内的自己対話-川の畔のささめごと

日々考えていることをフランスから発信しています。自分の研究生活に関わる話題が多いですが、時に日常生活雑記も含まれます。

「これは、おそらく、天国への階段ではなく、地獄への落とし穴なのだろう」― 誰にも話を聞いてもらえない、動脈硬化に苦しむ独居老人のつぶやき

2024-05-22 05:12:01 | ブログ

 出し抜けなのですが、敢えて大嫌いな言葉を連続して使います。この二日間、ほんとうにたくさんの「学び」と「気づき」をいただいて、マジ感謝です!(うわっ、こう言った瞬間にその言葉を唾奇のように吐き出したくなる!)
 今言ったこととぜんぜん関係ないのですが、朝ドラ『虎に翼』、フランスにいながらオンデマンドで毎日一話ずつワクワクしながら観ています。ドラマの内容自体ももちろん素晴らしいのだけれど、それとともに、米津玄師の主題歌「さよーならまたいつか!」、いいなぁ。毎日聴いているのに、その日のストーリーの内容とは関係なしに、聴くたびにちょっとウルウルしてしまうのです(― 爺ちゃん、言いにくいんだけどぉー、病院行ったほうがいいかもよ)。
 さて、それはともかく、規模としてはミニチュア・レベルなのですが、ネット上でどのようにして「バズる」ということが発生するのか、そのメカニズムの一端を今自分のブログに生じていることを通じて垣間見ているところです。
 昨日の記事で告白しましたとおり、全体で300万件以上ある登録ブログのなかで拙ブログが9位になったことだけですでに開いた口が塞がらないほどに驚嘆していたのですが、その翌日である今日、天国から地獄に転落することを覚悟していたのにもかかわらず、なんと3位にまで上昇したのです。
 これって、私的には、テニスのグランドスラム大会の一つで、例えば来週始まる全仏オープンで、それまでまったく無名でやっとのことで予選一回戦に参加できたランキング100位以下のプレーヤーが準決勝まであれよあれよと勝ち残ってしまったくらいの衝撃なんですよね。
 と言った瞬間、でも、それとはまったく違うじゃん、とすぐに気づきます。だって、テニスだったら、それはなんだかんだ言って、本人にそれだけの力があるっていうことじゃないですかぁー(私、この言い方、実はすごく嫌いで。いつからなのでしょうか、特に女性たちがこの言い方を使うようになったの。マジ、虫酸が走る!― 爺ちゃん、そんな態度じゃ、女性に嫌われるだけでなく、はっきり言って、これからの世の中、生きていけないと思うよ)。
 ネットで「バズる」っていうのは、本人の実力とはほぼまったく関係ありません。少なくとも今回の私のケースはまったく関係ありません。拙ブログのある記事にブログを運営するスタッフの方がありがたくも「いいね」をしてくださいました。ただそれだけです。そのことに私は感謝しかありませんが、それがこのような数値をもたらすことに私は驚く、いや、恐怖さえ覚えるのです。
 何十万人、いや何百万人というフォロワーをもつ、世に言うところのインフルエンサーが、ちょこっと「いいね」をしたら、ほとんど直感的に、言い換えれば無思考的に、それに「賛同」あるいは「同調」して、膨大な「群衆」が群がる(って書いて、気づきました。これって冗語ですね。群衆は群がるから群衆なのですから)。
 それがいい意味で社会を動かすきっかけになりうることがあることは私も否定しません。でも、それは民主的ではない、と言いたい。なぜなら、民主的ということは、一人ひとりの意見を尊重するということだからです。それに耳を傾けるためには、どうしても、時間も手間もかかるのです。ただ、あらゆる場合に民主的であることが最良だ、とは言いませんが。
 でも、手間暇を全部すっとばして、たった数秒間で「いいね」数万件って、マジ怖い。おそらく、それは天国への階段ではなく、地獄への落とし穴なのではないかと、あらゆることに乗り遅れ、身よりもなく、老後に大きな不安を抱えている年寄りは、愚痴る相手もない孤独な陋屋で虚空に向かってつぶやくしかないのでありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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