1月17日(日)、第249回の見学会「北条氏照の城郭シリーズ2 八王子城太鼓曲輪・滝山城の構造を探る」が開催され、会員・一般の参加者合わせて29名の方が参加しました。
先ず、昨年度(一昨年の11月になりますが)時間の関係で行くことができなかった八王子城の太鼓曲輪を見学しました。
この曲輪は、八王子城の他の曲輪と違い、東西に細長い尾根に6本の大きな堀切を設けているのが特徴です。参加者の皆さんは、幅・高低差ともに15~20mはあろうかという大きな堀切の連続に感嘆の声を上げていました。主城部分にあるような石積みも一部で観察することができ、なかなか見応えのある曲輪だったと思います。一方で、御主殿の南側の丘陵部分に堀切を連続して設けたこの曲輪の性格については、見学してかえって疑問が芽生えた方が多かったようです。
太鼓曲輪の見学の時間設定に少々無理があり、予定よりも遅れてしまったので、時間節約のためにバスの車内で昼食を取り、次に滝山城を見学しました。
この滝山城は、永禄年間前半(1560年代初頭)に北条氏照によって大規模に整備され、天正10年代前半(1580年代半ば前後)に八王子城に本拠地を移すまでの20数年間、氏照の本拠地だった城郭です。同城は大規模な横堀や馬出し、技巧的な枡形虎口、随所にみられる横矢掛りなど、北条氏の「土の城」の粋を集めた城郭で、以前は草や樹木が生い茂って見にくい所も多かったのですが、ボランティアの方々の精力的な整備のおかげで、非常に見やすくなりました。見学会当日も、何ヵ所かでボランティアの方々によって草木の除去作業が行われており、頭の下がる思いがしました。
見学は大手口から入り、約2時間半にわたって見学可能な部分をほぼ網羅して回りましたが、見学者の皆さんは草木が除去され観察しやすくなった堀や馬出し等々の遺構を存分に見学することができ、満足されたようでした。
滝山城を見学した後は、城の近くにある「道の駅 八王子滝山」で清酒「氏照」や「八王子城」、八王子城や滝山城のガイドブック等々の買い物を楽しんでいただき、帰路に着きました。
八王子城太鼓曲輪も滝山城もじっくり見ればもっと時間をかける必要があり、若干タイトな日程になってしまったかも知れませんが、大半の方から感謝と労いのお言葉をいただき、担当の宮川理事と私望月で何ヶ月も前から準備をしてきた甲斐があったと思っております。参加者の皆様、ありがとうございました。そして、お疲れ様でした。次年度は、氏照の城を更にさかのぼり、初期の氏照の城と考えられる浄福寺城を見学する予定です。お楽しみに。