公の対案ってイタイよねぇ~~」ということになります(笑い事でありません)。
そもそもなんでこんなヒドイ対案を出したんでしょう?
提案者は国対委員長とかに指名されて、うれしかったんでしょうか?
法案を作る上で、党政調会事務局に協力してもらったんですか?
衆院事務局に協力してもらったんですか?
まさか厚労官僚に作ってもらったの?
こんな中途半端な法案で審議を混乱させてどうすんの!?
せっかく長妻さんが出てきたのに、「拍子抜け」。ここまでヒドイ国会は珍しい。
○舛添厚労相、「クリスマス・プレゼント」発言を謝罪
なお、これとは別に舛添要一厚労相は「消えた(宙に浮いた)年金記録」5000万件のうち、500万件分の年金納付記録を「ねんきん特別便」として年末に郵送できることを確認しました。
「ねんきん特別便の封筒がダイレクト・メールに似ていて、間違えて捨てられる可能性がある」との長妻さんの指摘に関して、
「おっしゃる通りだ。今日中ならゲラが直せるはずなので、直す」と封筒のデザイン変更を約束しました。
これに先立つ質疑で、「年金通知はクリスマス・プレゼント、お年玉だ」と舛添厚労相が民放で語ったとの長妻さんの指摘に対し、事実を認めました。舛添さんは「表現に問題はない」としましたが、長妻さんの再度の質問で、発言が不謹慎だったと認め、謝罪しました。
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(写真は小沢一郎ウェブサイトから)
「政治判断、今でも正しいと」 小沢代表インタビュー(朝日新聞) - goo ニュース
今日付の朝日新聞に民主党の小沢一郎代表の独占ロングインタビューが掲載されています。
これを読むと、「大連立」騒動のナゾが相当解けました。
アサヒ・コムに載っているのはダイジェスト版のようですし、このインタビューはインタビュー中の小沢さんの写真が何枚も載っていて、表情が実に面白い。
ぜひ、今日中に購入されたらいいと思います。日が経っても、販売店に頼むと、数日分はバックナンバーがあるはずです。
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【国会傍聴記2007-11-15参院外交防衛委員会】
私が「証人喚問」を傍聴したのは、昨日(15日)が初めてでした。
昨日はTVや傍聴人などの関係で、第一委員会室という参院で一番大きい委員会が特別に使われました。
ここは「国会中継」の参院予算委員会でおなじみの会議室です。
予算委は45人です。
昨日は2列の会議室に21人の委員が座り厳かな雰囲気。
ヤジは山本一太委員に向けた「いい質問だ!」のひとことだけ。
帰宅後に聞いてみたところ、NHK中継も「静かだった」そうです。
とはいえ、拍手もヤジも飛ばない議会というのもいいものですね。
比較すると、衆院予算委員会はテンション高すぎ。あれはあれでいいと思うけど。
で、初めは気付かなかったけど、いつもは45席ある予算委の席が、ゆったりとした21席のソファに模様替えされていたわけです。空席はありませんでしたから。普段からこのくらいゆったりしていたら、落ち着いてできるのに。
というわけで、証人喚問のMVP、「無冠の王者」は目立たずに参院第一委員室の模様替えをしていた参院事務局の衛視さんら職員のみなさん、あなた達です。
◇
最後列の傍聴席には、はじめは輿石東民主党参院議員会長ひとり。ある程度聞いて、安心した顔で、出て行きました。米長晴信さんがかなり長く聞いていたし、衆院テロ対策委員会の川内博史委員も姿を見せていました。頻繁に出入りしていたのは、おそらくTV、ネット、通信社電を党職員らとチェックしていたのでしょうか?そう言えば、犬塚さんの質問中にメモが回ってきて、それを読み上げる形で守屋証人に聞いたのが一回ありました。
自民党では、世耕弘成議運委理事がやってきて、山本一太委員と少し相談していました。TVでおなじみの両氏は参院自民党内でもディレクターやシナリオライターのような位置になっているようです。「久間、額賀」証言が出た後なので、その対応の話だったのかも知れません。
【宮崎元伸容疑者と守屋前防衛次官への金銭疑惑】
11/2参院外交防衛委、「守屋喚問」「宮崎招致」を決定 与党は審議拒否
10/29【国会傍聴記】野党各党が守屋証人から複数の“地雷”引き出す 政局大波乱へ 給油継続断念も
10/29守屋喚問のポイントはJ・F・K
10/20防衛省の守屋前次官、軍需産業から接待 特捜部も関心?
