お父さんの底力。

寅さんとか長島監督とかによく例えられるお父さん。ついに脳梗塞で倒れました。しかしマイペースさに変わりなし!

団塊世代になぜか人気なお父さん。

2007-06-17 00:16:52 | Weblog
「団塊の世代」という人たちに私はある共通点を感じます。

それは、

とても努力家、
まじめで勉強好き、
ロマンチスト、
理想主義、
そしてどこか根っこのほうで自信がなさそうなかんじ。
文学青年がそのまま大人になったよう。
泥臭いことにとても弱い。

というイメージです。

そういったタイプの方々にお父さんは異常に崇拝されることがあります。
先日もお父さんと小さい喫茶店に入ってしゃべっていたら、マスターが寄ってきて、
「いやー、つい話を聞いてしまいました(お父さん、声大きいからね)。実に魅力的な人だ。少年のような。いや~いいなあ。」
なんて買いかぶりもいいところ。でも元文学青年(知らないけど)の妄想は止まりません。
こういうことはよくあります。

ひんぱんに「お父さんと話したい。」と電話をかけてくるおじさん。
(お父さんと話したってつまらんアメリカンジョーク聞くだけだと思うが。)

「あなたと話すことが私の生きる糧となっております。」という、ラブレターのようなはがきを送ってきたおじさん。

何が彼らを惹きつけるのだろう?
なぞだ。
私は上品で繊細、誠実そうなおじさんたちのほうがよほど素敵にみえるんだけど。


お父さんのプレゼント。

2007-06-16 23:32:06 | Weblog
お父さんがどこからか持ってきた例のでっかい電気スタンド、あれ、私へのプレゼントだそうです。
地元にこの間つぶれてしまったオシャレな家具屋さんがあったのですが、何ヶ月か前、お父さんとぶらりと立ち寄ったときに
「こういうスタンド欲しいな~。」
と私が言っていたのを覚えていたようです。
下北にぶらりと飲みに行っていたお父さんが(だから、飲むなってば!)、帰り道家具屋で見つけて買ってきたそうです。

たしかに形は欲しがっていたものに似ている。
しかし・・大きすぎて置こうと思っていた隙間に入らない!
どう動かしても、どこにも置けない。
私の部屋は狭いのだ。

だから、寸法測ってから買うもんだよ、こういうもんは!

という言葉は何回お父さんに言ったか、そして心の中でつぶやいたか(言うと逆ギレするので)わかりません。

もう少しのところで入らない隙間家具(意味ないじゃん!)をいくつ買ってきたことか。
安かった~
と喜んで買ってくるけどお金とスペースの無駄ですよ、まったく。
お父さんの辞書に採寸と言う言葉はない。

でも、この毎度の迷惑なプレゼントも、もうもらえなくなるかもしれないなあ・・などと思うと、いつになくありがたく、しみじみと置き場所に困るスタンドを頂いたのでした。





現実感がないです。

2007-06-16 00:04:41 | Weblog
私は昔から体も気も弱くて、よく病院に通っていました。
その度にお父さんは
「おまえはホントにだめだなあ!」
と、弱った私にとどめをさすようなことを言いながら、病院についてきてくれました。
無神経!だからキライだ!と思いながらも、お父さんの丈夫さ、ゆるぎない様子は絶対的なかんじがして、憎たらしくもうらやましかったです。

月日が流れ老人と言われる歳になっても、何かと調子を崩しがちな私が病院に行こうとすると、
「弱いなあ。ついてってやろうか。」
と相変わらずの保護者ぶりを発揮していました。

私にとってお父さんはいつまでたってもお父さんで、保護するべき弱い人というかんじではありませんでした。
なんか、鉄壁!というかんじで

それが今、私が付き添いでお父さんが病人!
まだ現実感がありません。
発作を起こしていない限り、見た目は元気なのがよけいにそういう気持ちにさせるのかもしれません。

待合室で待っているときなど、ふと、私が病人でお父さんのほうが付き添いのような錯覚に陥ることがあります。

お父さん、かんべんして下さい(-_-メ)。

2007-06-15 00:00:38 | Weblog
そんなこんなで、元気がないと思ったお父さんですが、少し目を離すとやっぱりいろんなところからいろんなものを持ってきます。

だーかーらー、

重いもの持ったらいけないんだって!!!

医者に、命にかかわりますよ!とまで言われているのになぜ聞かないのだ!

命はやっぱり惜しいみたいなのに、その割に全然行動が改まりません。
もう、キーキーしてる私のほうが心臓が危ないです。
 
最近お父さんが古道具屋や屑屋から仕入れた数々は、

・重い、古い80cm四方くらいのテープレコーダー。
・段違い平行棒みたいな何か。何??
・身長くらいあるスチールのがっしりした棚。
・スチール製の1.5mくらいあるスタンド。

(スチールが好きなようだ)

あー、あと配管直しセットとかいう錆びた鉄の箱に入ったマニアックな品も。

どこから仕入れてくるんだ??そして何に使うんだ??
100回くらい頭を巡った疑問がまたぐるぐる回ります。

そして何より・・・
命がけで仕入れてくるほどのもんか?
キー




禍福はあざなえる縄のごとし・・か?

2007-06-14 23:51:41 | Weblog
お父さんはかなりひどい心筋梗塞を起こしています。

一般的に心筋梗塞の痛みとは
「耐えられないほどの激しい痛みが数分から時には数時間も続く」
と言われ、象に踏まれたような、とも形容されています。
心臓発作でポックリいくのがいい、なんてよく言いますが、場合によっては思ったより苦しいかもしれません。

ところがお父さんにはこの痛みがほとんどありませんでした。
心臓をとりかこむ3本の血管のうち、1本は完全に詰まっていることを考えると、かなり前に大きな発作を起こしているはずなのに・・です。

「さすが無神経なお父さんだけのことはあるな。」
とある意味納得していたのですが、実は糖尿病が原因だったようです。

全員というわけではないのですが、糖尿病の患者は痛みにかなり鈍くなることがあるそうです。

痛みがなかったので発見は遅れたけれど、それは本当に悔やまれるけど、反面、痛みがないというのはすばらしいとも思いました。
病気になって一番苦しいのは痛さだと思うからです。
例えば死ぬまで痛みがないのだとしたら、それは本人にとっては、とてもラッキーなことではないのでしょうか。

私はお母さんの癌の末期の様子をみているだけに、心底そう思います。
お父さんが糖尿のために心臓の痛みをあまり感じないなら、本当によかったなあと思います。ヘンな話かもしれないけど、糖尿病でよかった。とさえひそかに思っています。

回復が難しいと告げられた今では、よけいに。