リチャード・クーのミーティング・メモに興味深い記事を見つけた。
地政学リスクという言葉だ。
世界で起こっている様々な出来事。
軍事面では北朝鮮のミサイル発射、イスラエルのレバノンやガザ侵攻、インドでの連続爆破テロなど。
国際政治面では、北朝鮮に対する国連安保理決議とサンクトペテルビルグでのG8サミット、そして経済面では、日本のゼロ金利解除など、これらの地政学リスクについて語ることが出来ないと最早エコノミストも務まらなくなるという。
為替レートや経済に及ぼす影響も、金融市場の動向とともに地政学リスクが不可欠の要因になっているということだ。
言われてみればその通りである。
物事は多面的、立体的に見なければ全容がつかめないのと同じだ。
株屋は証券市場にお金を引き込みたいためか、実に丁寧に日本市場の明るさを語ってくれる。
史上最高レベルの企業業績、企業倒産件数は激減、92年以来の求人倍率、期待が拡がる設備投資、脱デフレへの期待、増える増配企業、などなどである。
では7月14日に出された平成18年上半期の静岡県内倒産整理情報を見てみよう。
前年同期比でみると発生件数は28件増加の162件、16年以降2年連続で減少していたが、今年に入り再び増加に転じている。
地区別に見るとこれまた興味深い。
東部地区が前年同期比10件増の71件で昨年に続き最多発生となっている。
中部地区は17件の増加で63件、件数・負債とも大幅に増加している。
西部地区は件数は横這いだが、負債総額は前年上半期の二分の一以下にまで減少している。
すなわち静岡県は西部地区の好調さにカバーされていることがよくわかる。
さらに原因別に見ると、売上不振、ジリ貧の不況型倒産が92.6%の150件。
株屋のいう日本市場の明るさの裏側にある現実がよく見える。
久しぶりに県内2名の若手国会議員と懇談をした。
『もっともっと現場を歩いてくれ。』『もっともっと議論してくれ。』と心から訴えた。
バッチを着けていればこそ歩ける現場がたくさんあるはずだから。
頼むよ、真剣に。