少し前の話になりますが、10月29日(土)、山梨県甲州市にある於曽屋敷跡の発掘調査現地説明会に行ってきました。
於曽屋敷は平安時代末期〜鎌倉時代初期の甲斐東部の豪族於曽氏の館跡と伝えられ、その後板垣氏、次いで広瀬氏の居館となったといわれています。規模は約100m四方で、かつては内土手、外土手の二重土塁が巡っていたようです。現在は東側が公園となっており、内土手のほとんどの部分と外土手の一部が残っています。
調査は2013年と昨年も帝京大学が行ったようですが、今年度の山梨文化財研究所による発掘調査は公園に隣接する駐車場整備に先立って行われ、北東の虎口部分に接する地点を発掘していました。
今年度は、写真にあるように、東西に長い掘立柱建物跡や、石積みによる地下倉遺構、内土手の堀にあたる権兵衛川の旧河道などが検出されていました。 遺構からは、中世前半というよりは戦国期の様相を思わせるものが数多く出土しており、個人的には天正10年(1582)の武田氏滅亡からその後の天正壬午の乱に伴う同地域の緊張に関係するものではないかと思われました。 今後の調査が楽しみな館跡です。
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