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静岡古城研究会会長:もっちーのブログ

静岡古城研究会会長:望月のブログです。主に静岡県内の中世城郭関係の情報を発信します。※当ブログはリンクフリーです。

鳥羽山城 発掘調査現地説明会に参加しました

2013-09-29 23:27:07 | 現地説明会情報・参加報告(静岡県内)

9月29日(日)、浜松市天竜区にある鳥羽山城の発掘調査現地説明会が、浜松市文化財課によって行われ、13:00からの午後の部には、副会長:望月と会計の澤田さんが参加しました。(午前の部には、もっと多くの方が行かれたと思いますが・・・)

鳥羽山城は、天正3年(1575)、徳川家康が武田方の城となっていた二俣城を攻める際に付け城として築かれ、家康の本陣が置かれたとされる城として有名ですが、今回の発掘調査及び草木の伐採等の整備事業により、いわゆる「野面積み」の石垣や、暗渠、庭園遺構が姿を現しました。

特に本丸の土塁直下に築かれた「鉢巻石垣」は見事で、総延長が約170mにも及び、「横矢掛り」的な張り出し部分を設けるなど、「織豊系城郭」の要素の色濃い構造となっており、天正18年(1590)に家康が関東に転封された後浜松周辺を支配した堀尾氏による整備が行われたと考えられています。

出土遺物も16世紀末頃の安土桃山時代のものであり、隣接する二俣城とともに、堀尾氏が天竜川水系を抑える城郭として整備したものでしょう。

二俣城と鳥羽山城は、堀尾氏の時代、「別郭一城」の城郭として、防御的な機能の高い二俣城に対して、庭園・御殿など儀礼や使節の接待の場として鳥羽山城が機能していたといわれています。今後の本格的史跡整備が待ち遠しい天竜区の二大城郭です。

       

 

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諏訪原城跡現地説明会に参加しました

2013-02-03 10:56:53 | 現地説明会情報・参加報告(静岡県内)

2月2日(土)午前10時より、島田市(旧金谷町)にある国指定史跡諏訪原城跡で、平成24年度の発掘調査現地説明会が開催されました。

当日は朝から雨模様で、説明会開始直前に何とか雨は止んだものの、同城跡の所在する牧之原台地一帯には濃霧が立ち込めるというあいにくの天気でしたが、約30~40名前後の方が訪れ、当会からも4名ほどの会員が参加しました。

今年度の諏訪原城跡では、見学者駐車場から北に約20mほどの場所にある大手曲輪南外堀周辺の発掘調査を行っていました。

大手曲輪南外堀は、現在の地表面からの深さ約2.6m、上端幅約5m、底部幅約1.1mのいわゆる「薬研堀」の形状を呈しており、堀の斜面の角度は約60°であることが判明しました。

また大手曲輪内側では、堀を掘った残土と思われる「牧之原礫層」によって構築された土塁の基底部と思われる遺構も確認されています。

同城跡の発掘調査の現地説明会は、前年度(平成23年度)はあいにくの雨で中止になってしまいましたが、前年度に行った大手曲輪北外堀の調査では、堀底の幅がもっと広く(約1.6m)、いわゆる「箱堀」の形状であったことが報告されています。

今年度の調査と合わせて、大手曲輪外堀の南側と北側で堀の形状が異なっていたことが判明し、従来の地表面からの調査では徳川氏の時代に付け足されたとされていた大手曲輪及びその外堀の性格に再考を迫るものになりそうです。

(なお、20年以上前の平成2年度に当時の金谷町教育委員会が行った大手曲輪西側の堀の調査では、堀の形状は「薬研堀」でした。)

同城跡は、静岡県内では東部の興国寺城跡(沼津市)と並んで、今後の史跡整備等に伴う発掘調査成果が楽しみな城跡です。

    

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