10/15民主党、守屋前防衛次官を証人喚問要求へ 参院予算委で
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(写真はMSN産経)
【国会傍聴記 2007-11-15 参院外交防衛委】
今回の出色の証人喚問の最終部分を聴きながら、第一委員会室の傍聴席で今後の展望を考えてみました。
民主党議員と自民党議員により、多くの「?」を解決できた今回の証人喚問ですが、それだからこそ新しい課題も出てきたのです。
①久間章生初代防衛大臣の議員辞職
久間さんは入院中です。航空機課長への口利きについて、守屋証人から決定的な答えは出ませんでした。ただ、司直の手が伸びているようですので、道義的責任から議員辞職ないしは逮捕される可能性が極めて高くなりました。参院民主党は久間初代大臣と額賀現職大臣の証人喚問を要求するのではないでしょうか。
②額賀財務大臣の辞任または問責
そして、①に加えて、額賀大臣には福田内閣の現職閣僚でありながら、守屋・宮崎との会食について衆院でも、閣議後会見でハッキリ否定していました。うそをついた道義上の責任から更迭されるかもしれません。また参院民主党が問責決議案を提出する可能性があります。参院史上、大臣への問責決議は過去にただ一件だけあります。それがナント額賀さんなのですから、シャレになりません。そうすると、そういう人物を閣僚にすえた福田首相の任命責任を問われる事態へと発展していくことでしょう。
③「沖縄利権」という問題 沖縄利権vs防衛利権
付随的に出てきた印象ですが、質疑を聴きながら、
「沖縄利権vs防衛利権」という構図があることに気付きました。
そうするとTVを騒がした
「防衛大臣の小池百合子さん(沖縄担当相経験者)vs守屋事務次官」
の対立の構図は
「沖縄利権 vs(既存の)防衛利権」
のせめぎ合いだった可能性があります。
そして以上①②③に共通することは
佐藤派→田中派→竹下派の平成研究会vs福田派→森派の清和会
という対立図式になっています。
つまり、
①は久間さんは「平成研」所属vs2人を追及した山本一太さん=清和会
②も額賀さんが「平成研」所属vs2人を追及した山本一太さん=清和会
佐藤栄作首相と田中角栄通産大臣のコンビで沖縄返還をなしとげて以来、沖縄利権は同派の牙城でした。橋本龍太郎さんは生涯に45回以上沖縄に行っていたはずですし、小渕恵三さん、鈴木宗男さん、野中弘務さんと「沖縄族」がひしめいていました。
ところが、ある時から沖縄利権は、森喜朗元首相、尾身幸次前財務大臣、小池百合子前防衛大臣と、清和会の牙城へと変わっていきます。
これはなぜなんでしょうか? 謎です。
そして、最後に
④イージス情報漏洩に米国が激怒→新テロ特措法へのこだわり?
という疑惑です。
守屋証言では、彼の事務次官時代の海上自衛隊のイージス艦(日米韓)情報が漏洩したことに関し、米国が激怒。アーミテージ国務副長官に呼び出され、渡米し、陳謝したことが明らかになりました。
ハッキリ言って、共和党政権である限り「日米同盟とは、アーミテージそのものにほかならない」と表現しても、真っ向から全否定できる人はいないでしょう。アーミテージが激怒していたというのは驚きでした。そしてその怒りを払拭できていないのを知っていながら、「唯一の同盟国」を強調してきた石破防衛大臣の答弁に私が怒りを覚えました。
だったら、その“罪滅ぼし”が、政府があそこまでこだわる、インド洋での給油活動なのではないでしょうか? おなじ海上自衛隊のオペレーションです。安倍前首相がくりかえした「国際公約」とは「イージス情報漏洩の償い」だったのではないでしょうか?
以上、4点が私の疑問であり、今後の展望です。
「君子は本を務む、本立ちて道生ず」です。安全保障のことは徹底的に基本からやらなければいけない。だとしたら参議院。そして今の外交防衛委員会はなかなかの論客がそろっています。この際、徹底的にやればいいんですよ。
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【宮崎元伸容疑者と守屋前防衛次官への金銭疑惑】
11/2参院外交防衛委、「守屋喚問」「宮崎招致」を決定 与党は審議拒否
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10/29守屋喚問のポイントはJ・F・K
10/20防衛省の守屋前次官、軍需産業から接待 特捜部も関心?
