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毎日新聞さま「何時、朝鮮戦争は終戦になったのでしょうか」 -日英部隊派遣の円滑化協定を初適用-

2023-11-05 | 小日向白朗学会 情報
 2023年11月2日、毎日新聞は『日英部隊派遣の円滑化協定を初適用 15日から日本で島しょ防衛訓練』とする記事を配信した。
『……
陸上自衛隊と英陸軍との島しょ防衛に力点を置いた実動訓練「ヴィジラント・アイルズ」が今月15日から群馬県の相馬原演習場など4カ所で実施される。日英双方の部隊派遣をスムーズにする円滑化協定(RAA)が今秋に発効し、初めて適用される。
 RAAは共同訓練や災害支援などで双方の部隊が行き来する際の法的地位や出入国手続きなどを決めておくもの。日本にとってオーストラリアに続き2カ国目の締結で、10月15日に発効した。
……』
 この記事は、本年10月に発効となった「日英円滑化協定」による自衛隊とイギリス軍が共同演習を開始することを報じたものである。日本政府が締結した「日英円滑化協定(Japan-UK Reciprocal Access Agreement)」は軍事協定である。そして、この協定には注目すべき項目がある。それが第四条である。
『……
第四条
3 この協定は、千九百五十四年二月十九日に東京で署名された日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定に基づいて国際連合の軍隊として行動する間の連合王国の軍隊が実施するいかなる活動についても適用しない
……』
とある。
 「日英円滑化協定」第四条の下線部分は、昭和29(1954)年2月19日に朝鮮国連軍参戦している軍隊が我が国に滞在する間の権利と義務等を定めた「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定」(国連軍地位協定)のことである。この協定の締結した国は、アメリカ合衆国(米国)、カナダ、ニュー・ジーランド、イギリス、南アフリカ連邦、オーストラリア、フィリピン、フランス、イタリアの9カ国及びイギリス連邦(Commonwealth of Nations)に加盟するカナダ、ニュー・ジーランド、南アフリカ連邦、オーストラリアである。
 防衛三文書でしばしば登場する「有志国」とは「国連軍地位協定」を締結した国々のことである。
そして「国連軍地位協定」と「日英円滑化協定」の関係は、「国連軍地位協定」が有効であるならば「日英円滑化協定」は適用しないとなっている。
では「国連軍地位協定」の有効期限はと云うと「国連軍地位協定」に定めがある。
その答えは「国連軍地位協定」のなかにある。それが「国連軍地位協定」第二十四条及び第二十五条であり、そのベースにあるサンフランシスコ平和条約第六条である。
『すべての国際連合の軍隊は、すべての国際連合の軍隊が朝鮮から撤退していなければならない日の後九十日以内に日本国から撤退していなければならない。・・・・』(国連軍地位協定第二十四条)
『この協定及びその合意された改正は、すべての国際連合の軍隊が第二十四条の規定に従って日本国から撤退しなければならない期日に終了する。すべての国際連合の軍隊がその期日前に日本国から撤退した場合には、この協定及びその合意された改正は、撤退が完了した日に終了する。』(国連軍地位協定第二十五条)
『……
連合国のすべての占領軍は,この条約の効力発生の後なるべくすみやかに、且つ、いかなる場合にもその後九十日以内に、日本国から撤退しなければならない。但し、この規定は、一又は二以上の連合国を一方とし、日本国を他方として双方の間に締結された若しくは締結される二国間若しくは多数国閻の協定に基く、叉はその結果としての外国軍隊の日本国の領域における駐とん又は駐留を妨げるものではない。
……』(サンフランシスコ平和条約第六条)
 
 したがって「日英円滑化協定」が実際に動き出すのは、朝鮮戦争が終戦となった時なのである。つまり、日本の安全保障政策は、朝鮮戦争を継続することが前提で組み立てられて、朝鮮戦争が終戦となると駐留アメリカ軍の根拠が失われ「行政協定(日米地位協定)」が有名無実のものとなってしまうのだ。それに伴い「有志国」は解体することになる。 
 ところが2023年11月2日付け毎日新聞には「日英円滑化協定」が「初めて運用」とあることから同協定を適用するのは「国連軍地位協定」の条件を満たす必要がある。つまり「朝鮮戦争終戦」でなければならない。
しかし「朝鮮戦争終戦」というニュースは聞いたことがない。
 自由民主党はアメリカと「日本国における国連連合の軍隊の地位に関する協定(国連軍地位協定)」と「行政協定(日米地位協定)」を締結して、日本の主権(自衛隊指揮権、航空管制権、電波権)をアメリカに売渡すことで長期政権を維持してきた政党なのである。

「毎日新聞さま、政府のプロパガンダに乗せられないようにお気をつけください」。
尚、毎日新聞様が追及しておられる「統一教会問題」や「PFAS問題」に付きましては、ますますのご活躍を期待しております。

「国連軍地位協定」及び「日英円滑化協定」につては下記スレッドにその詳細を纏めてあります。
・トランプ氏とNATO問題

・トランプ氏と朝鮮戦争終戦問題

・バイデン政権となったのちの動き

・再び朝鮮戦争が終戦となることを見込んだ処置
(寄稿:近藤雄三)
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