【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【国会傍聴記】“黒塗り”資料のまま、新テロ特措法、衆院委通過

2007年11月13日 01時15分13秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

(写真はNHK国会中継から、「スミ塗りの資料では議論のしようがない」と政府・与党の対応を批判する民主党の松野頼久衆院議員)

【国会傍聴記 2007-11-12 衆院テロ対策特別委員会】

 今国会の最大の焦点となった「テロ特」。
 米軍のOEF(不朽の自由作戦)のインド洋上での活動(油などの補給)への参加継続について、40時間55分にわたる議論が今日終わりました。
 私たちの同朋も巻き添えになった米国中枢同時多発テロ(9・11)。
 首謀者であるウサマ・ビンラーディン容疑者を逮捕できないまま、海ではインド洋、ペルシャ湾、陸ではアフガニスタン(パキスタンなど経由)、イラクなどで「テロとの戦い」は続いています。

 11月1日に根拠法が失効し、政府が出し直した新テロ対策特別措置法案(補給支援特措法)の最後の議論です。

 午前中。

○BAEシステムズの「見積書」にふしぎな費目 「技術支援費」

 「守屋喚問」で得点をあげた民主党の川内博史さん(鹿児島1区比例)。
 何度も質問に立った川内さんにとっての卒業質問。心残りがあったようです。
 英国最大手の軍事産業「BAEシステムズ」が作成した見積書
 川内さんは平成12年(2002年)の見積書の写しを入手したようです。

 この見積書が

 BAEシステムズ→山田洋行(代理店)→防衛省

 とわたる過程で、「技術支援費」という費目が加えられていたことを川内さんは突き止めました。
 この「技術支援費」は、英国社も「知らない」そうで、山田洋行が書き加えたもようです。
 川内さんはもはや、大臣の答弁を求めません。防衛省背広組ナンバー2である小川秀樹・防衛参事官さんにひたすら質問。

 そして最後に石破防衛相にヒトコト求めます。

「五年前のことだから」。

 午前の質疑は終わりました。

○スミ塗りの文書では議論にならない

 午後からは福田首相が出席。与野党2時間で最後の締めくくり総括質疑。
 民主党の松野頼久さん(熊本1区)は「合計794件の給油活動で何をしたか。オペレーション(軍事作戦)の情報を出してください」と福田首相、町村官房長官、石破防衛相に最後のお願い。

 そして防衛省が民主党に提出した文書をパネルで見せました。

 「黒塗りだらけの文書。これだけの情報で、どうやって賛成と反対を考えろというのですか」。

 とてもとても重い質問です。

 石破「船(の活動)は我々(海自)だけでやっているのではない」

 松野「米海軍は活動実績をどんどんホームページに出している。米はどん
    どん公開して、感謝の念を持つという文化が根付いている。自衛官
    の必死の活動は黒塗りにしなければ出せないのか


 午後3時5分。深谷隆司委員長(自民党)が「質疑の終局」を宣言。

 討論は、自民党の田中和徳さんが「賛成」、公明党の富田茂之さんが「賛成」。この後、委員長は日本共産党の赤嶺政賢さんを指名しました(赤嶺さんは「反対」を表明)。

 民主党が討論を飛ばされたのは、「質疑の終局」は認められないと、川内理事らが委員長に抗議を続けていたからだと思われます。

 社民党も指名されませんでした。
 この後、自民党・公明党の賛成多数で、新テロ特措法は可決。あす(13日)の本会議で記名投票採決のうえ、可決→参院に送付される見込みです。

○参院では常任委員会が審議→定例日は週2回

 参院では外交防衛委員会に付託されます。
 外防委は常任委員会ですから定例日は週2回(火、木)です。委員長は民主党副代表の北澤俊美さん(長野選挙区)です。

 参院では付託初日の15日(木)から山田洋行社長の米津佳彦参考人、前防衛事務次官の守屋武昌証人から話を聞きます。

 証人喚問には民主党から浅尾慶一郎ネクスト防衛相(神奈川選挙区)、自民党から山本一太さん(群馬選挙区)らが立ちます。
 この2人はずっと外交防衛委員をやっていますので、相当期待できそうです。
 会期末の12月15日まで、あと、33日です。

↓クリックで「下町の太陽」を応援してください!

↓も一つクリック、ブログランキングの順位が上がります!
にほんブログ村 政治ブログ 政治・社会問題へ

応援ありがとうございます。励みになります。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