10/15民主党、守屋前防衛次官を証人喚問要求へ 参院予算委で
(写真は参院公式ウェブ)
【国会傍聴記 参院外交防衛委 守屋証人 感想編】
民主党はよくやった。「国会傍聴記by下町の太陽」で紹介していた浅尾慶一郎筆頭理事(民主党ネクスト防衛相)は徹底的に調べていた。他の委員との連携も上手かった。ディベート術は西海岸スタンフォードで身に付けたの?
「知らないで知っているフリ」がうまい大臣は数多いが、「知っていて知らないフリ」する大臣(ネクスト防衛相)の方がはるかにかっこいい。証人が「賭けゴルフ」を認めたので、「賭け麻雀については武士の情け」で聞かなかった。
北澤俊美委員長の質問もチーム浅尾と情報を共有していたようだ。とはいえ、委員長として中立公平という分は十分わきまえていた。ねじれ国会にベテラン健在。
自民党の山本一太さんもよくやった。こっちは東海岸ジョージタウン。
額賀、久間は平成研。山本さんは清和会ということは今日は言わない。与党としてあれだけ踏み込んだのは立派。
山本さんが政府に入っていた時を除き、ずっと外交防衛委員会にいる浅尾、山本コンビ。党派を超えた大ヒット連発はその延長線上。
今日の勝利は、民主党でも、自民党でもなく、参院であり、外交防衛委だと思う。
政治家の名前を言いよどむ守屋証人。
感極まって涙ぐむ守屋さん。
代替滑走路の「V字案」「L字案」を人差し指でとんぼを指さすこどのもようにいきいきと話す守屋さん。本当に沖縄が好きだったんだなあ。
次女の留学費用はすべて自分のお金だと強調した。衆院議員だったおやじさんが六十歳を超えて出来たこどもが守屋武昌さん。だったら「仙台の山」以外にあまり父の思い出がないのかもしれない。守屋さんにとって、家族というものは特別な意味を持っていたのだろう。そこにつけ込まれる隙があったのだと思う。守屋さんのこれからの人生で同じようにスポットライトを浴びることはもうないであろう。でも、言うべきことは言ったと思う。
巨悪は他にいる。
僕は確信を持った。久間初代防衛大臣(長崎2区)の証人喚問を求めたい。まだまだ疑惑解明は端緒についたばかりだ。今日の議事録は防衛利権をめぐる課題の目録に過ぎない。真相解明は特捜部に任せて、目録を少しずつ章分けして行って欲しい。
昨日の日本より、ちょっといい日本になった気がした。平成19年11月15日午後3時29分。散会した参院第一委員会室の一般傍聴人席で僕は思った。ちょっと空しかったけど。
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証人喚問を聞き終えて、国会議事堂から帰りました。
すでにいろいろと報道されていると思います。
きょうはとてもいい出来でした。
「参院ここに極まれり」と言っても良い議論がありました。
委員長質問で踏み込んだ質問をした北澤委員長。
徹底した調査→連携→交渉術で「久間」「額賀」などの証言を引き出した民主党の「チーム浅尾」。
与党・自民党所属ながら、外交防衛委員としての長年の経験から、民主党の証言を再確認し、政官業の癒着の問題にひとり敢然と踏み込んだ山本一太さん。
大変評価したいと思います。
今回の証人喚問は
①【本記】議事録+そのときの僕の感想+議場メモ
②【感想】守屋さんの表情の変化+参院の存在感発揮
③【展望】議場内でみえてきた今後の4つの動き
の3本で構成したいと思います。
ただし、下町の太陽は相当なのんびり屋ですので、なだらかにアップしていきます。まあ今日中には全部出ません。
(写真は産経新聞社「iza」から)
きょう(15日)午後1時から、参院外交防衛委員会で初代防衛省事務次官の守屋武昌さんに対する証人喚問が行われます。
これに先立つ午前9時半からは米津佳彦・山田洋行社長の参考人質疑。
10月29日の衆院テロ防止特別委員会に続き国会では2回目の証人喚問。
ただし、証人喚問終了後、早ければきょう中、あるいは月内に、東京地検特捜部が守屋さんの身柄を拘束(逮捕)し、東京拘置所(小菅)に体を移す可能性があります。
国会としては“ラストチャンス”の気構えで明らかにしなければならないことがあります。
①「ミスターX」はだれ?
