飛び込みで入ったダイ〇ハウスのモデルルーム。社宅暮らしの私達に映ったのは、広ーいリビング、豪華なキッチン、ガラス張りのバス、自動でふたの開くトイレ、芝が張ってある屋上のベランダ。娘なんか、我が家のようにリビングでくつろいでいますし、「パパー。〇〇はこんな家に住みたいよー」。
・・・以下、夢の中・・・・
とある休みの日。少し寝坊したがリビングに行くと、妻と娘はすでに起きている。
(娘)
「パパ、お寝坊さんだね。今日はパパとデートするって約束したじゃない。もーっ、パパったら。」
(妻)
「何わがまま言っているの。パパは昨日お仕事が大変で、帰ってきたのは明け方なのよ。少しゆっくりさせてあげなさい。どうせデートって言っても、パパに洋服をおねだりするだけなんでしょ。さっ、あなた、コーヒーでもいかが」
(私)
「ごめんごめん、コーヒー飲んで少し落ち着いたらでかけようか。その間、ショコラを散歩させておいで。あっ、デートなら、洗車もしておかなくちゃ。ママ、コーヒーはガレージでいただくよ。」
・・・妄想終了
うーん、こんな生活アリだな。名古屋勤務も3年だし、そろそろ東京に戻るタイミングだ、土地を見つけて家でも建てちゃおうかな、もう40過ぎたし、80ちょいで死ぬとしたら40年住めないんだよなー、娘も9歳だし、遠くの大学に入学しちゃったら18で一人暮らしになっちゃうし、あと10年も一緒に住めない。なんか悲しい。早く家を持たないと娘との生活する時間ががどんどん少なくなってしまうかも。俺にはもう時間がない、こりゃ、東京に戻ったら急いで土地探し・・・・・・。
と妄想する私を、奥さまとダイ〇ハウスの営業さんの会話が現実に引き戻しました。そろそろ、帰ろうか。
・・・ダイ〇ハウスのモデルハウスをおいとましてからの車の中・・・
(私の心)
家を建てるのは娘が高校生になるタイミングってことは、俺ってもう初老か。髪の毛もだんだん薄くなってきてるし、すでに剥げてるかも。娘なんか、おれとデートなんかしてくれないよな。やっぱり、どんな遅くても、俺の髪が残っている間に家を持っていないと。もやもや、もやもや・・・。
(奥さま)
「もしかして、家がほしくなった、なーんてこと言わないでしょうね? 言われる前に言っておくけど、家なんて買えないからね。車も買ったばっかだよ、しかもクラウン。家にはもうお金なんてないからね。クラウンだってさ、どーしてもあなたがほしいって言ってきかないから買ってあげたんじゃない。まあ、あたしもほしかったんだけどさ。でもあなたが試乗してみない、なんてこと言わなければ買わなかったんだからね。今回のダイ〇ハウスも同じ。あなたが入ろう、なんて言うから入ってみたけど、クラウン買った時のような作戦は通じないからね。」
(私)
「そんなこと思ってもいないよ。〇〇が高校生になる時に家をつくれればいいよ。それまでは社宅で金ためないとね。」
(私の心)
「こいつ、クラウンを買ってあげたって言いやがったよ。まあ、そんなもんかもしれないけど、でもクラウンを革張りシートにしたの誰だ?お前じゃねーか。俺は普通のシートでいいって言ってたのに、グレード上げたのはお前だぜ。まあ、家はまだ先かな。確かに、土地買うお金があるのかどうか俺はわからないし・・・。ん、待てよ、家に貯金はどのくらいあるんだろう。お金のことは面倒なんで全部あいつに任せてるし、実際のところ、うちにはいくらあるのかなぁ。聞いてみようかなぁ。」
(奥さま)
「ちなみに、うちにはお金はないから。」
To be continued...
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