それは衆院喚問で明らかになった
「山田洋行元専務の宮崎元伸山田洋行元専務&守屋さんと会食した防衛庁長官を含む複数の政治家の実名」です。
朝刊各紙ではあまりこのことに触れていません。昨夜のNHKニュース7のように社会部記者を原稿を書いているのでしょう。
しかし、これは最優先で国会が絶対に明らかにしないといけない案件です。なぜか?
東京地検特捜部はことし、政治家をめぐるスキャンダルで、本丸と思われた政治家と二の丸と思われた特殊法人理事を共に取り逃がしてしまうという大ミスをしました。さすがの特捜も自殺されたら、捜査できません。
特捜は同じミスはできません。報道によると、今事案では、防衛官僚20人以上から一斉に参考人聴取するという、極めて異例かつていねいな捜査をしているもようです。米国に飛んだ検察官(検事)もいるようです。特捜部と言っても部長以下、50人ほどの検事で複数の事案をやってますから「本丸を逮捕できなくても、しょうがない」という考えで、これだけ手広くやるとは思えません。ですから、
「国会が明らかにできなかった政治家の名前を特捜が明らかにした」
という構図になると、「権力構造がひっくり返り、国会の権威が地に落ちる」と言う人も出てくるでしょう。
②衆院で“偽証”?
陸上自衛隊の次の主力輸送機候補(コードネームは「CX」)のエンジンの選定に関する問題。
米国GE社製のエンジンの日本での販売代理店は山田洋行でした。
ゼネラル・エレクトリック(GE)は発明王トーマス・アルバ・エジソンが創業した会社です。
エジソンがとった1万数千件の発明特許はいまでも米国に膨大な数十兆円ほどの富をもたらしていると試算されています。正確な数字は覚えていないけど、数年前のNHKスペシャルでやっていて驚いたのはハッキリ覚えています。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の代表的インデックス
「ダウ・ジョーンズ30種工業株平均(DJ、通称ダウ平均)」で現在まで「30種」に入り続けている会社は「GE」ただ一社です。
守屋さんが防衛庁防衛局長として「GEの日本での販売代理店がどこの会社か知らなかった」という趣旨の衆院での発言は、国民を愚弄するにもほどがあります。
③水増し請求
そして英国軍事産業の最大手「BAEシステムズ」社が作成した見積書が山田洋行から日本政府にわたった時点で、見積総額が増えていた「水増し請求」疑惑。これは衆院で民主党の川内博史さんが追及しました。
軍隊の調達は「戦闘機って1機いくら?」という世界ではありません。同じ会社の同じ型の同じ性能の機械を大量に買い揃えます。
そうしないと、編隊飛行の訓練、整備のしかた、幹部の図上演習など何にもできない「バベルの塔」。
よって、一つの契約が長期間に巨大な総額の取引になっていくのです。
このことが防衛利権にメスを入れる最大の眼目です。ですから、ウミは徹底的に出し出して出し切らないといけない。食品偽装や建築偽装とは性質が違います。
この改革なくしては、自衛隊のあすも国際貢献のあすも国民のあすもないのです。
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10/15民主党、守屋前防衛次官を証人喚問要求へ 参院予算委で
【資料編】
平成19年10月29日(月曜日)衆院喚問の議事録
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/013316820071029004.htm
【注目記事】
GE社員を参考人聴取 東京地検特捜部(朝日新聞) - goo ニュース
(写真は「お昼のNHKニュース」)
【国会傍聴記 2007-11-14 参院本会議】
きょうの逆転国会のポイント
①政府関係機関の人事案を否決(不同意)
②内閣提出法案(閣法)が3本成立
と一見両極端の結果。ところがこれは国会運営が完全に民主党ペースになってきたことを意味してるのではないですか。野党が閣法を全否決したら、支持率は下がりますから。
○政府提出の人事案、3人を否決 国会の不同意確定
午前10時開会。
「14機関28人」は4つの議題に分割して、採決しました。
まずは、
[①]
まず一括して採決をとったのは、国家公務員倫理審査会の4人のうち3人や地方分権改革推進委員会委員など。
政府案は国家公務員倫理審査委員に草野忠義さんらを指名。
ちなみに草野さんは1966年東大経済学部卒→日産自動車入社→日産労組書記長→自動車総連会長→連合副会長→連合事務局長という経歴。つまり民主党(民社協会)系の人ですが、政府・与党が指名しているわけですよ。
会計検査院の検査官には山浦久志さん(明大院・会計専門職研究科長)
地方分権推進委のメンバーは、当初、朝日新聞が「山田京都府知事」と報じました。内閣官房が衆参の議院運営委員会に案を出す前だったので問題になり、政府は人事案のさしかえを迫られました。
「京都府知事案」は総務省ないし内閣官房の職員がリークしたのだと私は推測しています。だとしたら、「逆転国会」を理解できていない。歴史認識が浅いです。
採決の結果、京都府知事に代わり、西尾勝東大名誉教授を充てるなどの一連の人事案件は
総数 226 「賛成」226 「反対」0、
江田議長は「全会一致で同意することに決しました」。
[②]
次に「公務員倫理審委員のうち北城恪太郎さんを充てる人事案件など」。
北城さんは財界人です。経済同友会の代表幹事をやっていましたが、小泉構造改革路線の協力者として、国民新党が「小泉イズムに染まっている」として不適格だとしています。
総数 222 「賛成」215 「反対」7
投票総数が4人減っているのが気になりますが、国民新党でしょうか?
衆院と違い、参院では国民新党は民主党と統一会派を組んでいます。まあそのくらいのカオス(混沌)は無視しないと「ねじれ国会」の全体像はつかめません(国民新党殿、ごめんなさい)。
[③]
国家公安委員には田尾健二郎さん(裁判官)が就任します。
(総数224、賛成210、反対14=共産・社民)
さて。
[④]
「公害等~~審査会」に田中義枝さん(厚生省医官)、「労働保険審査会」に平野由美子さん(人事院)、運輸審議会に長尾正和さん(東大法→運輸省部長)の3人の人事案。
総数229 賛成105 反対124で否決されました。
この瞬間に、法律の規定上、この3人の就任は完全に消えました。
同時に「年収1800万円」がパー!!(朝日14日付「時々刻々」参照)
まあ、人生なんて運ですから。
○閣法が相次ぎ成立
次に衆院から送られた政府提出法律案が議題になりました。
消費生活用製品安全法の一部を改正する法律案
電気用品安全法の一部を改正する法律案
気象業務法の一部を改正する法律案
が全会一致や賛成多数で可決、成立しました。
9月10日召集から2ヶ月経ってようやく国会も調子が出てきました。
(上記3法の概要↓ ※google検索の方が便利かな?)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/gian/a3.htm
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【エントリーご紹介】「国会同意人事」をめぐる168臨時国会の流れ
【逆転国会】政府人事案が不同意確定 厚生、運輸、人事院出身の3人 参院本会議(11/14)
【国会傍聴記】衆院本会議 国会同意人事とテロ特可決 主戦場の参院へ送付(11/13)
衆参両院の議運委員長、同意人事「早期収拾」で合意(10/31)
国会同意人事案件 政府リストが朝日新聞に流出 政府が候補者さしかえ作業(10/26)
国会同意人事とテロ新法 自民党国対が民主党国対に「談合」もちかけ(10/5)
【国会傍聴記】輿石会長、逆転国会で参院民主党の攻勢を予告 参院代表質問(10/4)
理解に苦しむ参院民主党・輿石会長 予算委員長は自民(9/7)
【新聞記事】
国会同意人事56年ぶり「不同意」 次は日銀総裁焦点(朝日新聞) - goo ニュース
政府が今国会に提出していた国会同意人事案件14機関28人分のうち3機関3人分が、14日午前の参院本会議で、民主党など野党の反対多数で否決された。投票総数229のうち、賛成105、反対124だった。同意人事が「不同意」になったのは、51年に参院で電波監理委員会(当時)の委員1人が否決されて以来56年ぶり。来年3月には同意人事の対象となる福井俊彦・日銀総裁の任期切れが控えており、与党と民主党が協調可能な人選ができるかどうかが焦点になる。
「不同意」になったのは、労働保険審査会委員の平野由美子・元国家公務員倫理審査会事務局長、運輸審議会委員の長尾正和・元運輸省海上技術安全局船員部長、公害健康被害補償不服審査会委員の田中義枝・元国立感染症研究所企画調整主幹の3人。野党のうち民主、社民、国民新の各党はいずれも反対、共産党は賛成した。その他の13機関25人は同意された。
同意人事をめぐっては13日の衆院本会議で、28人全員が同意されたが、予算案や法案で認められている衆院の優越の制度はなく、両院のいずれかで否決されれば不同意となる。不同意となった田中、平野両氏は各機関の設置法に基づき、後任人事が国会で同意されるまで暫定的に職にとどまる。長尾氏は任期満了日だった今月1日付で退任の扱いになる。
【国会傍聴記 2007-11-13 衆院本会議】
議題は2つ。
○国会同意人事案件
NHK経営委員会委員など政府機関の人事。
任期切れが近い14機関28人について政府案に国会が承認を与えます。
ちょっと詳細は現時点でよく分からないのですが、
「異議なし採決」による全会一致の案件
「起立採決」による賛成多数の人事案件が数件といった形で
いくつかに分けて河野洋平議長が採決をとりました。
衆院ですから、与党の賛成多数ですべて可決(承認)しました。
いったん、本会議場から離れます
けさの朝日などの報道によると、2機関(労働保険審査会、運輸審議会)の3委員は明日の参院本会議で民主党、社民党、国民新党が不同意することで一致。民主党は他の1機関1委員も不同意の方針で調整中とのこと。無所属議員の動向もあり、調整中のようです。
国会同意人事は憲法・国会法などに「衆院の優越」の定めがありません。
空席になる場合もあります。
本会議の1時間半後、民主党の小沢代表は記者会見で「出身が官庁だということで(同意が)100%ノーということではないと思います、(党の)みんなの中では」と語りました。これは2008年3月の日本銀行(日銀、BOJ)の総裁人事で、「武藤敏郎副総裁の昇格」が「財務省出身という理由で不同意」になる可能性があるのか?という趣旨の記者の問いへの答えです。
で、本会議場に戻ります。
○新テロ対策特別措置法は賛成多数で可決→参院へ
さてさて、新テロ特措法案です。新聞表記は「補給支援法案」「給油新法案」「給油特措法案」など分かれていますので、正式名称を書いておきます。
テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法案(内閣提出)
重要法案ですので、記名投票採決(堂々めぐり)をしました。
結果は投票総数 455
「賛成」(白票) 327
「反対」(青票) 128
で可決。参院に送られました。
【国会傍聴記】“スミ塗り”資料のまま、新テロ特措法、衆院委通過
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新テロ対策特措法案、衆院を通過(読売新聞) - goo ニュース
衆院は13日午後の本会議で、インド洋での海上自衛隊の給油活動を再開させるための新テロ対策特別措置法案を自民、公明両党の賛成多数で可決した。
政府・与党は12月15日まで延長した今国会での法案成立を目指し、14日の参院本会議で新テロ法案の趣旨説明を行うよう野党側に求めているが、参院第1党の民主党は反対しており、審議入りのめどは立っていない。
新テロ特措法案は11月1日に失効したテロ特措法に代わるもので、海自の活動内容を海上阻止活動を行う米英などの艦船への給油・給水活動に限定、活動期限を1年間とし、旧法にあった国会の事後承認規定は削除した。
(写真はNHK国会中継から、「スミ塗りの資料では議論のしようがない」と政府・与党の対応を批判する民主党の松野頼久衆院議員)
【国会傍聴記 2007-11-12 衆院テロ対策特別委員会】
今国会の最大の焦点となった「テロ特」。
米軍のOEF(不朽の自由作戦)のインド洋上での活動(油などの補給)への参加継続について、40時間55分にわたる議論が今日終わりました。
私たちの同朋も巻き添えになった米国中枢同時多発テロ(9・11)。
首謀者であるウサマ・ビンラーディン容疑者を逮捕できないまま、海ではインド洋、ペルシャ湾、陸ではアフガニスタン(パキスタンなど経由)、イラクなどで「テロとの戦い」は続いています。
11月1日に根拠法が失効し、政府が出し直した新テロ対策特別措置法案(補給支援特措法)の最後の議論です。
午前中。
○BAEシステムズの「見積書」にふしぎな費目 「技術支援費」
「守屋喚問」で得点をあげた民主党の川内博史さん(鹿児島1区比例)。
何度も質問に立った川内さんにとっての卒業質問。心残りがあったようです。
英国最大手の軍事産業「BAEシステムズ」が作成した見積書。
川内さんは平成12年(2002年)の見積書の写しを入手したようです。
この見積書が
BAEシステムズ→山田洋行(代理店)→防衛省
とわたる過程で、「技術支援費」という費目が加えられていたことを川内さんは突き止めました。
この「技術支援費」は、英国社も「知らない」そうで、山田洋行が書き加えたもようです。
川内さんはもはや、大臣の答弁を求めません。防衛省背広組ナンバー2である小川秀樹・防衛参事官さんにひたすら質問。
そして最後に石破防衛相にヒトコト求めます。
「五年前のことだから」。
午前の質疑は終わりました。
○スミ塗りの文書では議論にならない
午後からは福田首相が出席。与野党2時間で最後の締めくくり総括質疑。
民主党の松野頼久さん(熊本1区)は「合計794件の給油活動で何をしたか。オペレーション(軍事作戦)の情報を出してください」と福田首相、町村官房長官、石破防衛相に最後のお願い。
そして防衛省が民主党に提出した文書をパネルで見せました。
「黒塗りだらけの文書。これだけの情報で、どうやって賛成と反対を考えろというのですか」。
とてもとても重い質問です。
石破「船(の活動)は我々(海自)だけでやっているのではない」
松野「米海軍は活動実績をどんどんホームページに出している。米はどん
どん公開して、感謝の念を持つという文化が根付いている。自衛官
の必死の活動は黒塗りにしなければ出せないのか」
午後3時5分。深谷隆司委員長(自民党)が「質疑の終局」を宣言。
討論は、自民党の田中和徳さんが「賛成」、公明党の富田茂之さんが「賛成」。この後、委員長は日本共産党の赤嶺政賢さんを指名しました(赤嶺さんは「反対」を表明)。
民主党が討論を飛ばされたのは、「質疑の終局」は認められないと、川内理事らが委員長に抗議を続けていたからだと思われます。
社民党も指名されませんでした。
この後、自民党・公明党の賛成多数で、新テロ特措法は可決。あす(13日)の本会議で記名投票採決のうえ、可決→参院に送付される見込みです。
○参院では常任委員会が審議→定例日は週2回
参院では外交防衛委員会に付託されます。
外防委は常任委員会ですから定例日は週2回(火、木)です。委員長は民主党副代表の北澤俊美さん(長野選挙区)です。
参院では付託初日の15日(木)から山田洋行社長の米津佳彦参考人、前防衛事務次官の守屋武昌証人から話を聞きます。
証人喚問には民主党から浅尾慶一郎ネクスト防衛相(神奈川選挙区)、自民党から山本一太さん(群馬選挙区)らが立ちます。
この2人はずっと外交防衛委員をやっていますので、相当期待できそうです。
会期末の12月15日まで、あと、33日です。
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(写真は谷垣禎一公式ウェブ)
自民・谷垣氏「予算編成がガタガタしないように」(日経=共同)
自民党の谷垣禎一政調会長は11日、大阪市内で講演し、年末の来年度予算案編成について「政治の混乱で12月末にできないと経済に響く。米国も少し景気が後退しており、予算編成がガタガタしないよう政治のかじ取りが大事だ」と述べ、越年は避けるべきだとの認識を示した。〔共同〕(23:26)
◇
政府・与党の政策責任者である谷垣さんが、平成20年度予算政府案の「越年は避けるべきだ」と言ったことは翻せば「国会の会期延長などで越年の可能性が出てきてまずいなあ」という心境でしょう。
ただ、解散権は福田首相にありますから、自民党大幹部の谷垣さんもきょうの時点では解散がいつあるか知らないと思います。
この発言は大阪市長選挙の自民党・公明党推薦現職の応援で出た言葉です。大阪市長選は自民・公明推薦の現職が厳しい闘いを強いられていると世論調査に基づく報道がされています。民主党推薦・新人の元民放ニュースアナウンサーがわずかにリードしていて、現職と共産新人と無所属新人が追っているとの情勢分析が報道されています。
政府・与党としてしっかり予算をつくって、「来年度予算も福田内閣で執行させてください!」というアピールでしょう。
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【ところで】
「谷垣さんは官僚出身」という誤解があまりにも多いようですね。谷垣さんは東大法学部卒ですが、役所勤め経験はないんですね。司法試験に合格し、弁護士をやってたんです。地元京都の代議士だったお父さんが亡くなったので、急きょ、補欠選挙に出て初当選しました。
宮沢喜一首相以来、東大法学部卒の首相が出ていないので、霞が関には谷垣待望論があるようです。10年ほど前に文藝春秋がやった「官僚が選ぶ未来の首相」みたいなアンケート企画で1位になったことがあります。まあ、「官僚らしい」証拠でもあるんですけどね。